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原始人
著者 筒井康隆 (著)
男は“獣欲”を満たすために棍棒を振るって女を犯し、“食欲”を満たすために他者の食物を強奪して殺す……。“弱肉強食”時代の人類の始祖・原始人の欲望むき出しの日常を描いた衝撃...
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原始人 (文春文庫)
商品説明
男は“獣欲”を満たすために棍棒を振るって女を犯し、“食欲”を満たすために他者の食物を強奪して殺す……。“弱肉強食”時代の人類の始祖・原始人の欲望むき出しの日常を描いた衝撃の表題作をはじめ、束縛されることのない異様な社会を描いた「アノミー都市」、次々と不運に巻き込まれる男の物語「おれは裸だ」など独特の筒井ワールドな作品に、小説という枠を超えたメタ小説ともいうべき「怒るな」「読者罵倒」「筒井康隆のつくり方」を加えた、元気の出る作品13篇を贈る。
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紙の本
ナマの無意識状態の活写
2002/06/23 22:45
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:へてる - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見筒井さん特有のスラップスティックに読めますが、最後になって仕掛けがわかります。それ以来彼の意識はずっと途絶えたままである。そこにこの小説の秘密があります。原始人という本能、現代風に言えば無意識の塊がまさに食う寝る犯すの生活を送るのですが、その中にも幼い愛情が芽生えていたり性欲のねじれがあったりイドの世界を忠実に描いています。意識のない無意識の状態、ロウ無意識ですね。そしてその無意識が途絶えることにより原始人の状態は永久にとざされ、現代人の無意識さえ意識に侵食されている状態にもどらざるを得ないのです。一種のユートピアをブラックユーモアに包んだ小説です。