紙の本
心が震えた
2020/02/13 23:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
心が震える、という言葉はこの本のためにあるんだろう。特期生と呼ばれる少年少女たちが集められる水光舎の四季を巡る話。春、夏、秋、冬の特期生が互いに顔を合わせることは(原則)ないけれど、それぞれの季節はリンクしていて「これが日誌に出てきた(秋)か……」などと発見があるのが面白い。読了後にもう一度文庫の裏表紙のあらすじを読むと、その意味がよくわかる。「見つけたよ、僕らの居場所を。カラマツの葉が金の雨のように降り注ぐ地に、それはある……」伏線が至る所にあるので、もう一度読みたい。
紙の本
季節の巡りとともに
2020/06/30 11:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
4人の少年少女たちが起こす、小さな奇跡が神秘的です。成長とともに不思議な力が失われていき、やがては大人になっていくような予感もありました。
投稿元:
レビューを見る
癒し系のライトファンタジー。
季節ごとに主人公が交代してそれぞれの季節に起きた出来事が語られる。奇をてらったところはなく、どれも青春小説としては王道のストーリー。
投稿元:
レビューを見る
表紙のあたたかさ、タイトルの字面のよさに惹かれて読みました。ざっくり言うと学生寮もの。
植物と会話できたり、絵に魂を込められたり、いろんな力を、言い換えれば才能を持った子どもたちが一季を過ごす、水光舎での日々に触れられます。
水光舎で力を活かした仕事に従事することで、登場人物たちは力と折り合いをつけたり仲間となかよくなったりしていきます。その暮らしが、豊かできらきらした水光舎を囲む自然描写とともに描かれていて、この本にはやさしい四季が宿っているなあと思いました。
一番好きなのは夏。水光舎では春夏秋冬一季ごとに生徒が入れ替わるので、春の生徒は夏の水光舎にはいられません。その障害を乗り越えた恋のゆくえ、水光舎の女の子たちの結束力にぐぐっときました。
書かれている以外にももっといろんな仕事の子、それぞれの季節があるので、ほかの子の話も読んでみたくなりました。
表紙はまほちゃんかな?
投稿元:
レビューを見る
植物の声を聞いたり、柄が動き語りだしたり…人とはちょっと違う特別な才能をもった12~18歳の子どもたちを四季ごとに集め、その才能の生かし方を学ばせる“水光舎”。子どもたちの成長物語としては面白かったです。が、水光舎の運営体制とか現実的ではなく引っ掛かりました。いくらなんでも吹雪で閉ざされてしまった中、肺炎になった生徒を生徒が犬ぞりでたった一人で下山させるか?とか。そういう点に目を瞑ればしみじみと感動的な良い話ではありました。
投稿元:
レビューを見る
サマースクールまで読了。各主人公の心情が丁寧に書かれており、読者の自分までもがその気持ちを味わえる。特にスプリングスクールの潤也は、自分と似たような性格のため、読むのが苦しい場面も多々あった。また、サマースクールのワスレナグサには(後から調べて)感動した。作者のこういった粋な描写には感動を隠せない。
1/13 読了
四季が移ろい、人と人との繋がりもまた移ろっていく。心やその存在が不安定な少年・少女が、水光舎の中で、沢山の友人や幾ばくかの大人たち、そして自らの能力やそれによって生み出される可能性の中で、確かな存在へとなっていく。読者である私もまだまだ若輩者ではあるが、この物語を通して少し成長するきっかけをもらえたような気がする。解説でも書かれているが、水光舎は理想郷であり、現実にはこんな世界は無いのかもしれない。だが、私たちは追い求めて止まない理想郷を、せめて小説の中にだけでもそれを求め、読者としてその中の空気や営みに触れ、心の滋養として蓄えていくことは素敵なことなのかもしれない。これを読んで私はそう感じた。
投稿元:
レビューを見る
どこかなつかしさを感じる。
透き通った文章に四季に応じて移ろうカラマツの森の
描写が繊細で景色が目に浮かぶよう。
未完成だけれども、それでも前に進んでいこうとする未熟な人たちの止まり木のお話。
投稿元:
レビューを見る
特殊能力を持つ子どもたちが四季のワンシーズンだけを水光舎と呼ばれる寄宿舎で過ごしながら、それぞれの能力や自分自身を成長させていく。
四季の自然の美しさや、動物や人との関わりがとても瑞々しく丁寧に描かれています。
「秋」の物語がとても切ない。
水光舎を卒業した後、この素晴らしき日々に囚われずに生きるのってなかなかつらそうだけど、きっとそれは彼らの能力が助けてくれるよね。
世界はきっと美しい。
投稿元:
レビューを見る
すこし珍しい力を持つ少年少女を季節ごとに入れ換えて集める寄宿舎の物語。
初めての不安も、出会えない恋も、普通は見えない別れも、困難の先の希望も、やわらかく描かれている。
四季の移ろいと、繋がってないようでしっかりと繋がっているバランスが素敵。
書評でヤングアダルトとして紹介されていたのに納得。特別能力があってもなくても多くの人が抱える若い不安を丁寧に書いていた。
表紙の子は誰かなー誰でもいいかなー、なんて。あと帯の文句もかわいらしくて好き。
投稿元:
レビューを見る
超ファンタジーだけど、きっと誰でも共感できる部分があると思う。
自分にできること、できないことを知って、受け入れるのはすんなりできることではないけど、出来たときにちょっと成長できる。そんな瞬間が細やかに描かれている。
投稿元:
レビューを見る
ファンタジーっぽい設定は『月のさなぎ』っぽいけど、雰囲気とかはむしろ爽やかで明るいし、でも思春期のやや陰鬱な感じは『生者の行進』ぽかったですね。
義姉にひそかに憧れる弟の叶わない系近親相姦ねたも含めて。
でも全体通して、穏やかで優しい雰囲気だったな~~。中高校生にオススメしたいな。
投稿元:
レビューを見る
特殊な能力を持つ少年少女たちが集う寄宿舎水光舎でのお話。透明感のある文章で、どの季節のお話もよかったです。
投稿元:
レビューを見る
能力を持つ子供がそれぞれ職業名を振られて、四季ごとにメンバーが入れ替わる寄宿舎での話
表紙の絵のまま、優しいお話。
自分の持つ柔らかな部分に届いてくるような綺麗さ
私は秋の、霊能者?の話が好きです。
友人の引越しで、別れを経験したところだったので色々共感しながら読んでしまいました。思わずホロリときた
投稿元:
レビューを見る
特期生(特別能力期待生)と呼ばれるささやかだけど人とは違った能力を持った少年少女が18歳まで毎年1年のうち決められた季節、3ヶ月間「水光舎」に寄宿し成長する物語。
春の不安定な新入生の成長から始まり、夏、秋、冬とそれぞれの特期生の成長が描かれています。彼らの成長の話も変化に富んでいて惹きこまれました。夏、秋の話が特に好き。
素敵な描写がいろいろ散りばめられていて良かった(四季それぞれの自然風景や、人物の感情描写など)266Pとか描写うまいなー好きだなーと特に思った。
投稿元:
レビューを見る
信じるより疑う性質が強い私ではスプリング・スクールのような展開にはたどり着けなかった気がして恥ずかしくなりました。サマー・スクールには涙腺直撃くらって年甲斐もなく涙ぽろりしました。宮沢賢治の世界っぽいなあと思ったらあとがきで納得。