紙の本
冴えない人たちの連作短編集
2023/03/13 16:48
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
冴えない人たちを次々と描いた連作短編集である。どの短編の主人公も何らかの屈託を持っていて、新しい環境に馴染めなく、落ち着き場所を探しているという感じである。どの短編も面白くないわけではなく、不愉快なところもないが、主人公たちのややいじけた感じが読みてにまで伝わってきて、どの短編もスッキリとしない読後感であった。
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1話目読んだ時、「暗っ」って思った。大学生ってこんなだったかって。でも次々と読み進める内に(ちょっとオムニバス的に主人公が変わりながらも脇役で前の話の人が登場したりする)「そうだよな、現実ってこんなだよな」って思った。私は体育会系の部活やってたし彼氏も居たから試合に勝つこととか恋愛のこととか(当時にすれば最大の悩みごとだったけど)毎日どうでもいいことで悩んだり笑ったりして過ごしてきたけど、実際大学生活が華々しいかと言えばそんなことは全くなく、本当は地味で鬱屈したものなのである。そういうのって周りにはわからないものだろうけど。
この話に出てくる1人1人がどこにでも居てそうで同じようでありながらそれぞれなりにいろいろ考えている。みんな愛しい分身のようだ。
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豊島ミホにしては、サクサク進まなかったなぁ~
どうしてでしょう。
冴えない、「選ばれなかった人たち」
が主人公で連作短編?
みたいになってるお話でした。
いつもの豊島節というか、
青春の勢いがなくって物足りなかった。
でも豊島さんはこういうお話を書きたかったんだろうなー
って読んでてすごく感じた。登場人物への愛、みたいな。
活動休止かぁ。淋しいなぁ。
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初めて手に取った作家さんだったけど、なんだろうか、意外と好き。
若干哀愁漂いつつも底の方に力強さみたいなものを感じた。
他の作品もぜひ読みたい。
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神田川デイズは都内のとある大学を舞台にした、主人公が次から次へと変わっていく、長編とも短編ともいいきれない「連作(あとがきの著者のコメントより)」です。
しかも、登場人物のほとんどが何かしらの「コンプレックス」を持っていて、それが絶妙で全体として「妙なリアリティがある青春小説」に仕上がっています。
例えば、最初の「見ろ、空は白む」に登場するいけてない3人組は、大学の明るい雰囲気に馴染めず、同類相憐れむのごとく、半分引篭もり生活を送っていますが、それではいけないと一念発起して「お笑いコンビ」を結成します。
また、「雨に飛び込め」に登場する準は、本当の自分と少し違う『クレバーな俺』を演じようとするも、そんなにうまく行かず自分の中で葛藤を繰り返していく。。。
などなど大学という枠を外したとしても自分の事として経験があったり、同じよな悩みを抱えた友人がいたりと柄にもなく「10代のころ」を思い出してしまいました(笑
設定面での上手さ、そしてネガティブな感情の読み取り方は素晴らしいと思いますが、それ以上に上手いなと感じたのはある人が憧れている人も内容は違っていても同じよな悩みを持っていることをしっかりと描いているところですね。
物語(連作ですが)を通じて、誰が一番ということを強調するのではなく、誰もがみな悩みながら成長している過程描かれているのが、リアリティをより強くさせていると思います。
この例えがいいかちょっと微妙ですけど、人間関係が縦関係の序列じゃなく、円(リング)のようになっている感じですね。
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久しぶりの豊島ミホの作品だったけど、淡々として面白い。登場する人々はいずれも閉塞感を抱いている印象で、その閉塞感を抜け出そうとする葛藤が描かれている。
物語られるなかでは、成功までを見せてはくれないのだけれども、後半の物語には前半の登場人物がチラチラと姿をみせ、なんとなくそれなりにブレイクスルーを果たした感じを漂わせている。
全体的に暗い、鬱屈した物語だけれども、そのあたりの描かれ方が救いになっていると思う。
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ハードカバーで一度読んでいたけど、なにげなく本屋で手にとり、文庫版のあとがきを読んだ.で、あとがきのために、購入してしまった.
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学生時代、それは期限付きで、そこでやってきたこは卒業と同時にほぼリセットされ、そこから新入社員とか新社会人とかとして、また新しい時代を迎える。だからこそ、湧いてくるエネルギーがあったんじゃないかなと、社会人になった今、突拍子もないこと、自分の枠を越えてしまうことがなかなかできない状況で、この本を読みながら考えた。
印象に残ったのは
「生ぬるいフィルター」、「シラフで酔う」、「頑張ってる間は意外と楽」、「選ばれることより選ぶことが大事」etc
こういう短編ものは、それぞれの話につながりがあって、登場人物を違う角度から見られることが楽しいな、と思った。こういうのは好き。
入れ込まなかったからか、入れ込むことができなかったからなのか、評価は星三つ。もっと早く読んでいたら違っていたのかもしれない。最近は、心が少し堅くなってきたように感じる。冷めた心じゃなくて、醒めたこころを。
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若いころ特有の閉塞感を打ち破りたい若者たちの物語。主人公たちは、全体の中では冴えない人間と見られ、また自らもそう思い込んでいるが、何かを変えたいと常に思う気持ちが、未来への可能性を感じる。
若いときってのは、それだけで特権だね。
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「もやもや大学生に贈る」っちゅうかんじでした。短編。だけど、ひとつの大きな大学のなかでの話ですな。だからどっかしら繋がっている。
どれもこれも共感しながらよみすすめました。
飾っていない感じが生っぽくていいなあと思った。
いろんなタイプの人間がどっさりでてきて、こういう人大学にいるよなあ、と度々思えた。
すらすら読める本ですな。
所々にでてくる、おっと思えることばえらびもちょいちょいあって素敵。
それから作者のあとがきを読んで、また読もうと思える作品。「選ばれる」と「選ぶ」ね。なるほどなあ、と。
とにかく大学生のうちに読めて良かったと思えた。でも大学出てからのほうが案外、グッとくるものがあるかもね、な作品。
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なんだかやけにリアルに感じました。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-778.html
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素人が上から目線であえて言いますが、
巧くなったなー 豊島ミホ。
と、そうゆう感じです。
純情エレジーをよんだあたりから感じてたけど、
一皮むけましたねこのお方。
今後が楽しみな作家さんです。
作品自体は、大学生活をおもいっきし謳歌した人にとっては
『あぁ、こんな人もいたんだー』という驚き、
大学生活、なーんもしなかったなーあぁ青春の無駄遣い、な人にとっては、
まざまざと当時の卑屈さとか窮屈さとか孤独とかその他もろもろ、
ありありと手に取るように舞い戻ってくるような作品です。
もちろん、わたしは後者だったので(笑)、
とても懐かしいような、不思議な気持ちになりました。
てかこの人の作品は最初は同族嫌悪的な感じで読むたびにちょっと嫌な気持ちになったけど、
最近は外側から自分を見ているようで面白い。
この人がうまくなったからだろうか、それともわたしが成長したのか。
作家と自分が似てるとか、なんぼのもんやねん、というかんじですが(笑)、
それでもこの人とは考え方とか価値観とかがとてつもなく似ている気がしてならない。
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やっぱり良かった!!
「センチメンタル病」になるほど共感…
裏に隠れている感情の描写に、自分の心まで
見透かされているような気分になった。
けど、どうにもできない無気力な時に読むとすごく
背中を押される感じがあるし、支えられる感じがする。
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ちょっとうーん…最後が分からない。自分は、芽が出るはずだ!!とかいう思考がないから。こんな気持ちなのかなぁ?といった感じでした。すごい早稲田っぽい。ら
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こんな大学生活だったらよかったー
と
こんな生活してたなあ
がまぜこぜになって再現される話。