紙の本
期待したほどおもしろくなかった。
2015/12/01 22:03
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
出だしの書き方は登場人物が生き生きしていてよかったが、中盤以降はおもしろくなくなった。やはり相続がらみの争いになると、人間の悪意や我儘が押し出されてきて醜い。そういう部分が読みどころの作品なのかもしれないが、読んでいてどの登場人物にも引かれず、共感もできず、いやだと感じる気持ちが強くなっていってしまった。
ただ、相続の本筋とは直接関係ないオチの部分にひねりがあって、それはよかった。
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遺産相続で家族がもめる、決裂する、断裂する、ってのはよく聞く話で。
そういうこともあるかもねぇと思いつつも、なんでそんなにもめるかね、なんて他人事として考えていたけれど、これを読むとなんとなく分かる。分かってしまう。
それまでずっといい関係であったとしても、もしもなにがしかの遺産を受け取ることになったら、少しでもたくさんのお金をもらおう必死になってしまうのかも、それまでの関係が壊れてしまうとしても。
多分、兄弟だけの話であればそんなにもめないだろう、でも、そこで自分の家族のことを考え始めると、少しでもたくさんもらいたいって気持ちになるんじゃないか。相手の粗探しをしてでも。
いやだいやだ。骨肉の争い、できれば避けたい。そんな争いに関わりたくない。でも誰もが当事者。いつかは起こること。できれば、お互いに少しずつでも譲歩して少しずつ思いやってなんとかうまく落としどころを見つけたい。そう考えるとやはり知識って大切ね、と。知らない、ということが最大の障害になるかもしれないから。
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飛び抜けた能力やすごい仕事の人ではなくて、普通の人が主人公。
仲の良い普通の家族が、普通でない状況の中で別の顔を見せだして、戸惑う主人公もまた、好きだったはずの家族が疎ましくなっていく。この伯母はこういう人だった、と愕然とするあたり、自分の周りの誰彼の顔が浮かんできそうになって怖かった。
家族とはこんなに脆い壊れやすいものだった。それでもお正月やお盆には皆で集まりたい、いっしょにご飯を食べたいと、再構築の方法を考える主人公に、本が置けない、とまらない。
「プリズンホテル」をちょっと思い出すハッピーな展開、そのあとに(以下自粛)
最初は頼りなく思えたのに、しなやかな強さを見せていくお母さんがとても魅力的だった。これからもきっと読み返したくなる本。
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家族の中のお父さんが亡くなり、4人の子供とその家族が相続について向き合うお話。
どんなに大人になっていても親が生きているときの家族の最終決定は親がしていてくれたのに、その人がいなくなって決めなければならない最初の仕事が相続。
一番印象的だったのは「話し合いに他人が入ると揉める」と言ったような言葉。
両親と子供という家族構成もやがては子供が結婚して新しい家族を形成する。
そこには嫁もしくは旦那という家族とも他人とも取れる人が存在する。
その家族以外の常識や視点が入ってくるとより複雑になるものだということを実感した。
また、兄弟の中で誰が一番親に貢献したか、誰が一番金銭的、精神的に面倒をかけたのかが数字で評価される。
相続で揉めないように遺言を書きましょうなんて言われているけど、それにはどのくらいの意味があるのか考えさせらた。
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【ネタバレ】遺産相続によるエゴ丸出しの醜い親族争いとその結末を描いた作品。中盤はそのあまりの醜さに思わず顔をしかめてしまいますが、とりあえずの大団円と最後に用意されたどんでん返しで救われました。
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真壁家のおじいちゃんが亡くなった。残された一件の家の相続を巡って、仲良くやっていたはずの一族が崩壊寸前の様相を呈する?
面白かったです。
お金持ちの莫大な遺産を巡って、というのはありがちな話。
でも、ごく普通の家族の、ごく普通の遺産相続での話、かなりリアルで、興味深かったです。
こんな親戚いるな、とか、こういうことありそう、とか、思い当たる節がたくさんあって、苦笑いする場面が何度もありました。
容子さんの立場が、途中痛々しくて、見てられないようでしたが、最後に用意されていた展開に、なるほどね、と妙に納得。
これからもいいお嫁さんでいられるってもんです。
連ドラでも見てるような感じ。めでたしめでたしでした。
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ある日、大学生の真壁りんは、祖父の死を知らされた。
急いで葬儀会場へ向かい、真壁家の一族が集まったところで、一人の青年が現れる。
彼が「隠し子」と名乗ったことを皮切りに、相続の話し合いは揉めに揉めることに。
マイペース、しっかり者、自由人、冗談好き、ゴシップ通…。
一人一人はいい人なのに、火種が次々と浮上し家族は崩壊寸前。
解決に奔走するりんは、真壁家一族で笑い合える日々を取り戻すことができるのか?
笑って泣けるホームドラマの傑作。
(アマゾンより引用)
すっごい面白かった(*´∀`*)
この作家さんの本は今までハズレがない(*´∀`*)
しかし、お金が手に入ると思うと人って変わるもんなんかなぁ(´・ω・`)
相続人の配偶者とか余計な人間が中に入るからややこしくなる(゜Д゜;)
でも最後のオチがたまらなかった(o`∀´o)
そういうことか!!みたいな
満足( ゚Д゚ノノ☆パチパチパチパチ
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遺贈寄付のことばかり考えていた時に手に取った本。これは苦しかったなぁ。
2018/11/29読了 2018年の60冊め
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ある日、大学生の真壁りんは、祖父の死を知らされた。急いで葬儀会場へ向かい、真壁家の一族が集まったところで、一人の青年が現れる。彼が「隠し子」と名乗ったことを皮切りに、相続の話し合いは揉めに揉めることに。マイペース、しっかり者、自由人、冗談好き、ゴシップ通…。一人一人はいい人なのに、火種が次々と浮上し家族は崩壊寸前。解決に奔走するりんは、真壁家一族で笑い合える日々を取り戻すことができるのか?笑って泣けるホームドラマの傑作。
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まさに実際にありそうで、他人事とは思えずに読み通した。ほとんどの人が、自分の家族は仲が良く、相続の揉め事など無関係だと思っているはずだが、ひとたび火がつくと、ほんの小さな火種が、とんでもない大火事にもなり得ることが、その家庭とともに実感されて、自分が真壁家の協議の場に同席しているような沈鬱な気分にさせられる。そんな中、始終気働きに徹し、自己主張もせずに穏やかにそこにいたりんの母・容子(死亡した祖父の息子の嫁)の態度の訳が、最後の最後に明らかにされて、つい「ふふふ、なかなかやるな」と、ほくそ笑んでしまった。真壁家の相続問題は何とか円満に着地したが、日本のあちこちでいままさに修羅場を演じている家族がたくさんあるのだろうと思うと、安閑とはしていられない心地でもある。その時が来たら、我が家の相続が円満に運びますように、と願わずにはいられない一冊である。
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相続の手続きを大学生のりんちゃんが引き受けた事、これによってこの物語は俄然面白くなった。女の子らしい心の揺らぎ、だけれども「凛」としたところも見受けられ ハラハラドキドキしたがら読み終えた。ラスト、なるほど やはり女性は強し(笑)
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これ、教訓だね。
財産なんてないから、と思っていても相続となると揉めるのかもしれない。関係ない人は口出ししてはいけないやね。
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お金が関わると、どんな仲良い家族や親戚でも、自分が得しようとするんだなと。
相続って、残された側は面倒だなと思った。
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(母は)こつこつ積み立ててきた家族の堅実な将来を、「人間本来の生き方」などというふわふわしたもののために手放すはずがない。通帳は父に全部渡してしまい、学資保険は生活のために解約してしまい、それでも、母はあきらめずに、将来を積み立て続けた。
<母の献身はなかったことになってしまった。マンションの売却が決まり、祖父や祖母は相続分の金額を満足げに眺めていた。祖母のために、彼らは自分のどんな生活も変えなかった>
家族の間に弁護士を入れるなんてあってはならないことだと。(入れるなら)絶縁を覚悟して挑んだほうがいいらしい。家庭内の働きを強化するということが、これほど難しいことだとは思わなかった。
「うちのやつもそうしたがってるって。父さんは言ったらしい。叔母さんはそれを都合よく解釈して、お母さんが進んで介護をしたかのようにとってるだけなんだ。」
「うちのやつもそうしたがってるって、そう、あの人そんなこと言ったの」
祖父が生きていた頃から、終わりははじまっていたのかもしれない。親子だけで過ごす年月は終わり、他人が交ざり、守るべきものが他にできる。交わす言葉の端々に、遠慮や、気遣いや、妥協や、嘘や、秘密が生まれる。親戚同士が集まるとわく、賑やかで温かな空気は、大人たちの少しずつの我慢の上に成り立っていたのだ。
何かないだろうか。相手に強要するんじゃなく、自然と行動を変えさせる方法。母がいつもやっているような解決法があるはずだ。
「でもよく考えて、いい考えかもしれないと思ったの。お金をもらえるって思ったら、こっちも手を抜かないでしょう。どうして私だけって恨みに思ったりもしなくていい。ビジネスライクにやれる。それに生命保険だったら」生命保険は相続財産に含まれない。請求手続きができるのは受取人だけで、相続人に知られず、手続きをすませることができる。
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確かに、相続の話は当事者だけの方がスムーズに行きそう。配偶者や周りに相談するといらぬ知恵がついてそう。怖い怖い。
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遺産相続を巡る人間模様を描く。
8章からなり、物語は、相続人の1人、渓二郎の娘・りんの視点で描かれる。
* * * * *
相続が絡むと血縁関係にもひびが入る。よく言われることです。平等に分ければ済むものなのに、なぜ揉めるのか? その理由がよくわかる構成になっていました。
・ 取り分を多くしたいという利己主義
・ 相続人以外の人間の(欲得ずくの)介入
・ 故人の気持ちを汲もうとしない不人情
そして、陽一郎のような強い劣等感や、風子のような享楽至上主義が、話をこじれさせることもよくわかりました。こういう人間とは、親族であっても縁を切るべきだと思いました。( りんは縁を大切にしたそうだったけれど甘すぎると思います。それよりは容子のつかず離れずのスタンスの方を見習いたい。)
本作は、植田大介という、正体不明の人物が序盤から登場することによってミステリータッチで進んでいきます。そのおかげで、前半は読み進めるモチベーションにつながりました。( 結局、真壁家とは血縁がないのがわかって少しがっかりはした。)
また、故人の介護に尽力しても相続の蚊帳の外に置かれる現行法への問題提起になった点でも、彼はキーパーソンとなっていました。
キャラクター設定として優れていたと思います。
苦手なイヤミス構成ではありましたが、いちばん賢く立ち回ったのが容子だったことが明かされるラストのおかげで、最後まで読んでよかったと思えました。優れた〆だと思います。
ただ欲を言えば、容子とりんはやがて千歳にいる渓二郎のもとに身を寄せ、地道に幸せに生きていくというオチにして欲しかった。