商品説明
お客の「もっと便利に」、というわがままに応える形で成長してきたコンビニ。勢い、その店内では、お客は自由気ままに振舞う。本音が出る。そこで見えてくる、現代の日本人の本性―。この本に出てくるお話は作り話でも、おとぎ話でも何でもない。過去3年間に、現実に私の目の前で起きたことである。それも、ごくごく普通の日本人が引き起こした―。平凡な日常の中にある、驚天動地、阿鼻叫喚の世界へ―。
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紙の本
日本人の嫌なところが見える。
2008/10/14 23:18
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンビニのレジから見た日本人 竹内稔 商業界
もう大人になった息子がまだ高校1年生のときにコンビニでアルバイトをしていたことがあります。初日に、たばこの銘柄がわからなくて中年男性サラリーマンに怒鳴りつけられたと言って帰ってきました。15歳のこどもに煙草の銘柄がわかるわけがないだろと思いつつも心の中では(怒鳴られてこい)と子を修行に出す思いでした。
息子の話では、若い人からお年寄りまで、 孤独な人が多い。話し相手がコンビニの店員しかいない。すぐにかっとなって切れる(激怒する)人が多い。とくに サラリーマンの男性がイライラしている。コンビニの店員は何でもやってくれると勘違いしている。もう 辞めようかと何度も思うけれど、よく来るおばあさんが「辞めたらいかんよ」と声をかけてくれるので それなら続けてみようという気持ちになる。中国人女性の店員さんに囲まれながら、彼女たちのバワー あふれる勧誘接客に圧倒される。そのバイト修行はなんとか、受験勉強を始めるまでの1年間続きました。社会勉強をさせていただきありがとうございました。
さて、本の感想です。 わたしもずいぶん以前に接客業をしていたときは、お客さまは「ケダモノ」だと感じていました。 欲とわがままの固まりです。いいかげんな人も多い。お金を払ってもらえない。物を買っても、サービスの提供を受けても、支払いをしない人が世の中にはたくさんいます。お金がないわけではなくて、最初から払う気がないのです。超えてはいけない一線(いっせん)を平気で超えてきます。自分がトラブルメーカーになっていることを自分で理解できない。この本を読んでいるとお客さんに対して強い怒りが湧いてきます。
お札や硬貨は丁寧に扱うものということをだれも教えてくれないのでしょう。無意識にお金をカウンターに、ほおりなげる人が 多いそうです。豊かでなくてもいいからストレスの少ない社会になってほしい。 加えて、うそをつく人が多い。それから店員さんを自動販売機と思っている。原因は、マニュアル型 の接客なのでしょう。いらっしゃませ、ありがとうございましたの繰り返しは機械を相手にしているようで、わたしは評価していません。良くもないし悪くもありません。ロボットみたいです。だからお客も無言で物を買うのです。
ごみ箱に家庭ごみを突っ込んでいく人、コンビニのごみ箱だけではありません。駅や公園などどこでも です。トイレを借りるのは当たり前、汚しても知らんふり。以前外国へ行ったときに、喫茶コーナーが あるパン屋さんでトイレを借りようとしたら、ぶっそうだからと鍵を渡されてびっくりしました。襲われないように 気をつけてくださいとも言われました。この本を読んで、それは、防犯のためではなく、トイレを使って欲しくないから そうしているのではないかと思いました。
日本は接客サービスが過剰です。お客さまは神さまではなくて人間です。店員も人間です。売る人間も買う人間も平等です。上も下もありません。
155ページにある男性と女性の役割に関する宣言はGoodです。
読み続けていくとむなしくなってくる本ですが、最後にはすっきりしました。そんな殺伐とした日本社会でも誠実なお客さんはいるのです。
紙の本
たしかにコンビニで暗澹たるキモチになるとき,あるよね
2011/01/13 14:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
案外スラスラと読める本なんだが,内容はけして軽くない。
実を言えばオレはあんまりコンビニを使わない。ウチから最も近いコンビニまでの距離のウチ側にスーパーが2軒もあるし,基本的に早寝早起きなのでそれらのスーパーが開いてない時間に買い物になんか行かないし。
が,それでもたまぁに入るコンビニで,暗澹たる気持ちにさせられるコトがある。で,この本によれば,ああいうのってあの店の客ばかりぢゃないんだ……ちうか,あの店でオレが見かけた客なんてまだマシな方なんだ。うーん。
具体的にどんな,というと,まず(1)商品を落としてダメにしておいて代価を要求されると怒る,(2)店に入って来てモノも買わずいきなり店員に道を訊く,(3)ケータイで話しながら店内をうろつき別れ話が始まって泣く……そんなバカな,と思います? ところがこの3つのケースはオレ自身が見たことがあるヤツなのだ。
その他にも……あ,あんまり書いてしまうと営業妨害なのでやめておくが,とにかく著者の言う通り,ここまで来るとコトは日本の将来に関わるとオレも思います。なんとか……ならないような気がするけどなんとかしたほうがいいと思うなぁ。
あ,それから本書に再三出て来るチカラになってくれないコンビニチェーンのスーパーバイザーの言動って「20世紀少年」に出て来るあのヒトそのままだな。さすがは浦沢直樹,いいとこ見てるなぁ(もしかして単にコンビニのヘビーユーザーなだけ?)