紙の本
宇江佐さんの心に去来したものは
2016/04/17 16:21
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作短編時代小説。お気に入りの一冊になった。出来事はいつも古道具屋鳳来堂へ持ち込まれる。喜劇、悲劇、出来事の終わりの顔は様々だけれど、鳳来堂へ集まる人間によって、丁寧に思い出と変化させられて行く。『びいどろ玉簪』は一番切ない話。子供が犠牲になってしまうのは読んでいて苦しい。この話は簡単に現代にも置き換えられるだろう。大人の事情で悪事に手を染め、暴力を振るわれ、そして力尽きる子供たち。他のお話がほっこり系なのにもかかわらず、この話だけ少し異質。宇江佐さんの心に去来した何か特別な出来事があったのかもしれない。
紙の本
ひょうたん
2020/10/05 06:43
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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
何気ない日常の中で感じる人情の暖かさ、
自分の心がギスギスしているからか妙に沁みます。
宇江佐真理さんワールドが益々好きになる作品でした。
電子書籍
温かみのある、ほのぼのした1冊です。
2016/02/18 19:30
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投稿者:ウルトラマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
繰り返しの日々のなか、ささやかもしれないけど、自分が気がついていない幸せを感じさせてくれました。安心して読み続けることができ、一気に読んでしまいました。
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古道具屋を営む音松・お鈴の夫婦、音松の悪友、お得意様のお侍、婿入りして質屋を継いだ兄のところへ奉公に出している息子の長五郎、、、古道具屋に流れて来る物やそれを巡る人を人情たっぷりに描いた短編の連作。あともうちょっと詳しく書いてくれてもいいのに、と思ってしまうあっさりとした静かな語り口なのに登場人物が生き生きとして人柄もきっちり描かれていて、気持ちよく読めます。面白かったです。
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やっぱり宇江佐真理は面白い!
すっごく物語に引き込まれちゃう。
ラストは泣いてしまいました。素敵な人情話です。
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おおおー!(泣)
宇江佐さんの話は最後いきなり泣かせにかかってくるなあ!
読み終えてしょんぼりしてしまったわ!(T□T)
でも面白かったんだ!
古道具屋を舞台にした連作短編集。
宇江佐さんは人の心を書くのが本当にうまい。
そして本当にご飯の描写がいいな、おいしそうでよだれが垂れそうになる!
いなり寿司とか鰯の煮付けとか、筍ご飯もいいし特製味噌田楽も是非食べてみたい。
これは読んで良かった〜。
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鳳来堂の、音松とお鈴は、本当にいい夫婦です。
やんちゃ系の音松の手綱を、しっかりお鈴が握っています。
そして、お鈴の作る夕飯も匂いが漂ってくるようです。
音松の胃袋もしっかり握っています
江戸市中のやんごとなき事件に振り回されながらも、男気あふれる音松としっかり女房が乗り切っていきます。
『びいどろ玉簪』は、幼い姉弟が出てくる話ですが、本当に切なかったです。
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泣いたり、笑ったりの連作。
音松と鈴の地味ながらも楽しい生活、自然と集まる幼なじみ達。
そしていつの間にかしっかり者に育っていく長五郎。
最後は寂しくしんみりと終わる。
ハッピーエンドよりも心が引っ張られる。
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風来堂という古道具屋がある
主は定式幕で拵えた半纏を年中着ている
女房は店番の合間に外に七輪を出し、魚を焼いたり、煮物の鍋を掛けている
ソコには友達が年中集い、笑い声や泣き声が・・・
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江戸本所にある古道具屋の主人夫婦が主人公の連作短編集。あったかい話もあり、すんごく切なかったり悲しかったりする話もあり。いや〜、江戸にはいろんな職業があるんだなぁ〜。
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あったかい。
年齢のせいなのかたまに、宇江佐作品に差し込まれる「老い」と「別離」。
本作品にはそれがあるけれどそれでも、控えめでそれも安心。
市井に穏やかに生きている夫婦。
夫は以前は博打に狂っていたけれど、心根のまっすぐな仲間を大切にするなかなかの男前。
しっかりもので、でも女性らしく少しだけゆらぐ妻。
二人と息子を上手にからめつつ、物語は進む。
優しくしなやかに。
ずっと東京に住んでいると思っていた宇江佐さんは、遠く田舎に住み、
まったく東京暮らしはないと読んだことはある。
優れた物語の紡ぎ手には、場所は関係ないということなのかそれとも、
少し離れた方が美しく見えるものなのか、東京?
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本所五間堀にある古道具屋、鳳来堂。
主人は友達と酒、女房の手料理さえあれば、何も要らないという音松。
おかみの鈴はしっかり者で店番をしながら、よく煮炊きをするので店の前はいつもいい匂いを漂わせている。いなり寿司、蛤鍋……鈴の料理はすごくおいしそうでお腹が減る。
織部の茶碗
ひょうたん
そぼろ助広(刀)
びいどろ玉簪
招き猫
貧乏徳利
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古道具屋・鳳来堂を営む音松とお鈴夫婦。季節感たっぷりの連作集。
表題作や「そぼろ助広」のような心温まる作品もあれば、「びいどろ玉簪」のようなやりきれない作品もある。
四季があるように、嬉しいことも哀しいことも長い人生色々ある。それらを噛み締めて生きていこう。
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メーデーの古本市で購入した。
宇江佐真理の本は初読み。
.時代小説の短編集。
どれをとっても味わい深い人情話だ。
心を込めて作られた「ひょうたん」の根付けを持っている満たされた気持ちを想像した。
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古道具屋を営む、音松とお鈴夫婦の物語。連作短編集。宇江佐真理さんは、終わりそうなところでスパッと終わらせず、余韻の部分を少し長めに書いてくれる。なんだかそこが、おまけのようでうれしくなる。