紙の本
帯にある通りの「衝撃のノンフィクション」
2013/12/26 12:34
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビで50回以上報道したと記されたあとがきを読みながら、私はそれを何度か見たはずなのに、何も覚えていないことに深く反省した。と同時に、やはりこうした書籍の形でまとめて発表することが、私のような人間にも知らしめることになると思う。
なぜ殺人犯が捕まらないのか。そのあまりにも空恐ろしい理由に暗然とする。その理由はとても不当だ。孤軍奮闘する筆者の努力には頭が下がるが、やはり孤立無援の状態では、不当な理由ながら、決して連続誘拐自体すら認めず、犯人検挙に向けた捜査さえしない捜査機関を動かすことはできないのではないかと残念ながら思う。
この本を読んだ人たちが他のメディアに「なぜ、取材しないのか」「なぜ、放送しないのか」「なぜ、記事にしないのか」と問いかけ、動かすことが私たちができる1歩だと思う。
紙の本
多くの方に。
2014/05/14 00:29
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投稿者:カーネル - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、第67回日本推理作家協会賞を授賞…に、?と。推理作家協会?部門は評論その他部門ではあるが、なんか違うのではないか? とはいえ多くの方に関心を持って貰えば、事件は広く伝わる。多くの人に読んで貰いたい。そして怒って欲しい。『足利事件』を知っている人は多いだろうが、ここまでの話は…驚愕の事実とは、この事だ。事件や真犯人のこともだが、国家権力の恐ろしさに震え、あまりの怒りに本を読みながら顔が怒りで赤くなった。清水氏が日本テレビ所属だからという枠はとっぱらって、様々なメディアでもっと取り上げて欲しい。添えて…清水氏の熱意の奥にあった思いに、胸が痛んだ。
紙の本
ラジオでコメンテーターが
2016/03/30 18:07
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投稿者:ビリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラジオでコメンテーターの勝谷誠彦さんが この本を紹介していたので購入しました。
冤罪の恐ろしさや警察の怠慢さや隠蔽体質を知り驚きと怒りで読み進んでいきます。
著者が真犯人であろう人物と直接 会っているとは驚きました。
この本を読み終わり 直ぐに著者が先に発行している桶川ストーカーの方も購入しました。
紙の本
迫真のルポルタージュです
2015/12/27 11:42
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投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
桶川ストーカー殺人事件で警察よりも早く犯人を追い詰めた雑誌記者がひとつの冤罪事件を暴いていく。隣接県で発生した複数の幼女誘拐殺人事件が筆者の推理で一つの連続殺人事件に紡がれていく。清水潔氏のルポは読みやすく、独立した幼女誘拐殺人事件と思われていたこれらの事件を意外な共通点で結びつけ、読者を全く飽きさせない。解明していく過程で筆者をはじめマスコミはひとつの冤罪事件をあぶりだしていく。迫真のルポルタージュです。文庫化を希望します。
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非道い事件のノンフィクション本といえばの新潮社から犯人のしでかしたことに対して「人って恐ろしいって」感想を持つけれども同時に「組織って恐ろしい」という感想を強く持つ
警察都合で犯人が捕まらなかった未解決事件だから映画化はしないだろうね
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この本を読んで、報道の見方が全く変わってしまった。だいたいのことは、信用できなくなっている。
最近で言えば、PCの遠隔操作で脅迫をしていたという片山被告について、本人が「わたしがやりました」と言っているけれど、わたしはまだ少し疑っている。言わされているんじゃないかって。
この本には、それほどに不信感を持たせる警察の最低な、最悪な体質が暴露されている
清水さんの持論「犯人はルパンだ」も正しいのか
分からないけれど、警察はこの暴露をうけてしっかり操作をし直さないといけないし、
清水さんはぜひ「この本が出版された後の警察の対応」を報じて欲しい。
警察関係者はぜひこれを読んで、自分たちが国民からどう思われ、どう期待されているか理解して欲しいと思う。
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驚くほど杜撰。毎度毎度思うのだが警察も検察も裁判所も被告、及び容疑者をなんだと思っているのか。
しかも足利事件は捜査当初から100%の見込み捜査もいいところ。事件が解決されれば良いと思っている。
結局起訴した元刑事はのうのうと生き延び、反省の色も感じさせないと来ている。これでどうやって警察を信用すればいいのか?
実際に容疑濃厚な容疑者を筆者は特定しているのにもかかわらず全く動きがない。呆れるばかりだ。
みなさんにも忘れないで欲しいと思う。警察官は犯罪者だ。絶対に信用してはいけない。起訴した事件の99%が有罪、なんていう国は日本以外にないことだし。とにかく疑ってかかること。それが大事だと強く思った。
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ある日突然、身に覚えのない「罪」で「裁」かれ、「死刑」が確定したら…考えただけでも身体が震える。
誰かが「無実」(無罪ではなく)を証明してくれたとして失われた年月は戻っては来ない。着せられた汚名もかんぜんにぬぐい去れはしない。
冤罪を購うことなど誰にもできはしないのだ。
そして本当に恐ろしいのは「冤罪」の向こうで真犯人が野放しになっている、ということ。
この国の「正義」が自身の保身のために握りつぶした証拠によって、その後もいくつかの犯罪が繰り返されているかもしれない。
この事件はたまたまこの記者のアンテナにひっかかって真実が明らかになったけど、他にもたくさんあるかもしれない冤罪と、今日もまたどこかで繰り返されているかもしれない犯罪を思うと血が逆流するほどの恐怖に襲われる。
この国に正義はあるのか。
この国の正義を守ってくれているはずの警察官、検察官、裁判官の正義の心を信じたい。
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前著「桶川ストーカー殺人事件」は19歳の時に読んで衝撃を受け、いまでも生涯ベスト5に入るほど思い入れのある作品です。あの清水潔さんが久しぶりに新刊を出すということで、迷わず購入し、あっという間に読み切ってしまいました。読み終えてから気づいたのですが、清水さんが本を出すのは「桶スト」以来なんですね。
「桶スト」以来…清水さんが本を出すというのは、きっとそれが“最終手段”のときなのだと思います。「桶スト」がつまびらかにしたのは警察組織の腐敗と、それを追求できないマスコミとの関係性でした。犯人は明らかだ。しかし、それを分かっていても警察は組織の都合、動こうとしない。だからこそ清水さんはそれをあえて世間に公表し、警察が動かざるを得ない状況を作ろうとしたのです。
本作も基本的な構造はそれと同じです。清水さんも本文で言っている通り、菅谷さんのえん罪をはらすのは通過点でしかなく、あくまでも真犯人を追い、それを世間に公表することを主眼にしています(だから第6章以降が加速度的に面白いです)。ときに警察・検察に、ときに国会へと場所を移し、真実を明らかにするように訴えるのですが、組織の様々な事情が物事をすんなりと運ばせない。
一読者の僕ですら、警察・検察組織のちんたら具合にイライラするのですから、当事者である清水さんの心中はいかほどだったでしょう。少女5人を殺した犯人はそこにいる、でも捕まえられない。これは惨い。詳しくは本文で書かれているので割愛しますが、もう二進も三進もいかない状態です。これは世の中に訴えるしかない、世論を動かすことで霞ヶ関を包囲するしかない、清水さんはそう考えたのではないかと思います。
清水さんの本を読んでいると、「警察は正しいものの味方」という僕たちが当たり前のように持っている感覚に疑問符を抱かざるを得ません。人間が動かす組織だから、ある程度の脱線は仕方のないことでしょう。しかし、桶ストにしろ、この事件にしろ、警察は常に身内の味方しかしていないのです。警察神話を信じている市民、そして何より被害者家族にとってこれほど恐ろしいことはありません。菅谷さんの再審判定に関する毛髪鑑定の下りなど思わず笑ってしまいました。
犯人へむけた最後のメッセージは強烈でした。この本を読んで、真犯人は一体どう思うのでしょうか。警察関係者は何を感じるのでしょうか。被害者家族の痛々しい様子を目の当たりにするにつれ、本作がきっかけでこの連続殺人の真実が明らかになることを願います。
年の瀬に出会った2013年のベスト本です。
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今年一冊目にふさわしい、衝撃のノンフィクション。冤罪で有名な足利事件を含む連続幼女殺人事件の取材記録だけど、これはもう取材ではなく、捜査だよなあ。
文藝春秋でのレポートをサラッと流し読みはしてたけど、改めて警察組織の闇の深さを思い知る。
この本がきっかけで、事件が動き出すことを望むねー。
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足利事件を発端に、北関東連続殺人事件を冤罪も含めDNA検査など多岐にわたり書かれている。とにかく警察、検察の杜撰な捜査、脅しや暴力による自白強要、情報提供をしても動かないということを改めて憤りを感じた1冊。
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殺人鬼を放置する正義が存在する日本に恐怖した。
が、著者の行間から滲み出る「俺はすごい」という自己陶酔にはうんざり。ノンフィクションなのだろうが、自己アピールの作品を読まされた感じ。偉くなりたいのか、もっと名声が欲しいのか…。穿った読み方?
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ほんもののジャーナリスト
新年早々に読んだこの本が、今年のマイ・ベスト本になるかも。
・現場に行かないと分からないことがたくさん有る。
・再発防止! (警察・検察は「意図的」にやっていない)
・警察・検察のやり方は、仮説ではなくレッテル貼りになっている。
(証拠が仮説を検証するものではなく、レッテルに合うものだけを残すというインチキ)
菅谷さんの無実を認めながら、真犯人(著者は真犯人を警察に伝えている)を逮捕しない警察・検察って???
菅家さんの無実が明らかになった足利事件を含む北関東連続幼女誘拐殺人事件。連続した事件だと見つけるところからスタートし、真犯人を追い詰めるため、菅家さんの冤罪をはらし、警察にも連続事件と認めさせるまで追い込んでいく。
それでも、
真犯人は未だに自由の身だ。
本書の最後の言葉。
いいか、逃げきれるなどと思うなよ。
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これは読むべし!みんなに読んでほしい!!筆者は『桶川ストーカー殺人事件 』で警察より早く犯人にたどり着き、また同時に埼玉県警の不正を糾弾し解決させた日本テレビの記者(当時は雑誌記者)。
今回は菅家さん冤罪事件で有名な足利事件。無罪を勝ち取った裏にこの記者の存在があったのだ。ただ冤罪事件で思うのは一つ。それじゃ、犯人は誰なんだ?って事。この地域の周辺ではこの事件を含む5件の幼女強姦殺害事件が起きている。素人目でも同一犯の犯行。菅家さんは無実。では・・・・
筆者である清水記者は独自調査の結果犯人にたどり着く。犯人は通称『ルパン』。足利事件で採取されたDNAとも一致。別件の誘拐事件でパチンコ店の防犯カメラに映っている人物とも同じだと。記者はその『ルパン』にインタビューもしている。でも警察は動かない。警察は犯人を知っている。いや、知っていて捕まえないのだ。そしてあの連続幼女殺人犯はまだこの地域に住んでるのだ。これはあのストーカー事件と同じ警察内部の問題、いや、国家としての問題。
清水記者の文章も上手い。読んでいてこの『ルパン』を何とかできないものかと、正義の殺し屋がいるとするならヤツを殺してくれと、読んでいてくやしい、本当にくやしい。
なぜ犯人が野放しになっているか。みなさんもぜひ読んで周囲に知らせてほしい!絶対読んでくれ!たくさんの人が読んでこの事件をもっと大きく取り上げてくれ!!
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一気にに読み切ったが、なんという読後感。
これはフィクションではないと菅谷さんが無実となった事で明らかなのだが、作者は真犯人までたどり着いている、しかも野放しのままだという。
あの組織はつじつまを合わせているうちに何を守るのかわからなくなったのだろうか?