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構造改革論の誤解
世上行われている構造改革に関する議論には、誤解に基づくものも少なくない。本書ではそれらのどこが「誤解」なのかを明らかにし、正しい処方箋を提示する。
構造改革論の誤解
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構造改革論の誤解
目次
- 序 章 構造改革論の四つの誤り
- 第一章 構造改革の経済学的基礎
- 第二章 構造改革かマクロ政策か
- 第三章 「日本的システム=構造問題」説の功罪
- 第四章 不良債権問題の幻想
- 第五章 雇用破壊は構造改革ではない
- 第六章 日本の「失われた十年」の真因とは何か
- 終 章 政府が真になすべきこと
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紙の本
2002/02/04
2002/02/07 22:16
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投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
「構造改革論とは、思い込みに基づくある種の『妄想』である」と著者らは言う。原因はあまりにも長い景気低迷による心理的ダメージであり、日本が高度成長期以降に払拭したはずの、自らを遅れた者、世界の基準からずれた者と見なす自虐的な心理がよみがえったがごときであると指摘する。
構造改革論者の「財政・金融政策がだめだから構造改革を」という論理は、医師が現代医療(マクロ経済対策)は効果がないからといって加持祈祷をやるようなもの、とまで言い切る。根拠として、経済学者の見地から構造改革論の誤りを具体的に検証する。
まず、構造改革と景気回復には関係性がないと指摘。さらに、構造改革論者がやり玉に挙げる「経済の日本的システムの硬直性」も、長期的な物価下落と失業の拡大という最大の懸案とは無関係であると論じている。
全体として構造改革の賛否を問うのではなく、現政府が力点を置く雇用制度改革などが「的外れ」であるという論理を経済学的に強調している。
不況はあくまでも総供給に対する総需要の不足であり、「マクロ安定化」のためには財政政策、金融政策が基本となることに変わりはない、その実施策を子細に検討することが重要なのだと結論づける。
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