電子書籍
上海少年
著者 長野まゆみ
今日も波止場に大陸からの引揚船が着く。睦は独りそれを待っていた。あの海の向こうの都市で過ごした、失われた幸福な日々。生き別れになってしまった兄と阿媽(アマ)のことを想いな...
上海少年
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上海少年 (集英社文庫)
商品説明
今日も波止場に大陸からの引揚船が着く。睦は独りそれを待っていた。あの海の向こうの都市で過ごした、失われた幸福な日々。生き別れになってしまった兄と阿媽(アマ)のことを想いながら――。そして、港町の一角に出来た華人の市場で、彼は懐かしい上海から来たという、不思議な男に出会う……。過ぎ去った時代に生きる、少年たちの姿を詩情豊かに描く作品集。
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紙の本
幕間。
2001/10/16 04:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作の「上海少年」も中々の出来だが、私としてはそれよりも収録作品の内の一つである「幕間」をお奨めしたい。
長野まゆみ作品では珍しく(もしかしたら唯一かもしれない)、男女間の恋愛を描いたものであり、女性が主人公だ。何故少年を主人公にしないかは恐らく、女性によって少年の美しさをよりいっそう引き立てる為ではないかと私は考えている。
実の姉と弟が愛し合う、一風変わった物語だが、その描写とストーリーは実に美しい。主人公である姉が実弟を厭い、そして恋愛感情へとすり替えられていくさまが巧みに描かれている。
私は「幕間」こそが、長野まゆみ作品の中で最も素晴らしい作品だと確信している。
紙の本
短編集は読みやすい
2001/09/16 13:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る
長野まゆみ短編集。
「雪鹿子」「上海少年」「満天星」「幕間」「白昼堂々」の5編。
どの話しもめずらしく、女の人(または女の子)が重要な役で登場します。もちろん、長野まゆみの特徴である少年もちゃんと出てきます。
時代設定は、はっきりとは書かれてませんが大正前後くらいで、昔ながらのストイックな雰囲気が長野まゆみの独特な世界に合っていると思います。
1番のお気に入りは、表題作でもある「上海少年」。
上海に戦争に行った兄を一人待ち続ける睦は、身を寄せている家では厄介者扱いされ、兄は殺されたと聞かされます。それでも兄の帰りを願う睦が、可愛いけどかわいそうです。でも、最後がハッピーエンドなので好きです。