紙の本
緩急のついた、楽しい一冊
2015/08/29 10:31
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく楽しく読んだ。無駄にイケメンな主人公が東京から逃げるように越してきた小豆島で色々な人と出会い、様々な事件も起きる…、というと何だか平凡そうになってしまうが、そんなことは全然ない。次から次へと思いがけないことが起きるから飽きる暇が全くなかったし、登場人物たちが個性的でおもしろい。特に山本さんというおじさん、最初は主人公の働き先で不愛想な態度をとっていたけれど、話が進むにつれどんどんはじけた一面を見せるようになり、話の展開にも大きな影響を与える。こういう人物がいるのといないのとで話の奥行は全く変わる。
何よりよかったのは、ユーモラスあふれる書き方。時にコメディかと思うほどのおかしさで、けれど決して下品になることはない上質な笑いを伝えてくる文章は、ものすごくインパクトが強かった。傑作は、自殺しようと決意した主人公が島から島へ逃げるのを、隣人女性と山本さん、山本さん兄弟らで追いかける場面。シリアスなのに笑える…。
読み終わった後、色々な場面をもう一度読み返したくなった。
紙の本
ありきたりな
2021/05/08 11:29
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありきたりなストーリーに、いくつか奇抜な設定を施した作品かと。
離島って、簡単にそういう物語の舞台になりがち。
なんというか中途半端。
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デビュー作のお父さんと伊藤さんで、いいなと思い楽しみにしていた二冊目の著書の舞台は小豆島!
わたし小豆島大好きです。小豆島だけでなく瀬戸内海の島々、主に豊島がでてき、直島やら犬島、男木島も名前が出てきたりとその土地を旅したものからするとなんか嬉しくなる!
さてさて。ムダにイケメンで物静かな秋彦は東京から訳ありで小豆島で暮らすことになった。メルマガミネコに週刊誌のごとく追われ笑、島の生活に不満を持つ真奈美と、結婚やら恋愛を諦めた言間子とのごたごたに巻き込まれながらも秋彦は過去を消化できずにいて、そこに東京からこれまた美少女と以外形容できないくらいの秋彦の娘の遥がやってきて大波乱。
文字通り生死を彷徨いハッピーエンド。
という普通な話だったけど、感情移入しやすいし、本物の悪い人がいないってのがいいよね、みんな憎めない。島特有のコミュニティーの描写とか。(でも小豆島って大きいからあんなに島の中の人外の人とかなさそうな気がしたんだけどな)
そこそこに面白かったです。この著者はセンスがいい。じわじわくるような、そう、メルマガミネコのババアとかね笑。そのセンスに次回作にも期待します。
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スピーディなドタバタが面白くて一気に読んだ。秋彦の駄目っぷりには読んでいてため息が出るほど。しかし、誰の人生でも一度は何かから逃げたくなる時ってあるよなと自分の体験を思い返した。
島の住人のキャラクターが個性たっぷりに面白く、山本さんとミネコがもっとでてこないかな?と楽しみにしながら読み進めた。中でも気丈に振る舞う遥が、とてもかわいそうで秋彦しっかり!と何度も歯を食いしばりながら読んだ。
読みながら何度もクスッと笑った。全部明るい話というわけではないのに不思議。
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傷ついてバラバラになった心を透明なガラスで覆って必死に自分を保っている遥のその姿に胸が痛む。そして遥をそんな風にしてしまった秋彦の不器用な愛情も切ない。
そんな2人と、同じように傷付いて島へと逃げて来た言問子の3人を救ったのは島の自然とおせっかいな島民たち。そんなに簡単に修復される関係ではないのだろう。多分もっと時間をかけてきちんと向き合っていくべきものなのだろう。でも、でも、島の持つ力を信じたい、と思う。傷付いた心を包み込みその傷と正面から向き合わせる、そんな島の力を信じたい、そう思った。
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神がかり的なイケメンなのに、どんくさい秋彦をめぐる叙述がところどころくすっと笑えます。
著者の笑いのセンスは、私は好きです。
ほのぼのした話かと思いきや、先が気になって一気読みしてしまいました。
違和感があったのは、遥が大人びてすぎて、小学生とはとても思えなかったこと。
親の不倫による傷つき方がもう少し小学生目線の方が、よりリアリティがあったように感じました。
物語の中にラインも出てきて、今時の小説なのを実感しました。
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秋彦を「傷心ワケありのイケメン」って悲劇っぽく描かれてるけど、不倫をして家族を裏切ったのは秋彦なのに。そんな大胆なことしたクセに、頼りないし、はっきりしない。何だかイメージが掴みづらい人物像だなぁ。
仕事で長期間海外に行くからって・・・遥を預けるのに連絡一つ寄越してこない元妻もちょっとヘンじゃない?遥ってまだ小学生だよね?それをポイッと丸投げ?帰国の連絡も突然で、遥に東京に戻ってこいと一方的だし。普通なら、いくら別れた相手でも事情を話して「いついつぐらいまでお願いします」ってなるんじゃないかなぁ。非常識だなぁ。そういうのって子供の教育にも良くないと思うんだけど。
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東京から小豆島に移住して働きはじめたイケメンの秋彦とやはり訳ありで移住してきた言問子が主人公。別居していた秋彦の娘が島にやってきたり、地元の家族も登場する家族小説。
メルマガババアには笑いました。
前作の「お父さんと伊藤さん」も好きでしたがほのぼのとしていいです。
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イケメンなのになぜだか弱気。そんな主人公に親近感がわく。
舞台は小豆島。目の前に海がみえてくる、そんな作品。
かなりシビアな問題もあるけど、ほのぼの感いっぱい。ほんわか元気になれる小説でした。
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前作が好みだったので、こちらも手に載ってみました。家族や島の人たちとのつながりを描いたドタバタコメディ。
秋彦の頼りなさや情けなさには多少うんざりしますが、細川や山本さん、言問子さんに存在が良かったかな。島の疎外感だったり、家族の閉塞感だったり、シリアスな部分もあり、様々なことがあるけれど、基本的には悪い人は出てこない。秋彦と遙の親子関係に、イケメン秋彦を狙う主婦。ちょっと気になりはじめるお隣さん。様々な思惑の中で、島の人たちみんなで二人の関係をよくしていこうとドタバタしていく様子は読んでいて面白くて、読後も軽かったです。
タイトルのおまめごと、読んでみて、なかなかいい言葉だなと思いました。生真面目でまめまめしく…そんな意味なのに、とてもかわいらしい言葉だなと思いました。
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人目を引くほどのイケメンなのに、気弱で不器用な主人公・秋彦。都会でのあれこれに疲れ、友の故郷である小豆島に職を得てやってきた。
自分がイケメンであることを自覚しており、そのために注目されるのが厭で大きなマスクで移動する秋彦は、普通だったらなんというイヤミ!となるところなのだろうけど、きっとそれでこれまで不本意な思いを多々してきたのだろう、と思うと、それはそれで大変なんだろう、と思えるところが可笑しいというか、頷けるというか。
実際、彼の新しい職場では女性陣が俄然、色めき立ち、また、ほんのちょっとの出会いでさえも、さざ波が立つ様子なのがわかる、わかる、なんて。(#^.^#)
島での彼を巡る人情悲喜劇や、突然やってきた彼の小学生の娘など、それぞれ面白くは読ませてもらったし、また、彼と同じく東京からやってきて小豆島に住み着いたアラフォー女性がその生活をおままごとのようだ、つまり、いいとこ取りというか、地に足がついてないというか、と島の女性から非難されるくだりには納得できないながらも、ある一面を突いているところはあるかも、なんてちょっと立ち止まって考えてみたり。
ただ、そんな秋彦の都会でのトラブルとは、
ネタバレです。
言ってしまえば彼の不倫。
気弱なゆえにしっかりした妻に押し切られて結婚した後、自分の半身ともいえる人に出会って・・・というエクスキューズは用意されていたけど、それでも大人として、妻や子どもへの愛情や責任をないものにしていいということにはならないと思うんだよね。
面白いところも多かった小説なのだけど、そこのところが引っかかって今ひとつ楽しめなかったところはあるかも。
秋彦は私の中では斎藤工に変換されていて、そのイケメンぶりは堪能させてもらいましたが。汗
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瀧羽麻子さんに続き、こちらの著者の作品も初めて。うーん。主人公となる男女、特に逃げるように小豆島へ渡って来た"超イケメン"という設定の秋彦に全く魅力を感じない。その娘である美少女遥や、三匹のおっさん的(?)山本さん兄弟はなんだか出来過ぎでとにかくキャラクターばかりが強すぎる感じ。秋彦の過去の浮気とその相手の死についても茫洋としていて...唯一、島から、そして家庭から逃げ出したい主婦・真奈美にリアリティがあった気がする。
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無駄なイケメンと言われてしまう秋彦が、
友人を頼って小豆島へ渡ってくるところから始まります。
東京での過ちから、二度と恋はしないと決意していても、
家庭に不満だらけの主婦に追いかけられてしまったり…。
それが、整いすぎた容姿のせいなのか、
その優柔不断で情けない性格のせいなのか…。
共感はできなくても、なんか憎めないひと。
それにしても、娘の遥が小学生というには無理がある。
父親が頼りなくて、しっかり者にならざる負えないのはわかるけれど…
そして、秋彦は東京であったことのすべてを、今、遥に話す必要があったのかな?と。
遥がもっと成長して、自然に受け止められるときまで待ったほうが…とかね。
まあ、結果として遥が”逃げちゃダメなんだ”と、
父親の心を理解できたからいいのかもしれませんが…。
同じ後悔を抱え島に来た言問子、
秋彦をフォローしてくれる友人忠興、
不愛想だけど情に厚い山本のおじさん。
”イケメンなのにどんくさい”秋彦のギャップが、
つい助けてあげたくなっちゃうとこなのかな~
”おまめごと”って響きが、とてもかわいいいです♪
棚田の美しさが印象的で、いつか訪ねてみたいです。
ちょっとドタバタ感はありましたが、楽しく読めました。
メルマガ・ミネコが笑えた~。
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パニック障害持ちのアラサーイケメン、恋と結婚を諦めたアラフォー女性、家庭から逃げたいアラサー主婦の3名が香川県の小豆島で繰り広げる、ドタバタな作品。まさにイケメンはつらいよ…状態である。秋彦がもっと、しっかりしてればなーとイライラしっぱなし。どちらかというと『お父さんと伊藤さん』の方が好き。
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小豆島が舞台のいやしの物語。優柔不断で意気地のない主人公にはイライラさせられるのですが、周りを取り巻く個性的なキャラ達に救われます。近場なのにまだ行ったことのない小豆島、是非とも行ってみたくなりました。