サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 2,955件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2014/04/18
  • 販売終了日:2015/03/12
  • 出版社: 光文社
  • ISBN:978-4-334-92776-9

読割 50

読割50とは?

読割50とは?

hontoネットストアおよび、丸善・ジュンク堂・文教堂の提携書店にて対象の紙書籍を購入すると、同一の電子書籍が紙書籍の購入から5年間、50%OFFで購入できるサービスです。
購入時点で電子書籍が未発売でも、紙書籍の購入時期にかかわらず、電子書籍の発売後5年間、50%OFFで購入できます。

または読割50のアイコンがついている商品が対象です。

一部、対象外の出版社・商品があります。商品ページでアイコンの有無をご確認ください。

  • ※ご利用には、honto会員登録が必要です。
  • ※書店店頭でのお買い物の際は、会計時にレジにてhontoカードをご提示ください。
  • ※hontoが提供するサービスで、販売価格の50%OFFを負担しています。

読割50について詳しく見る

一般書

電子書籍

舟を編む

著者 三浦しをん (著)

玄武書房に勤める馬締光也。人と違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書『大渡海』を編む仲間として辞書編集部に迎えられる。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者...

もっと見る

舟を編む

税込 1,019 9pt
販売終了

ほしい本に追加(値下がりすると通知がきます)

ご利用中のデバイスが対応しているかご確認ください

  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac

対応デバイスごとのコンテンツタイプやファイルサイズヘルプ

対応デバイス毎のコンテンツタイプやファイルサイズ

対応デバイス コンテンツタイプ ファイルサイズ
iOS EPUB 5.7MB
Android EPUB 5.7MB
Win EPUB 5.7MB
Mac EPUB 5.7MB

舟を編む

税込 1,650 15pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

商品説明

玄武書房に勤める馬締光也。人と違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書『大渡海』を編む仲間として辞書編集部に迎えられる。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会う運命の女性。個性的な面々の中、馬締は辞書の世界に没頭する。しかし問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。2012年本屋大賞第1位、72万部のベストセラー。

著者紹介

三浦しをん (著)

略歴
1976年東京生まれ。「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞、「舟を編む」で本屋大賞を受賞。

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

小分け商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この商品の他ラインナップ

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー2,955件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

期待はずれ

2012/08/04 17:05

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちまこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

前評判がよく期待しながらページをめくりました。私も辞書が好きですが、最近のものは調べたいことが載っていなくがっかりします。あまりに古くなって捨てた中学時代のものが懐かしくなります。漢和辞典の方が面白い、つきることなく深いと思います。舟を編む・・・タイトルにもひかれ図書館で予約をしたら半年待ち、これではと思い購入したけれど漫画を読んだというのが実感です。あとに何も残らない一冊でした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ケレン味のない、編むように書かれた小説

2012/02/02 23:58

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

僕は三浦しをんのことはあまりよく知らない。何しろ『風が強く吹いている』一作しか読んでいないのだから(まあ、映画で『まほろ駅前多田便利軒』は観たが…)。ただ、その一作から受けた印象は、「設定と筋運びの人」であって、あまり言葉そのものに切れのある人ではなかった。その人が辞書編纂者を扱った小説を書くというのがなんとも面白そうで取り寄せたのである。

ただ、読む前に想像したような、言葉や辞書の非常に深い薀蓄に分け入って組み立てた文章ではなく、やはりここでも彼女は設定と筋運びの人だった。

主人公は馬締光也という、名前の通り真面目な、しかし、どう見ても冴えない出版社勤務の男である。むしろ変人である。他の作家が書いたなら、多分このまじめ君の性格や行いを思いっきりデフォルメした上で、誰も知らないような語彙や語釈を繰り広げて、とりあえず読者をあっと言わせながらストーリーを進めて行くだろう。しかし、三浦しをんには全然そういうケレン味がない。淡々と進む。いや、もちろん山も谷もある。だが、テーマは人間の暖かさみたいなところからあまりぶれずに展開する。辞書は完成に向かってのろのろと進んで行く。奥手のまじめ君は理想の女性としっかりと結ばれる。

この辺、話がうますぎるのではないかという気がするのだが、軽薄な西岡という登場人物と比較しながら、まじめ君のような、こういう男こそが女性の愛を勝ち得るのだと言われると(言っているのが女流作家であるということもあって)、はあ、そんなもんなのかなあと納得させられてしまう。

最初から最後まで、そういう良いお話なのである。僕としてはもう少し難易度の高い言葉遊びを見せてほしかったのだが、しかし、こういう何の衒いもない良いお話には敵わない気がしてくるから不思議である。

そんな中で「舟を編む」というタイトルが秀逸である。この小説においては、言葉で遊ぶのはこのタイトルだけで充分なのかもしれない。

まさに編むように書かれた小説である。そして、読み終わったら、大海に漕ぎ出す勇気が湧いてくる小説である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

楽しい仕掛けがいっぱいあるぞ。ライトノベル風で一気読みはできるのだが、それではあまりにもったいない。辞書を片手に寄り道しながら、言葉の世界を逍遥しましょう。

2011/12/04 16:37

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う点で言葉を捉える馬締は、辞書編纂部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て。彼らの人生が優しく編みあがられていく………。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか………。」

「辞書」あるいは「辞典」とのつきあいは本を読み始めたときから現在までだから相当に古い。最近では三省堂・電子辞書版「スーパー大辞林」をもっぱら愛用している。百科辞典もパソコン用の日立デジタル社製「世界大百科事典」。類語辞典もちょっとした言葉ならシソーラスのデジタルが便利だが、電子辞書ではない書籍のものなら講談社の「類語大辞典」はよく使っている。最近の「てにをは辞典」もアイデア賞もので、なるほどと感心しながらの使い道がある。

三省堂「新明解国語辞典」が発売された時に宣伝が上手だった。それにつられて買って、見た。「恋愛」の語釈を「特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒にいたい、できるなら合体したいという気持ちをもちながら、それが常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態」と表していた。辞書とは論理的収斂だと思っていたところ、どこか感覚的であり、大胆にも主観を先行させている。これまでにはない面白い辞典だなとちょっとビックリだった。それでいて、ズバリと本質をついているではないか。「合体したい」という表現も変っているなぁ………と。そこで「合体」と引くといろいろあって、中に「性交のこの辞書におけるえんきょく表現」とあった。なんだ!こんなのあり?辞書編纂のタブーじゃないの、もしかしたら婉曲なジョークかと楽しい思いで読んだものだ。さらにまた恋愛は「かなえられない」のが常態としている、この著述の責任者は失恋ばかりの人だったに違いないなどと余計な想像までした。ちなみに三浦しをん『舟を編む』はここで恋愛を「異性」に限定したことに疑問を投げ、「大渡海」は「同性愛」も恋愛として認める新語釈を試みている。そのうんちくが愉快なやりとりのシーンになっていた。
「新明解国語辞典」については結論から言えば「恋愛」という言葉を「調べるため」に引いたのではなく、楽しく読める辞書、このうたい文句である魅力の核心部分「言葉の本質に迫った語釈!」「数多くの使用例から帰納し、深い内省と鋭い分析を加え、一層磨きがかけられた語釈!」を確認したかったのだ。これはケースカバーの宣伝文句なんだが、凄い。「深い内省」だとさ。
辞書編集って面白いなぁ。

私は言葉にある重みを意識しているほうなので、自分の思っているところのものを他人に伝えることがいかに難しいことかと、つねづね感じている。ビジネスの上でもそうなのだが、むしろ親しいもの同士、親子・夫婦のほうがもどかしさを痛感する場合が多い。文字にすればあとあとあまで残るのだからなおさらである。だからピタリとあてはまる言葉に気がついたときにはおおいなる喜びがあるものだ。
言葉をそのまま言霊に直結させるのではないが、使い方ひとつで取り返しのつかないハメに陥る時だってある。ネットや携帯でのやりとりには怖いところがあるものだが、沖縄防衛局長も「犯す」の語彙に「深い内省」をもってあたるべきだったのだ。
ことほどさように、精妙なる言葉の働きには畏れ多いところがたくさんにある。

『舟を編む』、表紙帯とカバーをはずしたところの表紙はコミック漫画であって、馬締→まじめ→真面目の駄洒落を延々とし、不器用な真面目青年が恋を告白するまでのもどかしさというまったくの定番シーンにうんざりするところもあった。いまはやりのライトノベルってこれかと、おもいきや………
ムムムッ。
精妙な言葉の世界を軽妙なタッチで描いた正調のガイダンスではないか。

言葉は広く深く多様に変化している海だ。身近にありながらも広大な未知の世界であり、ちょっと踏み込んでいくと、そこには驚きがあり、発見があり、神秘がある。だからどのような権威ある辞書の語釈であっても絶対ではない。………とぼんやりとは感じていたが、この作品を読んでいるとその微妙なところに向かって、それぞれに奇人変人ともいえそうな個性的ヤカラがごく普通の人をまじえて、具体的にしかも奇妙奇天烈に突っ込んでいくものだから、なんどもハタと膝を打ったものだ。なるほど辞書編纂というのはこういう仕事であったのか。
先ほどは冗談めかして述べたところだが
「言葉の本質に迫った語釈」
「数多くの使用例から帰納し、深い内省と鋭い分析を加え、一層磨きがかけられた語釈」
これは『舟を編む』の人たちの目指していたそのものであったし、辞書編纂の極致であることがよくわかった。

言葉を愛するものたちが「大渡海」の完成に向け、情熱を燃焼させる。幾多の困難にもめげない。世にあって隠れたヒーローたちの熱い思い。NHKの「プロジェクトX」型、感動もの企業小説の一種といってもよい。ただし、障害があっても深刻に悩むことはなく、軽い乗り乗りの気分にあふれ、スリリングで爽やかである。
本物のユーモア小説である。
才気煥発の三浦しをん、いまや絶好調といったところか。

「辞書」は「言葉という大海原」を航海するための「船舶」であり、その辞書を編集するものたちで「舟を編む」との意味を持たせるタイトルである。どうして「船」ではなくて「舟」なんだろうね。「舟」は竿や艪や櫂で漕ぐ小型という一般的解釈がある。スーパー大辞林によれば「多く小型のものを『舟』、より大きなものを『船』と書く」とある。大海原を行くのなら少なくとも帆船級が必要だと思うんだが、「船」ではない。
なぜだろうかと考える。
「編む」のほうに重心をかけたのだ。「編む」の語釈を新明解国語辞典に頼れば「糸・竹・針金・髪などを互い違いに組み合わせて、形あるものをつくる」とあった(つらつら見れば<形あるものを作る>なんて表現を始めて発想した人はとても可笑しい人だね)。編むとなればこれは手作りだ。編むことで作られた水をわたる乗り物といえば、エジプトのパピルスを束ねた舟、動物の皮革で作られた皮舟、あるいは材木を縄や針金で編んだ筏である。となればこれは「舟」であって「船」ではない。しかも大海原に「舟」を人間の力だけで漕ぎ出だすという冒険心とロマン。
なんてったって、言葉の大海は古代までも遡る。だから、不沈の航空母艦よりは葦舟を浮かべるのがふさわしい。
いや、むしろ辞書に内在する不確実性という危なげな雰囲気を象徴しているのである。

ここは三浦しをんにして考えに考え抜いたところなのだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

辞書はこうして作られる!感動!!

2012/04/11 17:16

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆこりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

定年まであと2ヶ月と迫った荒木が後継者にと決めたのは、ひとりのまじめ(?)な青年だった。「辞書を作る!」その青年を中心に、言葉に対し並々ならぬ情熱を持った者たちが、膨大で気の遠くなるような作業に取りかかった!!

子供の頃から辞書を引くのが大好きだった。辞書は、私の身近にいつもあった。でも、どんなふうに作られるのかなんて想像もしなかった。地道で根気のいる作業を10数年も続けなければ、ひとつの辞書は完成しないのだ。また、言葉は生き物なので、完成しても改定という作業がこの先ずっと続くことになる。見も心も磨り減るような大変な仕事だけれど、出版社にとってあまり割りのいい仕事ではないことも初めて知った。それでも彼らは辞書作りに没頭する。それは、小船で大海に、しかも荒れている海に、挑むようなものではないのか。風雨にさらされ、波にもまれ、彼らはひたすら「完成」という目的地をめざす。こんなに苦労して作り出される辞書。今までとは違う目で見るようになった。我が家にある辞書も、より愛しく感じられる。ラストは感動的で、そして泣けた。私も「大渡海」という辞書がほしい!手に入れられないのがとても残念でならない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ひたすら「西岡!西岡ぁ…!」ってなもんである。

2012/07/08 12:19

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る

2012年本屋大賞受賞作。
ビブリアかなあと思っていたが、良い意味で裏切られた感じ。
辞書作りの人々を描いた物語。

三浦しおん自体は「まほら駅」、「神去」と読んでいて、若干ラノベ寄りの、ドラマ性のある面白い本を書く人というイメージ。職業系小説が得意なのかなと思えるのだが、作者はライフワークにしつつあるのだろうか。

それにしても辞書作りとは渋いテーマだなあと思う。
今まで余り関心が無かったカテゴリの話なので、何も知らない人間として素直に勉強になった。こういう専門的な職業に関する話は、畢竟誰も知られずに済んでしまうケースが多いだろう。辞書作りの現場を通して、人々の熱意、執念、情熱を感じることが出来たのは、作者の功績だ。

辞書作りということから、言葉に関する薀蓄が多い。
まともに辞書をひいたことが無い私としては、ただうすらぼんやりと抱いているだけで、その言葉の正確な意味を知らなかったものが多く、辞書をめくるとは、言葉の海を航海することであり、辞書を編むとは、まさに舟を編むことだと改めて感じた。
また、そういう観点を踏まえると「船」ではなく、「舟」であることも意味合い深い。

主人公の馬締が辞書編集部に配属になり、辞書『大渡海』の編纂がスタートするところから物語は始まる。この一冊かけて『大渡海』は完成され、それと並行して一人の辞書人である馬締の半生が描かれる。
主人公の馬締は俗に言う「ちょっと変な人」であり、そういう彼が辞書作りに抜群の才能を持っており、そういう意味では人の才覚に関する成功譚としても読める。
また、馬締を支える人々も個性的であり、一般的に閑職と言われる辞書編集部での働きを通して、そういった「ふつうの人」の悩み、職への想い、葛藤などが描かれている。
私は特に西岡が好きだ。
見た目も性格も「チャラい」西岡だが、交渉事や営業に才能があり、彼は辞書編集部での己の立ち位置に悩んでいる。
馬締が配属され、周囲の期待の目を一身に浴びる彼を見て、西岡は悩む。
自分より「ふつうの人」としては明らかに劣っているように見える彼が、ここでは貴重な人材となり得る。
一方で、普通の職場では仕事が出来る西岡は、ここではそこまでの期待をされない。
彼のジレンマと葛藤から、馬締の言葉への嗅覚の鋭さ等の馬締の長所が描かれる仕組みになっており、つまり西岡はある意味かませ犬的なポジションになっている。
しかし、私は西岡に共感を覚える。
普通、馬締のような人間はそうざらにいない。
つまり、一部を除いて、一般的な我々は西岡である。
彼が感じる職への悩みは我々の共通の悩みであり、苦しみなのだ。
と、すごく偏見がちなことばかり書いたけど、つまり、西岡と馬締の友情は、胸が熱くなる、ということである。
描かれ方にも起因するが、この本読んだら、誰とでも仲良くなれるぜ!みたいな気持ちになる。
読んでいて、ひたすら「西岡!西岡ぁ!」って涙ながらになっていたけれど、やはり物語後半の「大渡海」完成の折には「やったな、馬締」なんて思わず保護者面してしまう。
一人の人間の成長譚としても、気持ちいい読書体験が出来ると思う。

終わることなき辞書編纂。人間には欠かせないものである言葉にまつわる物語、読んでいて損は無いと思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

後半ぐんぐんとおもしろくなる本屋大賞受賞作「舟を編む」。

2012/04/26 09:39

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今年の本屋大賞受賞作である。実は受賞が決まった日に半分ぐらい読
んでいて、実は、ええっこれが!と思った。前半は僕にとってはかなり
物足りない内容だった。本当におもしろくなったのは半分を過ぎた4章
からだ。この小説は「大渡海」という国語辞典作りに励む出版社の辞書
編集部を舞台にした物語だ。僕はこれ、勝手に辞書作りのプロセスをデ
ィープに紹介していくものだとばかり思っていた。しかし、前半は主人
公ともいえる馬締(まじめ)ほか辞書編集人というちょっと変わった人
間たちの方にスポットが当てられている。しかも、恋愛話が2つもある
のだ。いや、もちろん、人も大事。でも、こうなるとちょっと首を傾げ
たくなる。

 さて、後半。実はこの「大渡海」、完成するまでに15年という年月が
かかっている。4章は前章からポンと飛び「最後の2年」の話になる。
ここからは辞書で使う紙の話があったり、校正刷りの話があったり、イ
ラストの話、語釈の話、編集部に電話をかけて来る助詞の「へ」にこだ
わりを持つ「へのひと」の話などどんどんとおもしろくなってくる。そ
して、発売まで半年という時に起こった大きなアクシデント…。あぁ、
この辺りはおもしろかったなぁ。そして、待望の春!「大渡海」は予定
通り完成するのか?……本屋大賞、これを推した書店員の皆さんの気持
ちはよ〜くわかります。うん、よかったんじゃないかな。あ、大渡海と
いうネーミングについてベテラン編集者の荒木が最初の方で語っていま
す。「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」「(私たちは)海を渡るにふさわ
しい舟を編む」と。う〜ん、いいですね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紡がれる言葉の数々が美しい

2022/06/27 22:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫苑 - この投稿者のレビュー一覧を見る

辞書を作るという話柄当たり前だと思われるかもしれませんが、紡がれる言葉が非常に美しい。特に、食事の部分は言葉選びが精密で味を思い起こさせます。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

読んで損はないエンタメ

2016/12/30 11:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はち - この投稿者のレビュー一覧を見る

非常に読みやすいエンタメ小説。
単行本版は妙に手触りというか読み心地が良い。
最初は一人の主人公が主軸になって物語が進むが、後半になるにつれ、辞書作りのプロジェクト全体が主人公になる印象。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

映画の方が良かった

2016/10/09 10:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読書好き - この投稿者のレビュー一覧を見る

とは言え、作者の着眼点の鋭さには毎回感服です。
言葉の力、その言葉を舟にして人生は進んでいく、その言葉の舟作りに『取り憑かれた』人々の生き様に憧れてしまいます。
そこまで夢中になれるもの、あるかなあ?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

好ましいたたずまい

2015/08/23 17:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:sleepy - この投稿者のレビュー一覧を見る

時代の流れからしたら、紙媒体よりもデジタルがもてはやされ、緻密な辞書編纂の根本を手作業で積み重ねることは古風かもしれないけれども、その古風さが心地よく感じられました。
また、登場人物の言葉遣いなどにも、それぞれの立場をわきまえた全うな面持が感じられて好ましく思えます。
ストーリーは前半読み進めている間はこれといって掴まれるという感覚はなかったのですが、後半はやはりクライマックスが臨場感があって涙しました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

楽しい本

2015/08/13 01:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:テリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

楽しいやりとりで読みごたえがあります。理科系のわたしでも愉快に読めます。とても日本語の勉強にもなりました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

言葉の海に漕ぎ出そう

2015/05/10 17:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:翠香 - この投稿者のレビュー一覧を見る

2012年本屋大賞受賞作。
本屋大賞受賞作だからというより、辞書編纂がテーマの本作にとても興味を惹かれました。
今まで辞書は国語学者の方々が書いているものと思っていましたが、
専門的な事柄は、その道のプロに執筆をお願いするものの、
出版社の方々が地道な努力を重ねて長い年月をかけて作り上げているのですね。
辞書って生きているんだなぁと実感。
いわゆるお仕事小説なのかと思っていましたが、ちょっとしたラブコメ要素もあり。
さすがマンガ好きの三浦しをんさんですね。
本書の装丁が『大渡海』そっくりに作られていることに気付き、感動しました。
最近文庫版が出ましたが、これは単行本で買って正解でした(^^)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

書籍「舟を編む」好きこそものの上手なれ

2012/08/03 09:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

書籍「舟を編む」★★★★オススメ


「玄武書房の新しい辞書『大渡海』の編纂メンバーとして
辞書編集部に迎えられた主人公が
いかにして新しい辞書を作り上げたか、
一年や二年で完成するものでなく、
長期的な視野に立っての仕事に立ちすくむが
完成の喜びは堪らないだろうな
これは想像するしかないが、
その喜びは伝わった、そして羨ましくもあった」


興味のある事には没入するが
それ以外は社会人としての常識も危うかったり
主人公の馬締の飄々とした感じが
とっつきにくい辞書を作り上げるという
なんとも終わりが見えない壮大な仕事に
立ち向かうこととの
ギャップを読者に強烈に印象づける
でもそのうち
「ああ、こんな人だから出来るのだろうな」と
納得させられてる。


辞書を作るようなことって
企業がやるより
国家がやるようなことかもしれない、
そんな「日本人」の根幹に関わるような事が
利益と結び付かなくては
完成までにこぎつけないという現実、
このままで完成出来るのか?
そんなちょっとしたスリリングな展開もありつつの
時間を超えた長い長いお話。


主人公を支える面々もそれぞれ個性的で
どこかに身近な誰かを見つけることが出来そう、
『大渡海』という名の辞書は
どんなふうに荒波の航海を進んでいくのか、
そしてちゃんとたどり着けるのか。


短期的な決断や結果が多く求められる昨今、
果たして自分はこんな壮大な仕事に
立ち向かえるだろうか、
そんなことを絶えず考えながら読んだ、
単純に「好きだから」では出来ることじゃないが
「好き」でなければ出来ないことだ。


以前、地図を見るのが好きだという人と
話したことがあるが
彼は地図の上に実際の山並みを見たり
海岸線と海の境を
想像して時間を忘れて地図を眺めることがあると
話してくれたが
そんなふうに自分が夢中になれるものさえ
自信をもって言えそうになく
それでは「好き」なことを仕事にするのも
やはり難しいことなのだと実感する。


ラストは完成を見届けることが出来
爽やかな読後感あり
とにかく清冽な風のように
心に気持ちいい読書体験だった


★100点満点で85点★

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

船を編む

2012/05/23 18:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:じゅんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

辞書の編纂作業がこのように行われていることが理解でき、ある種の感動がありました。主人公の物事に打ち込む姿に今の自分を重ねあわせて、生き方を考えてみました。未来は現在の努力の延長線上にしか開けない。今の努力を惜しんではならない。 さあー今日も進もう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ことばへのこだわりは辞書への愛に変わる

2012/02/09 14:51

21人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桜李 - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルからは何の話だかさっぱり想像がつかず。
今回、本屋大賞の候補作品ということで興味を持ち、あらすじを見てみると辞書編纂の話だという。
今までに出会ったことのないテーマの物語だと思い、早速購入しました。

辞書編集部に異動してきた風変わりな若者・馬締を中心に、チャラ男っぽいが実は繊細で生真面目な西岡、ことばを愛する学者の松本先生や、無愛想な佐々木さん・・・数人の変人に囲まれて、新しい国語辞典『大渡海』は創られていく。

中学生の頃、父親から買ってもらった"広辞苑"が私にとって初めての大型辞書でした。
片手に収まる持ち運びやすい、軽くて使いやすい辞書を放置して、いちいち両手で抱えなければならない上に、机の半分くらいのスペースを必要とする広辞苑でいろんなことばの意味を追いかけた学生時代。
どうしてあんなに魅了されたのか自分でも不思議でしたが、この本の登場人物たちのことばへの執着だけでなく、装丁や、紙質のことを読んで、あの感覚はぬめり感というのか。確かに裏写りしてないぞ。と納得。
わからなくて意味を調べてるのに全く意味が解説されてない項目があることも思いだし、笑ってしまいます。
ひとつの言葉に対して複数の意味があって、辞書によって書き方や挿絵も違っていて。

ああ、そうか。
私は辞書のそういうところが好きだったんだね。
と、今更ながら具体的な魅力に気付かされました。

辞書一冊を世に送り出すのって、すごいことなんだと思いました。
更に、その作業に関わり、達成できたらどんなに素敵だろう。
辞書をめくりたい。編集部で、辞書部門で働いてみたいと思わせる一冊。


今は電子辞書が主流と聞きます。便利でいいと思いますが、辞書の魅力も知ってほしい。
その"とっかかり"として、是非学生さんたちに本書を読んでもらいたい。

今晩にでも、広辞苑をめくってみよう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。