紙の本
主人公のダメ人間ぶりが好き
2015/11/13 14:25
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投稿者:みかんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のセバスチャン。
犯罪心理捜査官としての能力は、優れているみたい。しかし、人間としては自己中で利己的で、他人に対して思いやりのかけらもなく、仕事もヤル気なし。
と書くと、ただただダメ人間のような主人公セバスチャンですが。
そんな風に、人生を捨て鉢に生きるようになったのは、過去に深い深い哀しみを経験したからなのです。
たぶん、現実に身近にいたら、絶対イヤなタイプ、許せないタイプのセバスチャンだと思うけど。でも人間、生きることが苦痛でならない時もあり。セバスチャンくらい人生も周りの人間も捨てきって生きられたらな、とうらやましく感じるところもある。
何歳になろうと、周りにどう思われたようと。
ひたすら自己中に生きる主人公セバスチャンが、なんといってもこの作品の醍醐味だと思います。
紙の本
セバスチャン・・・役立たず度は前作以上
2016/09/09 03:19
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは買って比較的すぐぐらいに上巻を読み終わったのだが下巻が見つからず(未読本の山に埋もれていた)、見つかったときにはすでに別の本を読んでいたので後回しとなり、その結果また埋もれ、「そういえば・・・下巻読んでなかったな」と思い出して最近発掘。 一年越しに(もっとか?)無事読み終えました。
『犯罪心理捜査官セバスチャン』のシリーズ二作目ながら、一作目ラストで判明した衝撃(?)の事実を引き継いでのスタートなので、これは一作目から読まないと大変まずいパターンです(作者がテレビシリーズの脚本家でもあるので、シーズンラストのクリフハンガー理論をこの作品にも応用している模様)。
出張から帰って来た夫が見つけたのは、無残に殺された妻の姿。 それだけだったら殺人捜査特別班が呼ばれることはない。 その犯行現場の状況は、かつて犯罪心理捜査官として全盛期だったセバスチャンがつかまえた連続殺人犯エドゥアルド・ヒンデの手口に酷似していた。 だが現在ヒンデはレーヴハーガ刑務所で服役中。 犯人はただの模倣犯なのか? ヒンデ本人は関係しているのか? 前作で判明した理由のため、また殺人捜査特別班に入りたいセバスチャンは、渋るリーダーのトルケルに「ヒンデを誰よりも知っているのはぼくだ!」と主張して捜査班に加わろうとし・・・という話。
「これ、このままテレビドラマ化できるんじゃないの?」という登場人物たちのキャラだち振りがこのシリーズの魅力でもあり(特に末っ子キャラのビリーに恋人ができて、彼女の言いなりなのにそれを自分の成長のためと受け止めているのがかなしい)、タイトルで<犯罪心理捜査官>と書かれているセバスチャンがいちばんの役立たず(捜査官としても、人間としても)なのが逆説的な皮肉なのか?、という感じ。 しかも前作で地元のダメ刑事として登場したハラルドソンが、現場から異動になって(させられて?)、例のレーヴハーガ刑務所の所長になっていたりして、「うわっ、またなにかやらかすよこいつは!」という悪い方の期待を裏切らないという・・・読者サービスが過ぎます。
上巻でいったん止まってしまったのは、実はそこで一段落しているから(ある程度全容に近い部分まで見えていた気がしたから)。 しかししばらくぶりに下巻から読み始めても、「あ、そうだったそうだった」と上巻を読み返すことなく進めたので、ストーリーもキャラたちもこっちの記憶に入り込んじゃった、ということでしょう。
ヒンデは頭脳戦にたけたシリアルキラー、という、よくある「レクター博士を小物にした感じ」ですが、彼とセバスチャンの因縁はいいスパイスでした。
前作では最低人間でもそうなった理由につい同情を禁じ得なかったセバスチャンですが、今回はダメ度が前作を上回り、「なにやってんだこいつ、バカだな」と終始徹底して思われる役回り(もはやコメディリリーフか、というくらいの)。 “紺屋の白袴”というか、臨床心理士(あれ、精神科医だっけ?)のクセに自分のことはどうにもできないというのが逆にリアルなのかも。 でもほんと、近くにいたら迷惑・・・。
そして今回もハロルドソン並みの新キャラが登場し、次作で大波乱を起こしそうな気配で終幕・・・またしてもクリフハンガーかよ!、とぼやきたくなる。
原著はシリーズ4作目まで出ているので、早く3作目の邦訳をよろしく!
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四件の殺人事件の被害者全員が、過去にセバスチャンと関係をもっていた。犯人の狙いはセバスチャン本人なのか? スウェーデンで人気の脚本家コンビが放つ、シリーズ第二弾。
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1作目よりも面白い。はるかに面白いと言っても良い。1作目の最後の一撃で明らかにした事実をこの2作目では発展させ、メインの事件(主人公セバスチャン・ベリマンが過去に逮捕したサイコキラーが登場する)に密接に関わらせて物語が進む。さらにセバスチャンと殺人捜査特別班の面々の人間関係とそのドラマが加わって、上巻はクスクス笑いながら読み、下巻は一気読みせざるを得ないサスペンスが盛り上がる。
作者のミカエル・ヨートとハンス・ローセンフェルトは脚本家出身。今回も最後をさらに続きが気になるエピソードで締めくくっているのはテレビの連続ドラマを思わせる。テレビドラマ的というと、悪口にしかならないのが普通だけれど、この2人の作者はそのメリットを上手に取り入れて長い物語として構築していくつもりのようだ。だからこのシリーズ、必ず1作目から読まなくてはいけないし、2作目以降は物語の細部を紹介できない。3作目と4作目を早く読みたい。
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一気に読破。何となく展開が読めてしまうがそれでもおもしろい。
最後の大物対決はもう少しいろいろあるかと思ったけど。
次作への伏線があって楽しみ
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面白さは前作の方が… 読むのに珍しく時間がかかったですよ、セバスティアンのムチャクチャさがかなり弱いようにも… 最後に、次回作に繫がるように作っているところは上手いですね 犯人の異常さ、もう少し細かく描写してほしいところですね 前作の方が面白かったように思います
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シリーズ2作目。
前作で明らかになった事が今回の重要なキーポイントとなっている為、1作目から読んだ方が良いかと思います。
かつてセバスチャンが逮捕したサイコパスの殺人鬼・ヒンデの模倣と思われる連続殺人が発生。
今作もセバスチャンは無理やり捜査チームに参入しようとするのですが、今作ではセバスチャンは仕事を得、人生を取り戻そうとあがいています。
悲しみの底から這い上がろうとする姿には、傍若無人な過去を分かっていても応援したくなる。頑張れセバスチャン!
が、せっかくセバスチャンが前向きになったその矢先に、これまでの軽薄な行動のしっぺ返しを食らうような状況に陥りなんとも歯痒い。
サイコパス殺人鬼とセバスチャンの対決という状況にはワクワクしましたが、捜査チームやハラルドソンが甘すぎてちょっと物足りなかったです。
とはいえ、セバスチャンが孤立し追い込まれていく様はもどかしく、終盤の攻防は手に汗握りつつも、切ない。
セバスチャンの株が上がる一方で、捜査チームなどの面々の印象は大変悪い。周囲の人間はセバスチャンを無法者と責めますが、おまえたちも大概だよ、と思わずにはいられませんでした。
このシリーズは事件を通して登場人物たちを描いた群像劇ですが、今のところキャラクターに比重が置かれているように思います。警察小説の重厚さも個人的にはもっと欲しい。
しかし、次作に向けての布石も打たれ、続きが気になる終わり方。
ほっと一息ついたところで、雲行きが怪しくなる緊迫感に期待が膨らみます。
そして、ダメダメだけれどもなぜか憎めないハラルドソンは今作でもいろんな意味で大活躍。彼が今後どうなってしまうのかも気になるところです。
新たに登場したエリノールは不気味で強烈なキャラクターでした。果たしてセバスチャンの救世主となるのか、疫病神となるのか。
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スウェーデン、犯罪心理学捜査官セバスチャンシリーズ早くも2作目。もう文句なしの面白さ。でも、それぞれの登場人物に安定感を求めてはいけない。セバスチャンは相変わらす自己中心的で性格悪いし、ヴァニヤは頑固で負けん気が強い。他の人たちもそれぞれ厄介事を抱えている。
さらに今回の犯人は手強い。2作目でもうこんなの出していいの?と思うくらい、セバスチャンを追い詰めていく。次作も楽しみ。
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セバスチャンシリーズ第二弾。主人公が以前捕まえて服役中の連続殺人犯と同じ手口の事件が次々に発生し、「これは俺が加わるべきだろ」と捜査チームにまたまた無理矢理参加して事件を解決する話。一作目よりおもしろかった。人間関係も緩和したりしてほほえましい。
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軽くさくさく読めるんだけど、犯人のサイコパスっぷりとセバスチャンとの因縁が伝わってこない。
いや、そこが深く書かれたらこう軽くは読めないってのは分かるんだ。
分かるんだけど、そちらの方が好みなのでどうしても点が辛くなってしまう。
そこをカバーする疾走感がもっとあればとも思うんだけどな…。
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快調のシリーズ2作目、後半。
連続殺人犯ヒンデの模倣と思われる事件が起きる。
セバスチャンがかって心理捜査官として犯人を割り出したのがヒンデだった。
被害者の共通点を探していたセバスチャンは、とんでもないことに気づく‥
この事件はセバスチャンの関係者を狙っていたのだ!
もともと女性関係が多いというか、独り寝が苦手で次々女性を口説いては別れてきたセバスチャンだが、行きずりのつもりだった相手エリノールが何も求めない性格で、ふと安らぎを覚えます。
仕事と人生を立て直そうと、彼なりに真剣に考え始めていました。
ところが、自分のしでかした旧悪がしっぺ返しをするように、彼の前途に立ちふさがることに。
警察サイドの人間関係も濃厚。
ウルスラの夫婦関係や、ビリーの仕事意識の変化が起きたり。
セバスチャンは生真面目な若い女性刑事のヴァニヤに嫌われながら、何とか組んで仕事を続けていきます。
そして、囚人から事件解決のヒントを得ようとする刑務所所長は?
脚本家らしく、スリルと見ごたえのあるシーンで盛り上がります。
ひねくれ者セバスチャンがけなげな決心をすることに‥
満足な読後感でした。
問題解決と思いきや、さらなる火種が点火されるところで以下は次の作品!となります☆
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セバスチャン4冊一気読み。
登場人物は、主人公の心理学者セバスチャンを筆頭に、友達にはなりたくないタイプの人間ばかり。
が、そこがまた面白かったりもする。
物語は映像的で、飽きさせない。
ハラルドソン(だけではないが)のその後が気になって仕方がない。
続きの翻訳を楽しみに待ちたいと思う。
装丁がステキ♪
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【殺害された女性たちには、1つの共通点があった。しかしその発見は、捜査班に不穏な空気をもたらすものであった。全ての鍵を握る男・ヒンデにアプローチをかけるヴァニヤたちであったが、セバスチャンは彼に危険を感じていた。そして不穏な動きを見せるヒンデの狙いとは……。】
誰が犯人なのか……と思ったら、下巻の序盤で明らかになります。今回は前作のような、犯人当てミステリーではなく、次に何が起こるかわからないサスペンスになっています。
前作の皮肉や冷静さはどこへやら。今回のセバスチャンに余裕はまったくありません。ある人を守るため、なりふり構わず奔走します。しかし、その人に思いは届かず……。この苦しみが彼への罰なのか。
前作とは全く異なる展開を見せる第二弾。ラストの波乱の展開に備えよ!
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上巻で、犯人と主人公をつなぐ糸が明らかになる辺りまでは緊張感があった。だが下巻は捜査側にあまりにもミスや失態が続くため、読んでいてストレスが溜まる。特に、主人公やヴァニヤが捜査官として能力が高いように思えないのも困りもの。
次作へのヒキは上手い。
俗に言う北欧ミステリとしては、社会問題と関わる要素が薄いので、舞台はどこであってもいい感じ。日本でドラマ化されても驚かない。ただこれ程の浮気と不倫のドミノはありえないかなあ…
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今回も面白かったー
あまりに子供っぽい思考のヴァニヤにちょっとイライラしてしまったけれど、今回も振り回されて楽しかった。事件も、別の問題も、ハラハラしまくった。