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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2014/04/08
  • 出版社: 筑摩書房
  • レーベル: ちくま新書
  • ISBN:978-4-480-06121-8

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一般書

電子書籍

行儀よくしろ。

著者 清水義範 (著)

「教育論」となると、学校教育を論じることになりがちだ。しかし、世の大人にとってもっと身近な、自分がすべき教育のことを忘れてはいけない。お葬式でどういう態度をとるか、困って...

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行儀よくしろ。

税込 660 6pt

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行儀よくしろ。 (ちくま新書)

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商品説明

「教育論」となると、学校教育を論じることになりがちだ。しかし、世の大人にとってもっと身近な、自分がすべき教育のことを忘れてはいけない。お葬式でどういう態度をとるか、困っている人をどう助けるか…などは文化の中にあることで、その文化を継承させていく責任が大人にはある。美しい日本人を育てるための教育論。

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みんなのレビュー28件

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評価内訳

紙の本

やわらかな、等身大の教育論。

2003/11/25 18:46

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「あとがき」によると、書き始めたときの仮タイトルは『今私たちに必要な教育』だったそうである。それが半分書いたところで『文化の崩れを正す教育』に変わり、最終的には「全部書き終えてみたら『行儀よくしろ。』という題名が電撃的に頭の中に浮かん」で落ち着いたのだという。なお、伝えたかったのは「この国の文化をちゃんと守る教育をしよう」ということである。

 従来の教育論とは一線を画している。特徴を挙げれば、

(1)エッセイで語り口が軟らかい。
(2)学力や知力の低下の原因だと言われている学校教育をスケープゴートにしない。
(3)学力・知力低下の結末と言われているいまどきの学生の行動もスケープゴートにしない。
(4)むしろ逆で、現代社会のストレスが、スケープゴートに対して文句を言うことで発散される現象を問題にする。
(5)著者の気づきが読者を「自分は欲望社会に生きる存在である」という気づきへと誘い、いろいろなことを広く深く考えさせる。

‥‥ということが挙げられると思う。

 教育をめぐる社会的な諸問題に対してステロタイプに「あれが悪い!これが悪い!」と怒っても、自分自身を顧みず他罰的に言っているだけであれば、それは八つ当たりと変わらない。何がどうなって「あれが悪い!」になったのか、その原因を考えてみることは、そのような憤懣を一瞬抱いてすぐ忘れることよりも面白いだろう。

 オーソドックスでありつつ独特な論を展開する、あまりないタイプの教育論。後に出た正高信男『ケータイを持ったサル』(中公新書)も、読み始めはそう思えないが、実は類似テーマ。

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紙の本

「行儀よく」すべきは...私たち、大人です。

2011/06/06 07:59

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

いわゆる「教育論」であるが、巷にあふれている内容ではない。「教育論」としてありがちなのは、「ゆとり教育」への批判であるとか、教師の「質の低下」とか、専門家の方々が口を合わせて批判している場面によく出くわすけれど、著者のいう、「本当にゆとり教育が原因ですか?」とか「教育を学校に投げっぱなしではないですか?」というテーマは、学校に行く世代の子供を持つ親としても、非常にしっくりくる話である。国の教育方針が...とか言われても、だからどうする、っていう議論がほとんど見られず、専門家が持論を展開するだけ(教育の分野だけではなく、「専門家」はこうあるべし、みたいな全体的な風潮は、ある。悲しいけれど)。本来自分の子を「育てる」のは学校に依存するものではない、家庭での教育(学問だけではない)は学校でのそれよりも上位概念ですらある、という気持ちも持っている。
前半は、「こどもを育てる」ということに対する本質的なところを説き、後半は、より上位概念である「社会、文化が子供を育てる」と広がっていく。範囲が広くなるにつれ、抽象的なイメージになってしまうけれども、「社会、文化」という重要性は、読んでいてそれに気付かされたところも多い。そしてそれら=社会、文化を「美しく」していくのは、そう、「大人」の責任である。本を読まない親が、子供が本を読まないことに悩む、という事例に象徴されるように、子供は大人たちが作った社会の中で育っていく。大人が本気で、真剣に取り組んでいる姿にこそ、教育の本質があるわけだ。
これはマスメディアによる情報露出だけにとどまらない。もちろん、政治家の無責任な言動や、凶悪犯罪といった「よろしくない」姿が露出されることはマイナスであるけれども、メディアの報道姿勢も問われるわけだよね。そして何より一番近くで接する大人である、親、学校の先生。自分たちの姿勢が、子供たちに大きな、深い影響を及ぼすことを改めて自覚する必要はある。
なによりも、子供たちにどうなって欲しいのか。愛情をもって接すること。彼らのことを真剣に考えること。それにあたっては自分たちの行動に責任と自信を持つこと。あたりまえだけど、できていないこと、あるんだなあ...
著者の「読ませる」文章は、見事にハマりました。ビンビンと伝わってきます。ちょうど読んでいるタイミングと学校の運動会が重なりましたが、子供たちの真剣なまなざしを近くで感じて、「大人」として何をすべきか、どう行動すべきか、考える機会となりました。何歳であろうと子供がいる家庭の方、一読をお勧めします。

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紙の本

まっとうなことを、まっとうに語る、それを普通の作家がやると、ナンダコノヤロ、となるのだけれど、流石、名古屋の龍、清水義範、素直に読ませます

2003/09/19 21:33

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

カバーに書いてあるのは「子供がイライラしているのは、日本という国の社会全体がイライラしているから……もう少し具体的に言うならば、大人がイライしているから、子供は自然にその感化を受けてイライラしているのである。なぜ日本人はイライラしていて、すっきりと幸福感を持っていないのか、を考えてみる必要がある」と、きわめて正しく堅苦しい文章である。

でも、書くのがあの名古屋の作家清水義範、ぜったい、堅いままで終わるはずがない、どこかで笑いをとるぞ、と思って読み始めたら、これがズバリ まじめ。まっとう至極、反論の余地アリマセン、参りました、お許し下せえお代官様、といいたくなるような内容で、しかも例えば読んだばかりの中野孝次『自分を活かす“気”の思想 幸田露伴『努力論』に学ぶ』なんかとくらべると、すんなり納得できることばかりで、やっぱり世代差があるものなあ、とひとり肯いてしまう。

全体は八章に、はじめに、と、あとがきが付く。第一章「学力低下は大問題か」、以下「教育は学校だけのものではない」「社会がしている教育」「教育とは文化を伝承すること」「生活習慣の美を守る」「美しい日本語とは」「今日本にある文化の危機」「文化の崩れを正す教育」。

で、清水は学力と知力を分けた上で、学力低下というのは、所詮、試験問題を解くことが出来なくなっただけのはなしで、問題にするほどではない、むしろ若者が別の分野、デザインのセンスや電車の中での傘の扱いに見せるマナーなどでは、高齢者を凌ぐとさえ断言する。そして必ずしも知力の点では劣っていないという。ここらは東大ではない地方の大学で、立花隆と討論させたい。

そういうスタンスは、言葉の使い方にも及んで、とかく本来の意味・用法にこだわり若い人たちの使う日本語の乱れを言うけれど、むしろ語法や意味そのものが変化していることを認める視点も必要ではないかと説く。ここらも、東北大学ではなく愛知県で、井上ひさしと討論させたい。人によっては、あまりの清水の現状肯定ぶりに、甘い!と言う声も聞こえてきそうだが、私はどちらかというと清水の肩を持つ。

しかし、現状を容認するだけで終わるのかといえば、冒頭にあげたイライラにみるように、実は未来を担う子供たちにとって最も重要なのは大人たちの日々の姿であるとして、敗戦で日本の文化を全否定してしまった愚と、拝金に走ってしまった戦後日本人を批判する点では、極めてオーソドックスなのである。

ただ、立花隆の現代学生馬鹿論の行き着く先が、理工系の学生の能力を上げること=日本人が未来の勝ち組になる、という敗戦以来日本が歩んできた道をそのまま肯定するのに対し、清水は日本人が豊かさの中で身に付けた心のゆとりに着目し、経済的にはだんだん尻すぼみになっても本当の文化的に豊かな暮らし、お金ではなく、ある意味美しい生き方を薦める点が、私などには好ましく思える。

無論、おいおい、と思う部分がないわけではない。特に教師の質にふれた部分での、「所詮、教師などは大した能力もない人間がなるもので、それに期待しすぎるほうが間違っている」(ちょっと違うかな)風なところは、それじゃ困る、とは思うけれど、妙に納得できる部分もある。

また、清水はW・カップに興味がないと思っていたけれど、日韓両国のサポーター気質から、アイルランド人の応援の仕方までかなり丁寧に比較していたのも新鮮だった。イランの人々の生きる姿に、日本人が忘れてしまった「貧しくても清く」」という生き方をみて感心するのも、納得が出来る。中野の本は、昔の人はこんなに偉いぞ、自分も頑張ったぞ、みたいなところが多くて、辟易したけれど、なぜか清水の主張には素直に肯きたい。年齢をかさにきて、年寄りの言うことは聞くもんだ、というような語り口ではなく、私たちとおなじ視点で高さで語ってくれるせいだろう。

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紙の本

最近の自分を素直に振り返るきっかけ

2004/01/10 16:53

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カラビナ - この投稿者のレビュー一覧を見る

氏の文章をずっと読んできたので、書いてある内容はこれまでいろんなところで書かれてきたことを基本的に踏襲しているし、ものすごく新しいベクトルの話ではないのがわかります。ただし、大人側の行儀、という芯をひとつ用意して一冊の本に仕上げてあるので、また同じネタで原稿料 2重取りかよ、という類のものにはなっておらず、むしろすっきりすると思いました。もちろん、氏の文章を読んだことがない人にとっても、読みやすくおすすめできます。

「行儀よくしろ!」でも「行儀よくしろ?」でもなく「行儀よくしろ。」であるところに、氏のおだやかで思慮深い感じがよく表れていると感じました。最近の自分を素直に振り返ってみることができます。

内容に関することは他の方の書評がうまく伝えているので、少し違う視点から。ちくま新書は初めてか、またはかなり久しぶりに読んだ筈で、どうにも使われている活字が私には合いませんでした。行間・字間がせまくて読みにくいのではなく、使われている字体がちょっと主張が大きくて目についてしまったのです。このあたりは、慣れという要素もあるものなのでしょうか。

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紙の本

子供がイライラしているのは、親も自分の人生に満足できず、イライラしているからだ。

2003/08/04 11:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「今日日(きょうび)の若者は…」などと大人が嘆くのは、おそらく人類有史以来、連綿と続いていることなのだろう。作者は、ふだん見かける電車やデパートなど公共の場での若者と大人のマナーを観察して客観的に、判断している。当然、マナーが悪いのは、若者だけじゃない。

日本や日本人がいま抱えている、さまざまな問題の根源を、ずううっとたどると、第二次世界大戦での敗戦にあると作者はいう。

「戦争に負けた日本人は、それまで持っていた自信を失い、自分たちの文化の価値を認めなくなり、自分たちの持ってた美質を捨てたのだ。負けた国にあったようなものは、実は何の価値もなかったのであり、日本は全部間違っていたのだ、と考えた」

「戦後の日本人は、それまで持っていた固有の文化を捨てて、経済に身を売り渡したのである」「そして実現できたのが、消費がすべての欲望社会だった」

捨て去ったものの中には、身近なレベルでは、あいさつ、しつけ、礼儀、敬語などがあり、そのオンライン上に、あえていうならば、愛国心だの大和魂とかいったものがある。換言すれば、ナショナリズムである。こんなことをいうと、いまだに右翼チックにとらえられがちだが、そんなことは、ないんじゃないの。小熊英二の『<民主>と<愛国>』、日本語関連本や甲野善紀の武術&身体本のヒットの例をあげるまでもなく、サイレント・マジョリティのムードは、そっち方向へシフトしつつあるのではないだろうか。

「子供たちがイライラしているのは、その親も自分の人生に満足できず、イライラしているからである。それが、ちゃんと教育されてしまっているのだ。では、日本の大人はなぜ自分の人生に満足していないのか。それは、欲望社会の中で、自分がすべてを手に入れてはいないからである」

子供を着せ替え人形にして喜んでいる母親を軽蔑する母親って、大概は、教育ママのような気がするんだけど、そっちはそっちで、洋服のブランドの替わりに学校というブランドを押し付けているだけで、おんなじ。

従来ならば、衣食足りて礼節を知る。はずなのだが、経済的に豊かになったら、日本は精神的に貧しくなってしまったと。富めたら貪しちゃった。ひとえにこれは、日本文化が崩壊したものによる。その文化を「正す」ことこそが、「日本の教育にいちばん大切である」と述べている。

そうか。この「日本文化」という言い方が右翼チックなのかな。だったら、人間性だの、品格だのに勝手に置き換えてみたら、赦してくれますか?

ともすると、教育問題に関して、親は先生の非をあげがちだが、学校だけが教育の場ではないし、「先生に期待しすぎるな」とも。このくだりは、いまのおかあさん・おとうさんには、リアリティがあり、かくいうぼくも耳が痛くなる。

タイトルがそうなので、いまどきの子供や親を叱り飛ばす精神論的ものなのか、あるいは、パスティーシュの名人なので、何か、教育論のパロディなのかなと思ったら、なかなか、まっとうな、ど真ん中の教育論でありました。と、いえるのは、ぼくに、小学校に通う子供がいるからなのだろう。

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紙の本

僕にはこの本の書評を書く資格がない

2004/03/15 21:57

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み始めてすぐに「この書評を書く資格は自分にはないのではなかろうか」と思ったのだが、読み終えてみて果たしてその通りだった。

実を言えば僕は清水義範という人をずっと馬鹿にしていた。何であったか憶えていないのだが、本屋で立ち読みした本がとてもつまらなかったからである。ところが2003年の6月に『日本語の乱れ』を読んで認識を改めたのである。この本はとても面白かった。そして、僕が普段思っていること考えていることをそのまま、しかも極めて上手に書いてくれたような気がした。

それでこの本を手に取ったのであるが、これは僕の思っていること考えていることに近いかどうかどころか、僕の思っていること考えていることそのものである。だから読んでいて反発がない。驚きもない。いや、ことさら共感することさえない。とても他人が書いた文章だとは思えない。まるで自分が書いた文章を読み返しているみたいにスラスラと読めてしまう。本というものはもう少し引っ掛かる部分がないと面白くないのである。「なーるほど、そういう考え方があるか」とか「言われてみれば確かにそうだ」とか「でも、そこまで言うのはちょっと言い過ぎではないか」などと引っ掛かりながら読み進むのが読書の楽しみである。僕は全くそういう経験ができなかった。『日本語の乱れ』の場合はストーリーが仕立ててあったりダイアローグにしつらえてあったりする部分を楽しんで読むことができたが、こういうストレートな評論となると、そういう遊びの部分が少なくて意外性がない。主張を補強するために挙げられている例に少しは新味のある話もあったが、まあその程度である。イランを紹介するエピソードとして挙げられている2本の映画(『友だちのうちはどこ?』と『運動靴と赤い金魚』)についても僕は両方とも見ている。ひょっとして自分が書いたのではないかと思うくらいだ。これはまさに僕の主張そのものである。

だから僕はこの本の書評を書く資格がない。自分の書いたものを採点するわけには行かないし、もう少し観点の違う人が紹介するべきである。
ただ一つだけ言えば、最後に「行儀」という言葉を持って来てまとめ上げてしまったところだけが僕の趣味とは少し異なる。結末を迎えて「行儀」とか「日本文化」などという言葉を持ってくると、必ず「なんだ、単なるアナクロニズムじゃないか」と思う人がいるのではないだろうか。読者の何%かは間違いなくそういう読み方をしているはずだが、もちろんそれは誤った読み方である。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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紙の本

老いも若きも蹴っ飛ばしたい!

2004/05/01 21:58

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「この野郎!」と腹のなかでつぶやいた時、一人の若者がエレベーターの中でつんのめって、派手な音をたてていた。
 とある繁華街。エレベーターが一階に着いて降りようとしたところ、降りている人を無視してパンクな兄ちゃんが強引に乗り込んできたのである。
 瞬間、すれ違いざまに兄ちゃんの足を引っ掛けていた。
 素知らぬ振りして悠然と立ち去る気分の爽快なこと。こうやって、口で諭して分からぬ奴には行動で社会教育を施さねばならない。

 禁煙エリアと分かっていながら悠然と煙草を吸っている老人。
「ちかごろの若者は」と口にしながら、政治や世界情勢にはまったくの興味を示さぬ老人。満員電車で混雑していても、頑固にスペースを詰めずに我が物顔のご老人たちには、「ボケている」と思って納得するしかない。
 牛村 圭『「勝者の裁き」に向き合って』を読んでいたら、戦犯が収容されている巣鴨拘置所での日本人被告のマナーの悪さが指摘されていた。煙草の吸殻をそこら中に捨てる。いたるところでタンを吐く。運動場で立ち小便をするといったものであった。半世紀以上経っても、今の日本社会とさして変わっていないのに驚く。
 まあ、監視をする若いアメリカ兵が夜中でも高歌放吟をやらかすのだから、日米ともにお互い様と言えなくもないが。

 集団というものを意識したのは、保育園であった。
 担任の先生も園長先生からも、いつも、「行儀よくしなさい」と注意されていた。
 皆、社会生活の基本的な行儀は保育園や幼稚園で習ったはずなのに、アルツハイマーになっているのだろう。
 小津監督作品の映画を観て感心するのは、礼儀の正しさと言葉使いの丁寧さである。テレビの再放送スクリーンに新鮮さを感じるのは、人と人との距離感が正しく保たれているからだろう。
 電車の中での男女のキスは距離感も何も無く、周囲の人たちのプライベート空間にすけずけと土足で踏み込んでくるから「迷惑」と感じるのではと思う。

 タイトルからして、もっと、ばさっと切り捨てる内容かと思えばさにあらん。語り言葉の文章だから、そのような受け取り方になるのであろうか。著者自身に後ろめたさがあるのか、内容がタイトルに負けているのではと思った。なんとなく、清水氏の文章を読んでいて不完全燃焼を感じるのは私だけだろうか。

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