紙の本
レーンのない回転寿司
2009/12/16 22:46
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
本をジャンル分けする理由なんて、司書さんが図書館で並べる順番に迷わない程度の意味しかないと思うけれど、この作品をジャンル分けするのはとても難しい気がする。
自主制作映画をつくる人たちの青春ものみたいな体裁を整えているけれど、ミステリーの様でもあり、ラブストーリーの様でもあり、ホラーの様にも見える。まあだから、ジャンル分けする理由なんてやっぱりないんだよね。物語は物語だもの。
主人公の名前が二見遭一(ふたみあいいち)といったり、ヒロインの名前が最原最早(さいばらもはや)とか画素(かくそ)はこび、なんていう一風変わった名前なので、何となくいくつかの作品を意識させられるのは事実。主人公はツッコミ体質だし、ヒロインは意味なくボケて見せるし。でもそれは、物語を読みきらせるためのガジェットみたいなものなのだろう。
正直言って、荒唐無稽なネタと言えなくもないと思うけれど、最後まで破綻せずにきっちりと読ませられ、着地させられてしまったのだから、やっぱり面白いのだと思う。読み初めに想定した着地点とは全く違うとしてもね。
電子書籍
天才とのファースト・コンタクト
2017/04/26 21:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かんけつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーとして読むのが普通とは思うが、私はSFとして読んだ。神/異星人/異次元人などに近い真の天才とのファースト・コンタクトものと。それにしても実に読みやすい。極めて高いリーダビリティーは美点。
投稿元:
レビューを見る
SFでした。さくっと読めるので、楽しみのための読書には丁度良かったです。
2009/12/23 読了
投稿元:
レビューを見る
個人的には、正直、後味の悪い小説であった。この小説は完全にドラマ性のみに立脚して構築されているといえる。文体にしろ構成力にしろ描写力にしろ、突出して見出されるような特徴は見受けられない。特に描写の不足は深刻で、少なくとも自分は物語世界に入り込むことはできなかったように思う。ただし、この「軽さ」に反して多くの読者を引き込もうとする力学を備えているのは、まさしく「ライトノベル」という(一見その基準が曖昧にも思われる)ジャンルで語られるべき何かを内包しているとも見て取れよう。この小説に求められていたのは詳細な書き込みによる情景の再現ではなく、物語全体の流れと最終的に読者へと渡されるオチ、つまりドラマ性であったのだと読み終わったときに理解される。秀逸な発想力から生まれた物語だとは思うが、小説で表現される意味があるかは終始疑問であった。
投稿元:
レビューを見る
さらっと、面白く読めました。
けど最近のラノベの枠内だなあ。
ミステリってことになっているので、
もうちょっと伏線をしっかり張ってほしかった。
伏線の張り方をちょっと整理すれば
ぐんと面白くなると思う。
投稿元:
レビューを見る
「うぇぶらじ@電撃文庫」の第7回でおかゆ先生オススメの一冊。
そしておかゆ先生が読んでくれたメールの主「コーラ大好き」は実は私だったりします。
で、本題。
とにかく面白かった!
良質な2時間ドラマを読んだ気分。
最初から最後までずっと引き込まれ、
最後の展開には呆然としてしまいました。
これはリングを読んだときと通じるものがあります。
少しでも気になった方には是非とも読んで欲しい一冊です。
あとメディアワークス文庫はラノベ売り場ではなく、
一般文庫売り場においてあることが多くあります。
ラノベ売り場にない場合は一般文庫売り場を探してみたください。
投稿元:
レビューを見る
自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。
監督はみんなが天才と評する女性の最原さん。彼女の映画に秘められた秘密とは?
第16回電撃小説大賞(メディアワークス文庫賞)受賞作。
投稿元:
レビューを見る
ちょっとひねくれた感じの一人称が読みやすかったです。
登場人物も良い味出してるしさっくり読めるけど、その分あっさりしすぎていたり、不完全燃焼感が否めません。
話そのものはとても好きです。
投稿元:
レビューを見る
朝日新聞で紹介されていた本だったので、買ってみましたー♪
大学の映画科所属の主人公が、
映画部(のようなサークル)で、映画を作っていき
そこに、天才カメラマン、天才監督が出て来て
映画を製作していくうちに、様々なことがわかってくるというストーリー。
映画に詳しいひとも、そうでない人も楽しめる内容。
私も1時間半で読み終わったし、お手軽に読めます。
そしてなかなか感想を言葉に表せない結末ですね。
読み終わった後は、達成感のような脱力感のようなそんな感覚になります。
ハラハラドキドキで、最後は一気に読み切ってしまいました!!
ちょっとミステリーっぽいところもあるので、
推理小説とか好きな方は、(完全な推理小説では全然ないですが)楽しめる内容だと思います☆
本の題名「(映)アムリタ」ってのも、
読み進めていくと理解できますー☆
投稿元:
レビューを見る
一人称視点でのストーリー構成が面白いです。ミステリーのような風格も持っており、物語の内容に引き込まれました。最後は余韻を残されて締めくくられていますが、この小説としてはとても深い考え抜かれたラストだなあと思いました。
投稿元:
レビューを見る
「私の事を愛していますか?」
要所要所に出てくるヒロインのこのセリフが最初は「うぜー」と思っていたのだけれど、最後まで読んでやっとわかった。そうか、そういう意味だったのね。彼女はアレを確認していたんだね。と納得した本書。
だからといって本書は恋愛小説ではない。
どちらかといえば青春劇といった雰囲気で、大学生四人が集まってわいわいと自主制作映画を撮る話だ。
役者志望の芸大生である主人公に、自主制作映画『月の海』の出演依頼がくる。それほど親しくはないけれど憧れの女生徒からの誘いだったので舞い上がる主人公なのだけれど、主人公を指名したのは彼女ではなかった。彼女はただの撮影担当なだけで、主人公を指名したのは「あの天才」だったのだ。
今度の映画は「あの天才」が監督をやるらしい。
主人公は天才が書いたと言われるコンテを半信半疑で読み始めるのだけれど、映画の天才が書いたそれは、コンテからしてとんでもないしろものだった。なにしろ、読んだ人間の意識を「もっていく」ほどの力を秘めていたのだから。これが完成したらいったいどれほどの映画になるのか。
そんなふうにして学生たちはわいわいと自主制作映画『月の海』を作り始めるのだけれど……でも、天才の目的はそんなもんじゃなかった。
後半にしかけられたどんでん返しは良くできていて、タイトルにもなっている映画『アムリタ』があらわれるシーンでは、いままでの天才の天然丸出しの突飛な行動がぴたりぴたりとハマッていくのは快感だった。
仲間たちで集まってわいわい言ってる青春ドラマと、伏線が綺麗にまとまるミステリー小説のふたつが同時に楽しめるお得な小説である。オススメ。
投稿元:
レビューを見る
これはやられた。まったくの事前知識なしに読んだからこそ、このラストにはしてやられた。って、こんなこと書いてる時点でネタバレしまくっているのだけど。何はともあれキャラクターとの掛け合いなどもラノベっぽくてとても読みやすかった。素晴らしい秀作。
投稿元:
レビューを見る
こわい!その一言に尽きる。
大学生活が懐かしくなった。
天才ってきっとこんな人だろうな。
奇人変人。狂人。
後味はあまりよくないね。でも面白かった!
投稿元:
レビューを見る
一見、なんてことない映画サークルの青春小説かと思いきや、ホラーな雰囲気があとから漂ってくる。日日日さんが書く一般小説のような不気味さ。読み始めると止まらなくなります。文章の書き方も綺麗なので、読むのが苦痛じゃありませんでした。
つっこみのうまい役者の主人公と、すべてにおいて完璧な天才監督のヒロイン。淡々と進んでいく話だったので不意打ちでした。落とし穴が二つあって、それに気付いていたけどわざと罠に引っ掛かったふりをするような、なんとも言えない後味の悪さが残る。
とてもクオリティの高い小説だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
鬼才のヒロイン。役者志望の平凡な主人公。
よくありそうな設定だが、ラストが怖い。
初めから途中まではラブコメ的な恋愛もの、
後半はSFのような恋愛のような、、
感想は、ゾクっとします!