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全集 日本の歴史 第15巻 戦争と戦後を生きる
著者 著:大門正克
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。日中戦争前後から、アジア各地や南洋...
全集 日本の歴史 第15巻 戦争と戦後を生きる
全集 日本の歴史 第15巻 戦争と戦後を生きる
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日本の歴史 15 戦争と戦後を生きる
商品説明
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
日中戦争前後から、アジア各地や南洋地域へと侵略するなかで、日本は各地で人びとを動員する。植民地から日本本土へ、日本から植民地へ、生存するために多くの人びとが移動し、また、移動を強いられた。そしてアジア太平洋戦争の敗北とともに、彼らは故郷をめざす。しかし、その道のりは平坦ではなかった。中国大陸では国共内戦が激化し、日本の敗戦前夜からはじまった東西冷戦により朝鮮戦争が勃発、帰る場所を失う人びと。満州にいた日本兵たちはシベリアへ抑留され、一方で米軍統治下の沖縄へは戻れなくなる。彼らへの聞き取りや残された記録を追って、じっさい彼らがどのように戦争を体験したのかを探りながら、あの戦争の実態を描き出す。
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紙の本
切れば血の出る生身の人間史
2009/04/02 08:50
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは1930年から55年にいたる4半世紀をひとつのパッケージとしていろいろな角度から観察した日本(およびアジア太平洋)の歴史です。普通の通史ですと1945年8月15日の敗戦を大きな区切りにしてその前後の断絶に強い光を当て、総力戦から帝国崩壊と一億総ざんげ、ファシズムから民主主義、抑圧の解放から自由、旧弊から改革進歩への躍進、軍国主義の蹉跌から経済成長への道行を論ずることが多いのですが、本書は必ずしもそうではありません。
ここに戦前戦後を貫く一本の電線のようなものを思い浮かべてみると、芯の部分には昔から変わらない人々の生活と生存の固有の様式があり、この中核部分を政治経済社会システムが皮膜のように十重二十重にひしと取り巻いています。そして芯と皮膜の間にはたえず激烈な相互運動が激烈に展開されていますが、著者はこの両者のインターフェースに徹底的にこだわって、双方の交渉と角逐の渦中を生きる人間像をできるだけ具体的に記述しようと努力しています。つまり歴史→人間ではなく、歴史→←人間ということですね。
そこで本書の冒頭に登場するのはこのアジア太平洋戦争と敗戦後の25年間を懸命に生き抜いた15人の日本(およびアジア)人の肉声です。あの戦争と激動の時代を生き抜いた人々の貴重な証言がこの本に精彩を加え、歴史書としての価値を高めているのではないでしょうか。いわばドキュメンタリーの魅力と迫力を兼ね備えた異色の現代史といってもいいでしょう。
広田弘毅内閣が国策として主導した満州移民に対して現地視察を行った結果、五族協和の実態を知って分村移民に反対した村長がいたこと、その満州事変に反対した「東洋経済新報」の石橋湛山が上海事変では一転して日本軍を支持したこと、「死線を越えて」の著者でありキリスト教の社会活動家として著名な賀川豊彦が甘粕に招待されて満州に行き、武装移民を理想的と賞賛し、ついには「満州基督教開拓村」を提案、実行したこと、日本帝国の植民地では日本人と朝鮮人、現地人の間で2重3重の差別があったこと、南京虐殺など中国の戦争の実態を写した村瀬守保、戦後の日本の真実を写したジョー・オダネルの素晴らしい作品、戦争の悲惨さを鮮烈に詠んだ鶴彬の川柳、東条英機の「戦陣訓」の犯罪性、東京大空襲の先鞭をつけた日本軍の「重慶無差別空爆」、日本軍の大陸からの強制連行、1945年2月14日の「近衛講和上奏文」の重要性と昭和天皇の積極的な戦争参画(同年6月22日の最高戦争指導会議の主導、47年5月6日のマッカーサーとの会談)、戦後日本への歴史の贈り物としての日本国憲法と教育基本法などディテールの記述も興味深いものがあります。
時代を大きくえぐり取ることを義務づけられた通史でありながら、硬直した理論に振舞わされず、切れば血の出る生身の人間史としてなんとか55年体制の確立のくだりまで完走できたのは著者の並々ならぬ意欲と力量の賜物でしょう。
紙の本
明日を拓く歴史
2009/03/23 14:31
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:碑文谷 次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年秋に米国で勃発した金融危機は、現在日本の雇用の根幹を揺るがす経済・労働危機にまで発展しているが、本書は記録や聞き取りによって80年前にも経験した世界大恐慌・昭和恐慌時における日本人、在日朝鮮人の生活を詳細且つ具体的に開示するところから始まる。小原昭、高橋千三、ファンヨンジョ等の、無名ゆえに紛れもない典型的な当事者である人たちの経験が生々しく再現され、彼らが満州事変、日中戦争、アジア太平洋戦争(第二次世界大戦)、そして占領下の戦後にどう生きて彼らの家族に何を残したのかが丹念に叙述される。一元的・単眼的に過去を振り返るのではなく、きわめて個人的な史実を一つ一つ丁寧に検証し、それらの積み重ねが歴史を形作ってゆくのだということを本書は真摯に教えてくれる。
例えば、1944年にニューギニアで戦病死した高橋千三の母親(セキ)は、千三に召集令状がきたとき、村長に「千三をオレの子どもだ、と思っていたが、間違いだったス。兵隊にやりたくねえど思っても、天皇陛下の命令だればしかだねエス。生まれたときがら、オレの子どもでなかったのス」と語り、戦病死した千三のために個人の墓を作ったという事実をふまえて、《千三の墓を建てることで、セキは千三を国家と天皇の子どもから、自分と地域の子どもに取り戻そうとしたといっていい。千三の墓を建てたセキの行為に、私は強い意志の芯を感じる。セキの小さな行為は大きな歴史的意味をもっていたのである。》
本書には、その他後藤貞子、陳真、小原久五郎、折居ミツ、高橋忠光、村山三千子、林文荘など、多分他の歴史書には登場することのない先人の生存をかけた経験も豊富に提供され、彼等一人ひとりが「不透明な明日」をどう生きぬいたのかを小さな声で伝えてくれる。いつの世も一寸先は闇であるけれども、とりわけ一段と闇が濃くなってきている昨今、本書は我々に生きる自信を与えてくれるようだ。
紙の本
侵略か、侵攻か、征服か、征討か、それとも進出か
2024/01/30 12:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
青少年向けに多くの書籍を公刊してきた
出版社が手掛けた、本編16巻、
別巻1巻からなる、日本通史叢書です。
第十五巻が扱っているのヮ、
1930年代から55年迄。
電子書籍
侵略なのか、侵攻なのか、はたまた進出なのか
2024/01/30 12:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
青少年向けの多くの書籍を世に送ってきた
出版社が手掛けた、本編16巻、
別巻1巻からなる、日本通史の
電子書籍版です。
第十五巻が対象とするのヮ、
1930年代から55年迄。