紙の本
役にたつ本
2017/06/21 05:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKEテレの、わずか5分の絵本風の番組「ヨーコさんの”言葉”」の第34話「二〇〇八年冬」に思わずジーンとして、ならば原作を読んでみようと手にとった。
「ヨーコさんの”言葉”」は絵本作家佐野洋子さんのたくさんのエッセイから、これはという作品が選択され、北村裕花さんが絵本風の絵を描き、上村典子さんの読み聞かせが入る。
この「二〇〇八年冬」は、乳ガンになった自身を痛快に描いたエッセイだ。痛快だけど、しみじみとしてしまうのは上村さんの読み聞かせの巧さだろうか。
佐野洋子さんは2010年11月に亡くなった。
72歳の生涯を短かったというのは簡単だけど、佐野さん自身はどう思っていただろう。
亡くなる2年前のこのエッセイでは、病気が判明したあとの気持ちをこう綴っている。
「人生が急に充実して来た。毎日がとても楽しくて仕方ない。死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う。」
佐野さんの作品が人気の高いのは、この突き抜けたような剛毅さだろう。
佐野さんはさまざまなところで、男性と女性の違いを書いているが、こういう強さも女性ならではかもしれない。
この短いエッセイにはどうしても書き留めておきたい、名言がある。
「私は死ぬのは平気だけど、親しい好きな友達には絶対死んで欲しくない。死の意味は自分の死ではなく他人の死なのだ」
この「二〇〇八年冬」だけではない。
この本のページを開くと、書き留めておきたい名言があちらにもこちらにも。
佐野洋子さんのファンが減らないはずだ。
紙の本
作家自体も100万回どこかで生きているかも。
2020/08/31 23:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐野洋子さんの、生き生きと、清々しく毒を吐く日々。あるいは、漢流スターに嵌りまくり、DVD買いまくりの濃いーい日々。
佐野さんがそうくるなら、数多くいる女友達も負けてはいない。女友達と食事をしながら、電話で話しながら、旅しながら...いやぁ、胸がすく物言いです。あっぱれな感じ!
もし私が、そこにリアルに仲間入りしていたとしたら、脳とか心臓まで筋肉痛になりそうな感じに鍛えられそうです。
晩年の...というと違和感を感じるぐらい、エネルギーに満ち満ちていて、いったいどんだけの生命力なんだろう。寝しなに読み始めると、そのすごさに、目がさえざえとしてしまうんで、この本は朝用に認定!!...と言う風に、佐野さんが逝ってしまった方だということをつい忘れる。
投稿元:
レビューを見る
佐野洋子さんがいつものごとく、まったく取り繕わずに思ったこと感じたことを日々綴ったエッセイ。読むほどに、一行一行毛穴から言いたいことがすすすすすすぅっとしみ込んでくるような感じで、快感。潔いことこの上なし。何度でも読み返したいと思う。とても面白かったです。心からご冥福をお祈りいたします。
投稿元:
レビューを見る
自分の呆けと狂気をどうしてこんなに冷静に観察できるだろう。
ぞっとして佐野さんに惚れる。こんな風に死に向かいたい。
ひょっこり自分の死期が分かるなどした時に読み返したい。
論理的に弱味のない文章を、という気がてんで無いのに佐野さんの言ってることは生き物としてただしくかしこく感じる。
好き嫌いとかが二転三転ひょいひょいしてていいよね、人ってこうだよね。
投稿元:
レビューを見る
老いていくことへの実感は全くない。
だから、めんどくさいばぁさんだなぁーあはは。って、気楽に読めるけど、母には読ませたくないな…絶対。
投稿元:
レビューを見る
佐野さんのエッセイ、2冊目です。この本が、最後の本になってしまいました。
韓流ドラマにはまったり、天下国家を相手に怒ったり、心の赴くままの言葉が面白いです。
生きる上での、いらない鎧をすっぱり脱ぎ捨て、身軽に今を受け入れている強さを感じます。
呆けたお母さんのベットに一緒に寝て、ぽつぽつかわす会話に、思わず涙がこぼれます。
確執のあったお母さんと、ここまで通じあえたんですね。
ぼこぼこのイングリッシュグリーンのジャガーを乗りまわしていた佐野さん、きっとかっこよかったでしょう。
投稿元:
レビューを見る
生まれて初めて佐野洋子さんのエッセイを読みました。
何これ!?
メチャクチャ楽しい♪♪
『100万回生きた猫』は私の大好きな絵本なのですが、まさかこんなエッセイを書かれているとは思いもしませんでした。
いい意味で意表を突かれました☆
読めてよかった。
佐野洋子さんは2010年、72歳で亡くなられました。お母様もその4年前に亡くなられたそうです。
佐野洋子さん、ありがとう☆
投稿元:
レビューを見る
佐野洋子のエッセイ。韓流にはまり、麻雀を覚え、老いを自覚し、癌が完治してなくても、淡々と生き抜くエッセイ。すごくかっこいい一文があったので、転載。「私は今、何の義務もない。子供は育ちあがり、母も2年前に死んだ。どうしてもやりたい仕事があって死にきれないと思うほど、私は仕事が好きではない。(余命)2年と云われたら十数年私を苦しめていたウツ病がほとんど消えた。人間は神秘だ。
人生が急に充実してきた。毎日がとても楽しくて仕方がない。死ぬとわかるのは自由の獲得と同じだと思う。」
こうもすがすがしく生きたいけど生きられるかどうか、私自身、疑問だ。
でもこんな感じで私も死期を迎えたいなぁ。
投稿元:
レビューを見る
面白かった!朝、面倒くさい!と言ってのけるお婆さんに私はなりたい。ちょこちょこ荻窪を思わせる記載があるのも個人的に好き。
投稿元:
レビューを見る
佐野洋子「役にたたない日々」読了。
全部の「きわ」に、こんなユーモラスであたたかな視線が保てるのだろうか、と思った。
あと二倍と一回りちょっとの年月でそうなれるかしら。
今のうちからじくじくと心を揺さぶってないとこうはなれないんだろうなあ。
投稿元:
レビューを見る
残された時間を聞き
それにかかるお金を聞き
だったら延命治療をせずに
生きると決心して
その足で
高級車を買って帰るくだりは
ほんと傑作だと思います。
人間
衣食住
大体の日本人は
衣食住に満たされていると思う。
それでも満たされていないなぁってかんじる人が
お金を稼ぎたいとか思うんだろうな。
僕は満たされまくりとは言えないけど
まぁまぁ満たされているほうだと思うので
お金をかけないおしゃれ
お金をかけないインテリア
お金をかけない美味しい料理
を楽しみたいと思います
費用対効果以上
という言葉が好きです。
でも
費用対効果を下回った時こそ
学びのチャンスだと思います。
偉くポジティブです。
そうなんです
物事に対してはポジティブだけど
自分自身と
体については
ネガティブなんです。
わかりきっていることですねー
しょうがないですねー
投稿元:
レビューを見る
生きていくことの生々しさとか醜さとかが嫌というほど、書かれているのに、佐野洋子の文章は不思議と清々しい。
ガンが転移して、余命2年と聞いた途端に、治療を止めて、ジャガーを買って「最後に乗る車がジャガーかよ、運がいいよナァ」って、のたまうところなんて、たまらなく格好イイ。
投稿元:
レビューを見る
元気のない人、お読みください!
「100万回生きたねこ」の著者の老境のエッセイ。年齢とか性を超えた「人間らしい(まったく格好をつけない)」名言の数々に脱帽。久々に「本棚に入れなきゃ!」と思った一冊です。
因みに・・・その1.この本はワタクシではなく、本なんて自分じゃ買わないウチのハハウエが友人にもらったので読んでいるのを、何気なく手にとった・・・といういい加減な出会いです(~_~;)
因みに・・・その2.佐野洋子さん、がんだったのを抗がん剤うたずに亡くなったんですね。。。なんだか生き方に共感してしまいました・・・
投稿元:
レビューを見る
読んでてすがすがしいです。自由奔放で羨ましい。論理的ではないかもしれないけど。他人の日記をちょくちょく覗き見してるような快感を得られます。同時に罪悪感を感じないは、佐野さんの快活な文体からでしょうか。少しずつ読んでいます。
投稿元:
レビューを見る
面白かったー。
佐野洋子はやっぱり晩年のやつがより面白いし、深い。
書いてくれて有難う、と本当に思いました。
泣いたり、笑ったり。これからももっと読みたかった。
かっこいいおばあさんだったよ。