電子書籍
東大合格生のノートはどうして美しいのか
著者 太田あや
あの「東大生ノート」が、まったく新しい発想でまた出現!話題の『東大合格生のノートはかならず美しい』の意外な展開の第2弾。ノーベル賞受賞者の受験時代のノートなどを大公開!※...
東大合格生のノートはどうして美しいのか
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東大合格生のノートはどうして美しいのか?
商品説明
あの「東大生ノート」が、まったく新しい発想でまた出現!
話題の『東大合格生のノートはかならず美しい』の意外な展開の第2弾。ノーベル賞受賞者の受験時代のノートなどを大公開!
※電子版では、一部記事(「文豪のノートも美しい?」)など、掲載されていないページがあります。
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紙の本
整頓されたキャビネットのようなノートたち。
2009/09/16 16:42
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る
『東大合格生のノートはかならず美しい』を書かれた
太田あやさんが続篇として書かれたのが本書である。
どうして美しいのか、と「美しさ」を自明のことのように
決めてしまっているタイトルとハテナをもじったような印象的な
表紙に惹かれて手に取った。
実は、身近にいる東大卒のひとを思い浮かべていた。
実に頭脳は切れ博識で、はじめてのことについても
いざ調べよう学ぼうとするとものすごい馬力を発揮する
……その凄さには舌を巻くことも多かったのだが
実際彼がきれいな板書をして、こまめにノートをまとめてきた
とはちょっと思えなかったりしたのだ。字もおよそ読めないほど美しくもなく。
だから
ノートのきたない東大生だっているんじゃないの?とか
きれいなノートだったとしてもビジネスマンになったとき
どう関係してくるの?とか
まとめている時間って効率的にもったいなくないか?とか
疑問満載で読み始めたのだけれども
本書は、前著刊行後に寄せられたそうした39の質問に対する
Q&A方式でぱらぱらめくって、拾い読みしてもわかりやすい
つくりになっている。
(さすが元ベネッセの方だと妙なところで感心)
カラー図版が豊富で、しかも、東大生VS京大生のノート対決
(比較したノートの図版や、互いへのインタビューコメントまで)
元東大生(帝大生)の文豪のノート、草稿の比較と傾向の考察が
あったりと興味深い。
――目次はこんな感じ。
第一章 東大ノートにおける美しさとは?
第二章 東大ノートだけが美しいのか?
第三章 東大ノートを”しごと”に活かせるか?
―― ―― ――
多くの場合、個人的に成功したノウハウが中心の類書に比べ
圧倒的な図版の比較と、ノートの書き手たちへの取材が魅力的。
即この瞬間から授業や受験やビジネスに活かせる…かはともかく
そのノートと美しさと、その佇まいや姿勢に現れているノートの
書き手の想いが丁寧に余さず取材されていて、すっと腑に落ちてくる。
我が子のノートがきたないんですけどどうしましょう。みたいな
質問へのヒントにもなっている。
(そういう方には、まず一度実際に本書のノート図版を見せてみる
ことをお勧めする)
読後に感じたのは
やはり東大の入試というのが非常に膨大な問題数を誇るもので
一瞬一瞬で過去に身につけてきた学習のなかでも
知っているかいないか、解いているかいないか、そして
すべてを血肉に代えているかいないかという点で
厳しく合否が分けられていくものなのだということ。
その環境こそがこうした美しいノート群を生んできたという
事実である。
なんだ結局詰め込みじゃないかというのは容易い。
けれども変化の多い現代にあってもなお、新しい技を身につける
必要が生じたときに、さっと膨大な知識を新たに蓄える基礎力が
若々しい時期からモノになっているひとは、きっと強い。
膨大にインプットしているところからこそ、思考もたくさん生まれて
くるのだろうし
整然としているということは、つまり無駄なく出し入れできる
キャビネットを脳内に蓄え、手許にはノートというかたちでいわば
外部装置みたいに持っているのかも??
柔軟で自由な印象のつよい京大生のノートや京大生気質との
コントラストもまた面白かった。