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ライバルに勝つ最新定跡
著者 村山慈明 (著)
本書はゴキゲン中飛車や横歩取り8五飛など、流行している戦法の最新形について解説した本です。著者の村山慈明五段は序盤の研究に力を注ぎ、その知識はトップ棋士でさえ舌を巻くほど...
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ライバルに勝つ最新定跡 (マイコミ将棋BOOKS)
商品説明
本書はゴキゲン中飛車や横歩取り8五飛など、流行している戦法の最新形について解説した本です。著者の村山慈明五段は序盤の研究に力を注ぎ、その知識はトップ棋士でさえ舌を巻くほどのものです。その著者がプロの実戦に現れた変化を中心に、独自の見解を加えて詳しく解説しています。最近は携帯電話やインターネットによる、プロ棋戦のライブ中継が増えました。本書で紹介した内容はこれからタイトル戦などでも現れる可能性が高いので、是非観戦のお供にしていただきたいと思います。
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紙の本
残念な構成の改悪
2010/10/14 23:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ココちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて「終盤は村山に聞け」とまで言われた故・村山聖九段に対し、
現代で「序盤は村山に聞け」と言われるほどの研究を誇るのが本書の著者村山慈明五段です。
本書は第一作「最新戦法必勝ガイド」第二作「アマの知らない最新定跡」の続編です。
できればタイトルを統一して「~最新定跡・2」や「~最新定跡・○年版」としてもらえると、
該当定跡の探しやすさや進化の流れがわかりやすくなりますし、
本棚に並べた時の見栄えも良くなるでしょうから(笑)嬉しいです。
三冊通しての特徴ですが、出版当時のプロの最新研究「のみ」が惜しげもなく披露されます。
特に三冊目の本書はかなり局面を限定して、深く詳しい研究成果が載せられていると感じました。
当然ながら、戦法を一から学ぼうという人には過去の二冊以上に適さない本となっています。
村山五段は純粋居飛車党なので「相振り飛車」が扱われないのは当然ですが、
「相矢倉」や「急戦矢倉」も研究外なのか、一度も扱われた事がありません。
また過去二冊で大きく取り上げられていた「藤井システム」が先後とも扱われていないので、
プロ間では戦法として苦しくなってきて、定跡の進歩もあまり無かった事が想像されます。
本書にはちょっと残念な点があります。
過去二冊では局面図が指し手の掲載ページとずれているようなことはなかったのですが、
本書ではほとんどが合っていません。
おかげで何度もページを戻したり進めたりすることになってしまいました。
また変化手順を掲載する際には、過去二冊では「必ず」前の局面図から一手だけ進んだ図で再掲し、
そこから手順を進め解説し局面終了図も載せるといった、読みやすいよう工夫がされていました。
(本書でもそういう配慮がされているケースも「多少は」あります)
おそらく変化手順や参考図が膨大になりすぎたため、仕方なくといったところなのでしょうが、
それならば「定跡道場」のように1ページ3図にするといった手もあったかもしれません。
最後に簡単に内容にふれておきますと、
第1章後手番ゴキゲン中飛車は▲3七銀急戦について、
第2章ゴキゲン中飛車超急戦は▲1一竜△9九馬に▲3三角の変化で現在最新の△2七角を解説。
第3章先手番ゴキゲン中飛車は歩交換拒否△6四銀型と居飛車穴熊の最新形、
第4章先手番石田流は稲葉新手▲5八玉の変化です。
第5章横歩取り8五飛対新山崎流は△7四歩に角交換から▲7七角する形と△8六歩の合わせ、
第6章横歩取り8五飛対5八玉型は(旧)山崎流で▲3八金としない形を解説。
第7章同型角換わり腰掛け銀は60手ぐらい進んだところが第1図というとんでもない定跡です(笑)。
第8章一手損角換わり対早繰り銀で、
後手が保留していた△8五歩を伸ばす反撃に対し先手はそれを受けずに攻める定跡です。
読みづらさもさることながら、プロでも互角の最新形の紹介なので難しいです。
「ライバルに勝つ最新定跡」ですが、本書を読むことで勝てるようになるライバルって…、
いやいや、お互いに強すぎるでしょう(笑)。
ちなみに現在プロの公式戦・研究会でさかんに指されているわけで、
これから消えていく定跡手順、ひょっとすると既に消えた変化手順すらありそうです。
なので、本書の内容が有効な時期は短いかもしれません。
棋力向上向けではないですが、プロの最前線に興味のある方は面白く読めるでしょう。