電子書籍
超能力者3人の「人となり」が分かります。
2015/11/09 16:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yuko.A - この投稿者のレビュー一覧を見る
超能力者の日常をテーマとしたドキュメンタリー(TV番組)を制作するにあたり、着想から制作・放映、そして後日談に至る4年以上にわたる、著者と超能力者3人との交流が綴られています。著者の「信じる」とも「信じない」とも言えない、どっちつかずの苦悩があるがゆえでしょうか、著者は、あくまでもニヒルな視点で、彼らの「超能力者らしいところ」も、「らしくないところ」も、あまさず白日の下にさらしているという感じです。私は以前、清田氏にも秋山氏にもお会いしたことがあり、この本の最初の方で「・・・一瞬だが狡猾な部分が見え隠れしたようで、たまらなく不快だった」とか「ふてぶてしく尊大で、さっさと電話を終わらせたいという露骨な意図が声に滲んでいた」と、清田氏に対する著者のネガティブな感情の発露に、「ここまで書かなくても」と思わず絶句しました。その後、彼の言動を個性と受け止め、心の繋がりを育んでいく過程が丁寧に書かれていて、超能力者たちの姿だけでなく、著者ご自身の考えや感情も正直に書こうとする姿勢が分かりました。超能力者と言われる人々が、自分の能力をどう思い、日々何を考えているのか、また人間として当たり前の「欲や葛藤」とともに日常を過ごしている姿などが、とてもよく分かります。テレビ番組の裏話や、若かりし頃の様子、スキャンダルの真相など、とても興味深いエピソードがあちこちに登場しますが、それはあくまでオマケ。本題は、ヒューマン・ドラマです。
紙の本
森達也の世の中に対するスタンスは変わらない
2021/04/30 18:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
自称超能力者三人を追ったものだ。なかなか興味深い内容だった。驚きだったのは、超能力に関して、一流企業や政治家、学者などが関わっている例も多いという事だ。ここでも森達也の世の中に対するスタンスは変わらない。また、テレビ業界の醜悪さは、相変わらずだ。
投稿元:
レビューを見る
「嫌気がさす」「結局こうだ……」といったフレーズが度々くるのでまたか!と思うけど、まあそれがこの人なのですね。
投稿元:
レビューを見る
超能力ブームも実はリアルタイムではないかも…。清田君ってそこまでやる人だったんだ!と始めて知ってびっくり。そして超常現象を目の当たりにし、能力者と打ち解けつつも、それを鵜呑みにできないドキュメンタリー作家。オカルトファンとしてもノンフィクション好きとしても楽しめる。
投稿元:
レビューを見る
3人の超能力者、スプーン曲げの清田・
UFOを呼ぶ秋山・ダウンジング堤の
日常を追った8年間で得た
著者にとっての「超能力」とは
投稿元:
レビューを見る
読了後、タイミング良く清田さんのニュースが。そして数日後にはこの本の中でも多く登場するTVタックル超常現象スペシャルの放送日で、感慨深い06年の最後の読書になりました。
投稿元:
レビューを見る
森達也による同名のテレビドキュメンタリーの書籍化。清田益章、秋山眞人、堤裕司という3人の日本を代表する超能力者たちの日常を追った作品。特に清田のいかにも複雑なひととなりはとても興味深く、同時にマスコミ批評的な側面もある傑作。
投稿元:
レビューを見る
頁を捲る手が止まらず一気読みしてしまった。スプーン曲げの清田益章、UFOの秋山眞人、ダウジングの堤裕司という超能力者3者3様の在り方が非常に興味深い。そして森達也の著作に何度も出てくるメディアへの懐疑、ドキュメンタリーに対する姿勢、なにより物事へのアプローチの仕方というものが、地下鉄サリン事件をはさみ8年間にわたるこの取材過程(もちろんその間には『A』もある)の中で方向付けられたことがわかる。毎度ながらこの人の視点には共感できる。取材対象を撮りながら、自ら煩悶し続けるといういつものアレだが、ただ今回に関しては少し無理矢理拒否している部分が見えるようにも思える。文庫版あとがきの最後の最後の一言が結局は全てだったんじゃないかと思う。なのに「信じてませんよ」の一言が痛々しい。後々の著作を読めば、拒否反応の理由は今や森さん自身も分かってるんじゃないだろうか。
超能力やUFO、超常現象や奇跡とかスピリチュアルとかなんでもいいんだけど、こういう話って「有る無し論」になってしまう。要は信じるか信じないかという事なんだけれども。森さんはずっとその間を反芻しているわけだ。でもこの「有る無し論」自体が非常に演出的というかテレビ的というか、不毛な論議だよなと思う。特に否定する側の反応がとかく感情的になりすぎる。森さんが指摘する大槻教授のように、過剰にヒステリックで頑な拒否反応(大槻教授の場合はテレビ的な演出が多分に含まれているにせよ)が多いと思う。一言で言うと「騙されないぞ!」ということに尽きる。わたしは騙されないからね、みんなも騙されないように、と。
さて、ここで僕は思う。そもそも「騙される」ってどういうことなんだろうか。たとえばスプーン曲げの超能力がトリックだったとして、誰かが不幸になるだろうか。森さんの言うように、年端もいかない少年に対して目くじらを立てて怒るほどのことだろうか。「騙された」「騙されない」なんてのは本人の気持ち次第でしかない。全ての人に対応する絶対的な物差しなんて存在しないのだから。もっと言うと、例えばどっかの宗教団体で高価な壷を買ったとして本人がそれで幸せな気持ちになれるのならそれはそれでアリじゃないかと思う。その人の心はその人のものなのだから。外から他人が物差しで測る事は出来ない。
だから僕は、誰かに騙されることを恐れて窮屈に生きるぐらいなら、たとえ騙されていたとしても楽しく生きるほうを選ぶ。
投稿元:
レビューを見る
超能力業界代表・秋山眞人、スプーン曲げ・清田益章、ダウジング・堤祐司の大御所三人の私生活にスポットを当てたドキュメントを撮るまでの4年間。そして、超能力否定派第一人者・大槻義彦教授との決裂までの8年間を綴った渾身のノンフィクション。名作です。ドキュメント・メイキング本としても面白い。
投稿元:
レビューを見る
これ、途中で表紙の写真が怖くなってしまい、カバーをはずしました。
確かに私も「超能力ならスプーン曲げ以外にもっとすごいことやれよー」
という人種だったのですが、これ読むとそうも言ってられないような…。
大槻義彦氏には正々堂々と出てきて欲しかったな。個人的感想ですが。
投稿元:
レビューを見る
かなりディープな世界だし、サラッと書かれているわけでもない。でも、かなりわかりやすいし、読みやすい。少しでもこういったものに興味がある人なら、おそらく楽しめると思う。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
スプーン曲げの清田益章、UFOを呼ぶ秋山真人、ダウジングの堤裕司。かつては一世を風靡し、「超能力者であること」を職業に選んだ彼らは今、どんな日常を送っているのだろう。三人に興味を抱いて、八年間にわたって取材を続けた著者が数々の不可思議な現象をまのあたりにしながら、「超能力」という迷宮にさまよい、彼らの孤独をすくいとろうとした異色の超現実ノンフィクション。
投稿元:
レビューを見る
超能力の有無は問題ではなく、超能力者をやってる人たちはどういう人たちなのか?という所に焦点をおいた密着ドキュメンタリー。
面白かった。
再版されてる「ゴーストハント」で超能力者の扱いについてもちらっと出るので、併せて読むといいかも。
投稿元:
レビューを見る
評価は★3つと4つの間くらい。
題材になっている超能力者たちがメディアに登場する際、
ほぼ100%といって論証は、「真か偽か」「信じるか信じないか」。
モリタツは、そこに一定の興味を認めながらも、
時にトリックと論破され、狂人と揶揄されたりする、
そういう論調を伴って生きてきた超能力者たちの日常にカメラを向ける。
つくづく、変わったところに興味を持つ人だと思う。
作品は相変わらず、揺れながら、揺れた世界を描き出している。
読み終わって、魔女狩りの集団心理を思い出した。
異端の存在は自己否定につながるという、妄想に近い憎悪。
面白い作品でした。
投稿元:
レビューを見る
ドキュメンタリー作家森達也が取り上げた題材は超能力者。
これは森さんが取材したからこそ意味のある本だし、
「信じる」人も「信じない」人も、「どちらでもない」人にも読んで欲しい。
「超能力とは何か」ではなく、「超能力者とはどういった人か」に主眼を置いたのは非常に彼らしいく、
新しくないのに誰も見ていなかった視点。
読み終わったときに心の内に残る気持ちは言葉に出来ない。