紙の本
家庭で作れないおいしさを提供する「外食」を取り戻すために賢い消費者にならないといけない
2016/01/14 16:47
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔の外食は特別な日に普段家庭では食べられない特別な料理を食べにいく場所だった。
現在の外食は一部の店を除いて「安く」気軽に全国統一の味を消費する場所になってしまった。
大手チェーンでは食中毒はほとんど起きない。
なぜなら徹底的に消毒しているから。
確かに「安全」は重要だ。
しかし味と栄養を洗い流してしまうような衛生管理が「食品」として適正なのかを考える時期にきていると思う。
安さがどこからきているのか?
遠い外国から運ばれた食品。
混ぜ物の多い偽物食品
そういえば・・・と思う記述が多々あった
食は人間の基本
食を取り戻すために考えないといけないと思いました。
電子書籍
外食が「特別」から「手抜き」に移行しつつある!
2014/08/21 14:14
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
言われてみて確かに、と思ったのは、レビュータイトル通りの事。
昔は外食と言えば「なかなか連れて行ってもらえない特別な事=おいしい」の象徴だったのに、今では「作るのが面倒くさいから、とりあえず外食」といった手段として使われる事に成り下がってしまった。
「外食」の位置づけの転落がおこっている。
本書の終章に、日本マクドナルドの藤田田さんの「3歳までに食べた物で味覚は決まる」といった言葉が出てきますが(なので3歳までにハンバーガーを食べていたら、ずっとハンバーガーが好きということ)、
幸せだったな、と思うのは、母が手作りの料理が基本という人だった事。
それは、決して美味しい物ばかりではありませんでしたが(笑)、
おかげさまで、今この本に書いてある事は、大体わざわざ本で読まなくてもわかっていたし、うなずけることばかり、といった感じに育ちました。
この本では基本的に「おいしくないから、偽物だから添加物はだめ」という位置づけで、以前添加物を使用して食品を作る会社に勤めていたからか、あからさまに「体に悪いから添加物はNG」とは言いません。
この書き方だと「じゃあ、それを美味しいと感じていたら、添加物はアリなのか?」といった反論できてしまいます。
立場もあるのかもしれませんが、体に悪い物ははっきりと「こういう影響があるから体に悪い」だったり、洗浄の様子や着色料の原料などについては、実際に目で見た方が納得がいくことばかりなので、
本気で「外食産業を変えたい」と思っているのであれば、もっと厳しく刺激的な本の作りにしてもよかったかな、と思いました。
あまり外食はしない私ですが、美味しいと思っているお店が、おすすめリストに入っていたり、選ぶべき外食店のチェック項目をクリアしていたのでほっとしましたw
「客はそこまで馬鹿じゃない」を信じて、良くない外食産業の悪癖が撤廃されることを願います。
電子書籍
もう外食は出来ない・・・
2015/07/24 17:13
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投稿者:NoMansLand - この投稿者のレビュー一覧を見る
分かりやすく読みやすいです。
ただ、読後には今までの食生活に対する反省と後悔ばかりになり
外食をためらうようになりました。
外食をしてもこの本の内容が頭に浮かぶと美味しく感じません。
そうなっても良い覚悟で読む本です。
紙の本
外食業界でどんなおかしなことが起きているかを、とりあえずわかりやすくまとめてある。
2015/10/01 15:47
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投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワタシは食い意地っぱりなので、とにかく家でも外でもなるべく美味しいものを食べたいと思う。
時間やエネルギーなどの関係で、なかなか思うようにいかないこともあるのだが、忙しさのどさくさに紛れて中途半端な変なものばかり食べていると、てきめんに体調がおかしくなってくるから不思議なもの。
外での飲み食いも大好き。忙しいときに食事を作る手間と時間を省いてもらえるし、自分の家では到底作れないものを食べることもできる。楽しい人たちと楽しい時間を過ごすこともできるし、一人でぼやっと寛ぐこともできる。
忙しいときに駆け込んで、ヒットエンドラン式にまとまったものを安く食べさせてくれる店などは、ワタシの命綱と言ってもおかしくない。
その外食産業が色々おかしなことになっているらしい、とはよく聞く話だ。
以前は国内レベルで賞味期限や食材の内容を偽装する、といった類が主だったが、最近はその偽装現場が国際化して、もっと大がかりなものになってきている。スーパーマーケットなどで売れる野菜の多くは国産品である一方で、外食の現場、特に大手チェーンのそれは中国や東南アジア産のものを主体に回っているそうだ。
本書では、コスト削減のために店の裏側で行われていることを、こまごまと紹介してから、実例として洋食、ファミレス、コーヒー、イタリアン、回転寿司、定食屋チェーンなどの分野別に、ダメな例と良い例に出かけて行ってルポをする、という体裁が続く。どちらも実名はもちろん伏せられているが、良いと評されたほうはどこがどの店か大まかにわかる仕組み。
作者は長年食品製造業界の現場で生きてきた人だそうだ。
正直この手の話自体は、フィクションとはいえ最近数冊読んだ後なので、具体的な詳細にショックを受ける、というようなことはなかった。こういう話は、篠田節子の『ブラックボックス』や相場英雄の『震える牛』みたいなフィクションで小説として読んだほうが怖い。
これが「物語の力」ということなのだろうといつも思う。
しかし一般常識として、あんなことこんなことが行われているよ、という情報をわかりやすく頭の中で整理するには良い本なのではないか。
一時間もあればざっと読めるので、こういう話に興味があってもなくても、一応知ってて損はない話が、とりあえずうまくまとまっている。
ただ、最後のほうに出てくる「外食店心得」系のうんちくは、前半にもそれなりに出てきた話だけにちょっとくどかった。衛生管理やホスピタリティーが大事なのは言うまでもないことだが、本の最後にくどくど書き並べるんじゃなくて、本文中にもっとさらっと織り込むほうが読みやすくなったのでは?
専門知識を離れて、若干説教臭くなったのが残念だった。
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「食品安全教育研究所」代表で、これまで経験した品質管理業務(養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場など)多数の著者が、外食の裏側を提示した内容。
最後のページの
「お子さんには、ぜひとも本物を食べさせてあげてほしいと思います。味覚は子どものときに形成されます。その大事な時期にニセモノ食品や油と砂糖で味をごまかした料理を食べさせたなら、舌がマヒしてしまいます。どうか本物を食べさせてあげてください。きちんとした味覚が育てば、それはその子の一生の財産となるはずですから」
著者のこの言葉は、裏側を見ての反省点なのでしょうか。
私もチェーン店が急速に増えているのを見ていますが、どこに行っても変わり映えしないな、と思い始めています。
そして、味が濃すぎたりしょっぱかったりと口に合わなくなりました。だいたいが安かろうの店でした。
料理を作ってると味の違いも分かるようになってきます。我が家ではほとんど砂糖を使いません。醤油も塩も適度にしてます。なるべく家で作るようにしているせいか、チェーン展開の飲食店の味が美味しく感じない時もあります。
「外食に何を求めるか」
「安ければいいのか、それともそんなに安くなくてもいいから、本当においしいものを食べたいのか。そこを区別したほうがいいと思います」
この文章に頷きました。
年を取ってきたせいか、一回の量がたくさん食べられなくなりました。同じ1000円を払うなら、本当においしいものを食べたいと感じます。
安くて、添加物いっぱい、かさを増して本来の味がしないような食べ物は怖い。
本書を読んで、自分で選ぶことをお勧めします。
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外食する人間はカモって事だろうな。カネ出して健康を害しているというか。出先の非常食として割り切るべきなんだろう。
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一口食べただけで肉の産地や添加物の種類、添加物の量が分かることをそのまま信じていいのかどうかは分からないが、外食の機会が多い身としては参考になった。
外食に何を求めるのか、何に対してお金を使うのか、よく考えてどの店に入るのか考えよう。
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ハンバーグの混ぜ物として「植物タンパク質」が入っていた。本当は植物タンパク質って体にいいのに。
でも肉と思い込ませて、半分以上、植たんを入れてしまうのはよくないよね。
ファミレスのランチに出てくるハンバーグはムニムニした感じなので、こういうのを混ぜ物入りのハンバーグなのかもしれない。
何故、牛肉は鶏や豚よりも高いのか。→それは飼料の量が違うから。
当たり前のようで知らなかったのでなるほどと思った。
他にもどれも均一値段の回転すし。きゅうりとマグロが同じ値段のはずがない。100円以上の物を100円で売ろうとするから深海魚などを出すハメになるなど理論が納得。
ただの外食の裏側だけでなく、雇用問題、偽装問題など、ニュースをにぎわす課題をからめたところもよかった。
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ツイッターのフォロワーさんからの紹介で知り読んでみた。様々な食品の製造・小売りの仕事に携わり、子どもの親となって気づくやってはいけないこと、「素人の常識」を超越した「業界の常識=裏側」を暴露。
対話形式で解説しているので軽くてサクサク読める。全てが真実なのか盛ってあるのかはわからないけれど、これまでに私自身が見知っていたことももちろんあり、決して嘘八百を並べているわけではないことはわかる。
そういえば「ナツメグ」の上手な使い方をテレビの全国放送で紹介していたレストランのシェフが作るハンバーグには、肉とほぼ同量のパン粉を使っていた。ふんわりハンバーグの秘密は添加物ではないけれど肉ではなく嵩増しパン粉だったわけだ。
しかしこの本を読めばパン粉ならまだ良心的だと思ってしまう滑稽さがある。幸い我が子はほとんどの冷凍食品や安心安全を謳った某コープのレトルトミートボールさえ不味いと言って食べないが、この本を読んでますます出来合いの物を買ったり、ましてや安いばかりの外食なんて気持ち悪くて出来なくなりそうだ。
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最近はできる限り夕食は家族と食べるようにしていますが、昼食は100%外食です。学生時代はブランチをファーストフード、夜は居酒屋で飲み会という生活でしたが、最近は量が多いものや、脂っこいものは食べるのが大変になってきました。
このような変化は加齢によるものばかりと思っていましたが、この本に書いてあるように外食産業のコスト削減により食材の質が悪化している可能性もあると思いました。
その証拠に、いわゆるチェーン店で食事をしても美味しいと思ったことがあったからです、この本でも紹介されている「大戸屋」でランチした時に、そう感じました。思い出してみると、そこは私のようなサラリーマンで男女問わず賑わっていました。
この本の著者である河岸氏は、良い材料と悪い材料は何か異なるのか、その見分け方はどのように行えるか、について解説してくれています。今まで品質を落として儲けていた一部の業者には耳が痛いかもしれませんが、私を含めた消費者にとっては真に嬉しい本です。
今後私が外食する場合に、この本に書かれていたことに気をつけて、美味しかったお店については発信していきたい(2013.7よりRettyで発信中!)と思いました。
また、食材において、表示義務の課せられている、コンビニ・スーパーは国産を使うが、その義務のない外食産業・持ち帰り弁当は、国産以外も使うことになるという事実がわかったことも大きな収穫でした。
以下は気になったポイントです。
・レタスの端が茶色く変色しているのは、切ってから2日以上は経過している(p11)
・ちょっとしたコツとは、「焼き鳥は、ねぎま、のあるところで」「餃子は店で包んでいるところ」「回転寿司はイカで」(p20)
・食べ物で大事な3要素、1)美味しい、2)安全、3)機能がある(p42)
・安さと安全さを優先するあまり、美味しさ・機能が抜け落ちている、その抜け落ちた部分を補うのが、調味料・添加物である(p43)
・個人店でお客さんがこなくなると、1)仕入れの手を抜く(毎日市場に行かなくなる)、2)仕込みの手を抜く(ロスがでるやる方をやめる)、3)調理の手を抜く(手間隙かけて手作りをしなくなる)(p45)
・とんかつで、店で肉を切ってパン粉をつけて揚げているお店は、たいてい混んでいる。和幸、サボテン、はどこも流行っている(p50)
・農家と直接契約、流通過程見直しにより供給体制を確立しない限り、安価で安定した野菜を仕入れることは出来ない。大量仕入れで安くとは、素材ではありえない(p61)
・牛肉が豚肉や鶏肉よりも高く売れている理由は、出荷できる大きさになるまでに食べる餌の量の違い、餌の量は鶏を4とすれば、豚は7、牛は11(p63)
・端肉、内臓肉を粘着(りん酸塩)させてステーキの形にすると成形肉で、霜降りサーローインステーキにもなりえる、保水性を高めるので肉がジューシー、カサも増加する、柔らかくするために、たんぱく質(植物性、乳、卵タンパク)を入れる(p69、71、72)
・牛���注入肉、牛脂注入加工肉と表示されているものは、インジェクション(牛脂を注射器で打つ)により加工(p73)
・牛肉の場合は、出血性大腸菌群がつくのは表面のみ、肉の中まで入ることはないのでレアで食べられる。豚肉(寄生虫)、鶏肉(サルモネラ菌)は内部まで入り込むため。但し成形牛肉はインジェクションにより大腸菌が内部に入り込む可能性がある。ステーキのどん、ペッパーランチが食中毒起こしたのはそれに因る(p75)
・ハンバーグはリスクが高く、家庭でも外でも、必ず中までしっかりと火を通す(p77)
・成形肉の見分け方、肉繊維の向きがバラバラ、本当のステーキは繊維の向きが同じ(p91)
・冷凍食品のラベルに、鶏肉以外に「植物性タンパク」「大豆タンパク」と書かれていれば、それはかさ増し商品である(p68)
・製品中のチーズ分の重量が51%あれば「チーズフード」と表現できる、水っぽくて薄く、チーズ本来の風味、うまみは残っていない(p92)
・日本の食糧自給率は4割だが、6割が輸入品という実感はあるか。卵、牛乳、米は100%、野菜も9割、魚・肉は8割が国産、小麦は9割が輸入なので、お菓子・麺類類は、半輸入品であるが、スーパーで売られている食材は国産品が多い(p109)
・普段は気をつけても、外食で輸入野菜を摂ることになる(p112)
・コンビニのご飯は新米が使われていて美味しい、チェーン持ち帰り弁当は2年前の米を使っているので冷えたら食べれない(p121)
・卵の黄身はやわらかく、簡単に均一につぶれるが、白身から作った黄身は、つぶそうとすると弾力があってつぶれにくい(p140)
・季節に関係無く(春から初夏が旬)枝豆を出す店は、間違いなく冷凍ものである(p141)
・ラーメン店なのに寸銅鍋がない店があれば、業務用のラーメンスープを仕入れているだろう(p146)
・厨房から漂ってくる油の臭いが、何ともいえない嫌な臭いだったらその店は避けるべき(p165)
・凍らせていないとんかつ肉は、中の美味しさが残っているから、食べたときにジュワッとくる(p179)
・生ビールのうまいか否かは、ビールサーバーを毎日洗浄しているかにかかる(p191)
・厨房の中に、素材(野菜、肉、魚)があるかどうかを見る、ダンボールの外側の印字もチェック(p212)
・テーブルの上に箸たてを出しているのはダメ、それは「あなたのため」に置かれたものではないので(p220)
・確信して言えるのは、飲み放題の店にうまい店はない(p238)
・食材に対するその店の考え方は、刺身に一番わかりやすい形であらわれる(p244)
2014年7月13日作成
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言われてみれば、ということにたくさん気づく。最近、外食するなら割合ちゃんとした店に行くことが多いのだけれど、逆に機会があれば化合物や成型肉を気にして味わってみたい。
この本で読んだことは、普段の中食でどういうものを買うか、にも役に立つ。
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今回のマクドナルドの事件で読んだわけではないのだが、ちょうど読むタイミングがあってしまった。(この本ではマクドナルドの検査体制はいいことになっている)。この本を読み始めてから、スーパーなどのお惣菜の裏の成分表示を気にするようになった。たしかにこの本にあるように、添加物が加えられている。ファミレスなどでの外食はほとんどしないが、昼食のオフィスの近所の食堂なども気になる。また、ダメなところの名前は伏せられているが、推奨されているチェーンを実名で公表しているのがいい。
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巨大な産業と化した「外食」「中食」ビジネスがいかに「ウソ」と「ごかまし」に満ちているか、という告発本。産地や原材料の表示義務がないことをいいことに、輸入食材や添加物を使い放題。もちろん、それ自体は法律違反でも何でもないが、格安そばは8割が小麦、格安ハンバーグは植物性タンパクで増量の上着色、ステーキは成形肉に脂肪を注入して着色、という事実を見せつけられると、誰しも唖然とするだろう。ファミレスのメニューの多くは冷凍食品で、チェーンによっては厨房に包丁もない。セントラルキッチンと冷凍技術の進歩で、職人がいなくても外食店を切り盛りできる時代。サラダの野菜はほぼ全て外国産、現地で次亜塩素酸ソーダでジャブジャブと洗われた上で冷凍運搬され、風味も栄養分もすべて失われている。コンビニのタマゴサンドは黄身のように着色した白身が使われている。宅配ピザのチーズはナチュラルチーズに様々な混ぜ物を加えて色と風味だけ似せた、イタリア人が食べたら怒り出すような「チーズフード」。前日の残り物処理のためにランチ営業する居酒屋、古米や古古米を使う弁当店。もちろん、こうして出てくる料理・食品は、風味を整えたり味をごまかすために、添加物やグルタミン酸ソーダに代表される調味料が大量投入され、ソースは味を目一杯濃くし、「素材の味」を敢えてわからないようにしている・・・。
安い食品にはそれなりの理由があるだろうな、とは思っていたが、ここまで書かれると、正直良い気持ちにはなれない。すべては、儲けと効率性を最優先した結果だという。冷凍食品やセントラルキッチンからの「仕入品」を使えば、下ごしらえ不要になるだけでなく、廃棄ロスもゼロにできる。職人調理師を雇う代わりに時給1000円のバイトで厨房を回せれば、それだけ収益が上がる。コストの低減は価格競争力につながる。その一方で、客はいつどこで誰が作ったのかまったくわからない「料理もどき」を食べさせられ、「本当の料理の味」は忘れ去られてしまう。こんなんでいいのか・・・というのが著者の問題提起なのだろう。
読み終えて、ふと思った。安くて手軽な外食・中食は得体の知れぬ輸入食材、添加物だらけの食材が跋扈し、法律違反ではないにせよ、消費者に対して不誠実な商売がまかり通っている・・・という著者の主張はよくわかる。けれども、そういうモノしか食べられない人たちは、どうしたらよいのか。どうしろと言うのか。一食500円以内で昼食を済ませなくてはならないサラリーマン、独り暮らしや共稼ぎで料理をする時間がなく、コンビニや持ち帰り弁当、メーカー製の「簡単なんちゃらソース」や「簡単なんとかの素」に頼って生活する人たち。たまの休日に、安価なファミレスで「ささやかなゼイタク」を楽しみたい家庭。消費の中核を為す20~40代は、親から料理を習うことも、その時間もなく成長した世代である。給食の無い幼稚園児や高校生らの弁当箱は、冷凍食品の宝庫だ。素材や産地を吟味し、日々の食事をゼロから手作りする行為はいまや、時間と金銭に恵まれたごく一部の家庭(夫の収入のみで家庭経営が成り立ち、妻が働かなくてよい世帯)にしか許されない特権的営みとなって���る。それ以外の人たちは、何を食べればよいのだろうか。
儲かればいい、安ければいいという消費者無視のフードサービスビジネスの論理を告発したいという著者の気持ちは、よくわかる。けれども、であるならば、著者の考えるフードサービスのあるべき姿とは、どういうものなのか。本文中にヒントめいたことが述べられてはいるけれども、イマイチ物足りない。規制を強化し、外食・中食店舗でも素材の原産地や加工年月日、使用添加物の名称表記を義務付けよ、と言いたいのか。メニューの値段が今の2~3倍になってでも、国産・添加物不使用の料理しか提供すべきではない、と言いたいのか。あるいは、労働時間規制を強化し、共働きの勤労世帯でも3食(弁当を含む)を家で手作りできるような環境を整えるべき(そのためには、法定労働時間を6時間程度に短縮した上で、残業厳禁としなければならないだろう)、と言いたいのか。著者の考える食と生活の「有り様」「こうあるべき」というものを、もっと語ってほしかった。たとえそれが、願望を含んだ非現実的なものであったとしても。
とは言え、間違いなく良書。私も含めてだが、安い外食・中食で空腹を満たさざるを得ない人には、ぜひ読んでほしい。そういう食生活はすぐには変えられないし、人体に有害とも著者は言っていないが、本書に出てくるような知識があるのとないのとでは、食に関する考え方が確実に変わる。
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今時外食が絶対的安心だとして利用している人がいるのだろうか。そこまでお人よしになってしまったのかそれとも味覚というものが狂ってきているのか、おおかたは品質は二の次値段と量を重視というのを納得しているのではないか。
確かに、今の料理店で一から手作りというのは数少ない気がする。昔は結構あったのにそれだけ維持するのが大変になったのだろう。いくら手作りを売りにしてもそれだけで常連客は作れないそんなに食堂経営って甘いもんだったのかな。手作りでなくおいしくない店も混んでるところは込んでるしその逆もまたしかり、混雑というのはあまりあてになるものではないと思う。
すべての情報を開示すればよいという気持ちもわかるがお客という立場に立つとそんな言葉で商品をいちいち選んでいるわけではないしいらぬ情報まで耳に入ると買う気も失せることは必須のような気がする。
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どうだろう、いまいち疑問なお店も入っている気がしてならない結局は自分が納得できるところを自分で選べばよいのではないか、その中でこの本の内容も知っていて損はない事だろう。
キーワード 植物性たん白 リン酸塩 ねぎま 甘いコロッケ 卵サンドの黄身
コンビニご飯は冷めてもおいしい新米で持ち帰り弁当のご飯は古古米
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長年食品業界に従事した著者による、問題ある外食店の見分け方を解説した本。筆者おすすめの外食チェーン店を実名を挙げて紹介しているのが画期的。