電子書籍
派遣の逆襲
著者 関根秀一郎
雇用の調整弁として「派遣切り」され、職と住まいを同時に奪われた労働者。20年にわたる規制緩和策と労働政策の失敗が、「多様な働き方」の虚妄を白日のもとに晒した。年越し派遣村...
派遣の逆襲
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
派遣の逆襲 (朝日新書)
商品説明
雇用の調整弁として「派遣切り」され、職と住まいを同時に奪われた労働者。20年にわたる規制緩和策と労働政策の失敗が、「多様な働き方」の虚妄を白日のもとに晒した。年越し派遣村はどんな教訓を残したのか。雇用と生活を守るにはどうすればいいか。派遣労働者の問題に一貫して取り組み、「年越し派遣村」を主導した派遣ユニオン書記長による、強欲資本主義との闘いの記録と、日本の雇用再生への提言。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
最終目的は 逆襲にあらず
2009/08/17 07:04
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKで、大阪での元派遣社員の就職活動を追ったドキュメンタリー番組を視聴した。
ドキュメンタリー番組だから勿論筋書きはない。ないのだが、今までならば予測された「本人の努力によって就職への希望が見えた」という、予測された落としどころが登場しなかった。勉強した結果が就職に結びつかず、彼等はいまだ安定した雇用についていない。本書にも総務大臣政務官の言葉が登場するが、よく「就職できないのは個人の自己責任。本人の努力が足りない」と言われる。だが、ドキュメンタリーや本書を読み、自分の努力だけではどうにもならない、もっと大きな力によって、現在の状況になっていることが、改めて感じられた。
タイトルは「逆襲」と銘打たれているが、派遣社員の要求が全て呑まれたわけではない。某派遣会社で、どう考えても不当なデータ装備費は返還されたが、賃金のダンピング、日雇い派遣禁止への根強い反対など、まだまだ問題は山積みである。
それでも、まずは、知ることが大事だと思う。会社に声をあげずにいた不満や正当な要求が、個人でなく団体として要求することで受け入れられる過程。実際の日雇い派遣の労働状況。知らずにいれば「自己責任論」として他人事として片付けていたことでも、知れば、自分の問題として身近に考えられるのではないだろうか。今後、正社員解雇が増えると予測されており、登録型派遣やスポット派遣に従事する人々は増える。労働問題自体、働く人の雇用形態によってひとごとか、そうでないかと分けられるものではない。自分がその身になってから考えるのでは、遅いのだ。
事実や体験したことのみを述べてある、信頼のおける書だった。