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無責任の構造
著者 岡本浩一 (著)
組織のあるところには必ず「無責任の構造」がひそんでいる。証券会社の損失補填、自動車会社のリコール隠し、警察の被害届改ざん……。本書は、無責任をひきおこす集団と人格のメカニ...
無責任の構造
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無責任の構造 モラル・ハザードへの知的戦略 (PHP新書)
商品説明
組織のあるところには必ず「無責任の構造」がひそんでいる。証券会社の損失補填、自動車会社のリコール隠し、警察の被害届改ざん……。本書は、無責任をひきおこす集団と人格のメカニズムを社会心理学的に分析している。まず、自らも調査委員をつとめたJCO臨界事故を意思決定の視点から新たに検証。何年にもわたって違反が積み重ねられていた実態を追う。さらに、職場における無責任の構造を科学的に解説。「同調」「服従」「社会的手抜き」の心理メカニズム、「選択ミスが生じる確率のワナ」など、実験をふまえた学説を紹介。また、特に日本の職場に顕著な風土として「権威主義」「属人主義」の問題点を指摘。管理する側があたり前と考えていたことが、実は組織を腐敗させる元凶となっていたことに気付かされる。その上で、無責任回避の具体策を提案し、組織を真にリードする「個」のあり方を問う。志たかきビジネスキャリアに必読の内容である。
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紙の本
「無責任の構造」と戦うための実践的な書
2001/10/24 00:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:jig - この投稿者のレビュー一覧を見る
モラル・ハザードが話題になって久しい。証券会社による損失補填、自動車メーカーのリコール隠し、最近では農水省の狂牛病への対応等々、枚挙にいとまがない。これらの「事件」には、「無責任の構造」が潜んでいる。
本書は、はじめに具体的な事例として、著者が実際に関わったJCO臨界事故を取り上げ、事故に至る過程を検証している。続いて、無責任を引き起こす集団のメカニズムについて、様々な実験データをもとに分析する。さらに、「無責任の構造」の病理として、職場における「権威主義」と「属人主義」について解説している。
民間企業に身を置いている評者には、耳の痛い話であった。権威主義、なかでも因習主義的風土が業界内に存在することは言うにおよばず、著者が示すように「日本の職場は属人主義である」ことを痛切に感じることがあるためだ。ただ、これらの問題は企業だけではなく、日本の社会のあらゆる場所で見られることである。
では、この「無責任の構造」といかに戦うか。これについても本書は具体的に、方法論を示している。例えば、「孤高に耐える」、「人に好かれたいという気持ちを捨てる」などであるが、しかしいざ実践するとなると躊躇してしまうような事柄が多い。当たり前のことだが、それだけ困難なことなのだ。
自分が属している組織を冷静に見つめる上で、恰好の一冊といえる。
紙の本
2001/03/18朝刊
2001/03/28 15:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
職場の不祥事を目にしても「会社のため」と口をつぐむ。ワンマン経営者の独断専行にだれも異を唱えない——。物言えば唇寒し、はサラリーマン社会の常だが、事なかれ主義は時には組織の存続を脅かすようなモラルハザードを生む。
リスク心理学の専門家である著者が、東海村臨界事故を起こした企業などを題材に、日本企業に特有の「無責任の構造」を明快に分析する。個人が摩擦を回避しつつ組織の方向をただしていく「戦略的な処世術」にも触れている。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001