電子書籍
蟲たちの家
著者 楳図かずお
▼第1話/蟲たちの家▼第2話/目▼第3話/ロウソク▼第4話/きずな▼第5話/螺旋階段▼第6話/首▼第7話/夏の終わり ●あらすじ/ある日、不倫相手の羽奈子に、妻がい...
蟲たちの家
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蟲たちの家 (ビッグコミックススペシャル)
商品説明
▼第1話/蟲たちの家▼第2話/目▼第3話/ロウソク▼第4話/きずな▼第5話/螺旋階段▼第6話/首▼第7話/夏の終わり
●あらすじ/ある日、不倫相手の羽奈子に、妻がいることを打ち明けた男。彼はさらに「妻は、今はもう人間ではない」と告白すると、いぶかる羽奈子を自宅へと連れて行く。その家はいつも真っ暗で、掃除もされていない室内はクモの巣だらけ。男が言うには、仕事が早く終わったある日、前もって知らせずに家へ帰ったところ、妻が男と密会していて、動転した彼女はクモに姿を変えてしまったというのだが…(第1話)。
●本巻の特徴/男女の心に潜む「恐怖」を描く傑作短編集、表題作「蟲たちの家」ほか全7編! 巻末には、映画監督・黒沢清が綴る「私のUMEZZ体験」を収録。
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紙の本
男と女と蟲との憎悪劇
2008/10/01 12:18
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:helmet-books - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回の内容は「男と女の憎悪劇」
全七作
男と女が愛し合い
その反動でなのか結果憎しみ合うと言う
悲しい憎悪劇をウメズ先生は
ホラーとして描いていた
やはり世界で一番怖いものは
人間であると再認識したと同時に
男と女の憎悪と言うのは
一生かかっても消えないことだってあるのだと
「蟲たちの家」を読んで知った
装丁もばつぐん
やはり祖父江慎さんという
とてもファンキーな装丁家の仕業でした
helmet-books
紙の本
愛の闇
2005/08/09 02:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
デビュー50周年記念出版「楳図パーフェクション」の第三巻で、1969年から73年までに「ビッグコミック」などの青年誌に掲載された大人向けのホラー漫画短篇7篇を収録している。解説は黒沢清。とにかくめっちゃ怖い。めずらしくすべての作品で男女間の「愛」がテーマになっていて、しかしさすがに「恋愛は汚い」と喝破した作家らしく一筋縄ではいかない闇の世界を垣間みさせてくれる。ホラーと言ってもここで描かれているのは心理的というか精神的な怖さであり、スプラッタな描写は抑え気味で不条理な要素が強く、救いもなくひたすら暗澹たる気分に落とし込まれてしまう。制作年代が年代なのでスタイルは非常に古い時代を感じさせるものなのだが、それ以上に楳図かずおの作家的なスタイルが強烈なので作品の強度はまったく落ちていない。やはり天才だ。
紙の本
人間の強い精神活動が時として不思議な現象を引き起こす。
2011/09/22 16:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書に収録のマンガは、人間の強い精神活動によって引き起こされた不思議を描いた作品である。
どの作品も濃厚な叙情の中に不思議な出来事が組み込まれて、深い余韻を残すラフカディオ・ハーンの『怪談・奇談』のような雰囲気が漂っている。
その中でも、殺人の冤罪で死刑に決まり、残り三時間となった男の牢の中に現れたロウソクの不思議を描いた【ロウソク】が気に入っている。
ロウソクに刻まれた、「時間とは感覚にすぎない。生きたということは単なる記憶にすぎないのです」という言葉が、牢から出ることが叶わない男の身に起きた不思議な出来事に強い説得力を感じさせ、命の尽きようとしている男の心が、わずか三時間で救われたことに、深い感慨を覚えた。
以前読んだ『ねがい』よりも、満足感の多い一冊だった。
【蟲たちの家】
嫉妬深く暴力的な夫に不倫を疑われ、夫を恐れるあまり、虫になって夫から逃れようとする女と、そこに起こった不思議な出来事を描いた作品。
果たして、登場人物たちの見聞きしたものは、現実であったのか、それとも強烈な思い込みであったのか。
【目】
たった一度の貞操の過ちを目撃された妻。彼女は、幼い少女からの発覚を恐れるあまり夫に寛大で貞淑すぎる妻となった。
一方、浮気をも許す貞節すぎる妻に、夫は恐怖を感じ始めた。
死の間際、たった一度の過ちを告白した妻に対し、夫が彼女に言った言葉は過ちへの復讐だったのだろうか。
【ロウソク】
殺人の冤罪で私刑の決まった男。刑の執行まで三時間と迫ったとき、彼の牢の中に一本のロウソクが現れた。
男の心を救うロウソクの不思議。
ロウソクがなぜ現れたのか、などどうでもいい。男の心が、ロウソクによってわずか三時間で救われたことが重要なのだ。
【きずな】
男女の深すぎる愛と絆を描いた作品。
結婚を間近に控え、一方が植物状態になったとき、人はどういう選択をするだろうか。
女性の言った、「私が死ぬときに、この人が死ぬのよ」と言える選択をしたいと思うのは、単なる願望だろうか、それとも本心だろうか。
【螺旋階段】
さくらの観客から受けた拍手が忘れられず、本物の拍手を求め歌手を目指す、平凡で花のない女を描いた作品。
人からの賞賛や喝采は、目立つことの嫌いだった女性の心を変えるほど、麻薬的である。
【首】
妻に拒絶される夫。妻の冷たく美しすぎる顔が自分を拒絶するのだ。
夫は妻の首が現れるに違いないと怯え始めた。妻を車で轢き、その首が消えてから。
激しい拒絶が人の肉体に起こす不思議を描いた作品。
【夏の終わり】
ある夏の日の出来事を起点に、惨めな人生に転落し、あの日に戻りたいと願う女を描いた作品。
人があの日に戻ってやり直したいと思うのは、その先に希望があるからだ。
もし、それがなくなったとしたら。