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自分をつくるための読書術
著者 著:勢古浩爾
生まれついての一部の幸福者をべつとして、ほとんどの人にとって「自分」とは理不尽で納得のいかない存在である。が、嘆いてもしかたがない。むしろ「自分」を発見したときから、「自...
自分をつくるための読書術
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自分をつくるための読書術 (ちくま新書)
商品説明
生まれついての一部の幸福者をべつとして、ほとんどの人にとって「自分」とは理不尽で納得のいかない存在である。が、嘆いてもしかたがない。むしろ「自分」を発見したときから、「自分」をつくりあげていく長い道程がはじまる。それはたとえば、「弱さ」を否定して「強さ」につくりかえようとするのではなく、「弱さ」の意味を問い、それをハガネのような「弱さ」にさらにつくりあげること。読書という、とびっきり地味で静的な方法によって「自分」をつくるという意味はまさにここにある。自分を揺さぶり、鍛えていくための実践的読書術。
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紙の本
「美意識はいまや自分ひとりを律するための個人モラルである」
2005/11/20 13:20
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
初期作品のため、まだ文章も内容もこなれていない。勢古が、本当に生き生きとした文章を書き始めたのは、『まれに見るバカ』(2002年)くらいからだ。この本では、初々しさやムキになって時に論理が破綻したり、本質から離れてしまうような言葉の使用が見られ、のたうち度が高いところが魅力である。
各章の終わりにつくブックリストも首を傾げたくなるものが混じっている。何冊かは、全共闘世代ゆえと思われる選択があるし、文学作品に関しては、私と趣味が違うものが多い。それでもなお、価値あるブックガイドである。読まなければその作品が自分にとって読む価値を持つか否かは分からないし、すべての人が同じ本で同じ感動をしなければならないわけではない。だから、「本を読むのに遅すぎるということはなく年齢制限もない。読みかたは自由である。薪のように一冊一冊自分のために燃やしていけばよい」という意見に賛成である。(ただ、現在の作者がブックリストを作り直すと違ったものになるような気はする。)
この本のブックリストの中で私が真っ先に読むべきと考えるのは、『共同幻想論』吉本隆明である。