紙の本
持たない幸福論(ただし友人は持つ)
2016/01/29 19:55
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投稿者:時短 - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的には断捨離といいますかミニマリズムといいますか、物を持たない暮らしをもう1歩進めた本でしょうか。本の題名通り、著者は仕事を持たない(特に時間が大量に取られる正社員系の職)、家族との付き合いが煩わしいから家族を作らない、お金をガンガン稼ぐことも疲れるからやらない、そもそもお金を消費する物欲すらも極力持たないという、ある意味で仏教的な生き方を行なっている人なのでしょう。
そこまでは自分も至極共感できる内容ですし、無理したり限界を超えて頑張れるような体ではないため、こっちの生き方のほうがラクそうだな、と感じます。しかし、著者は家族は大事にしないが友人はかなり必要だ、というタイプの人物であるため、自分も含めあまり人間が好きではなかったり1人が好きだったり、人付き合いそのものが煩わしく感じるタイプの人が読んでもいまいちしっくりこない部分があることも確かです。
ただ、著者は自身の生き方を他人に強制したり頑張って働く生き方を否定しているわけでもないため、よほど他人に厳しい人でもない限り著者に腹を立てることはないでしょう。
電子書籍
気持ちがかなりラクになりました
2016/03/03 23:29
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投稿者:本田和也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
終始、やさしく語りかけるような文章に和まされながら2週間ほどで読破。
家族というものはまだ100年も存在していない。
お金はあくまで、あればいいけども大切なのは自分が何に幸せを感じられるのか。
私にとって、この本はかけがえのない「宗教」になってくれそうだ。
紙の本
それぞれの生き方
2017/06/14 09:15
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投稿者:本のとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
世間の、なんとなくこうあるべきだという考え方に縛られて、そこに当てはまらず、生きにくいなぁと窮屈な思いをしているひとにおすすめです。時代が変われば、生き方も変わる。考え方も変えてみようと思って、読むと気持ちが楽になるはず。著者のような生活はできなさそうですが、それでもそういう生き方もあるんだという、いい見本です。自分の生き方について、考えられる一冊です。
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pha『持たない幸福論』(幻冬社、2015)を読む。
『ニートの歩き方』で評判を取った伝説の京大卒ニート36歳の人生論。悟りに迫りつつある気迫、ダルいという感覚を全面的に肯定する生き様。中世ならひとかどの高僧になっておられたことでしょう。知識人の魂を感じます。
phaさんもプログラミングやお手伝いで年収100万円程度とのことで、類書の年収100万円で暮らすおじさんの話と同じく、物質、欲、消費文明への違和感を表明。宗教の違いとまで(ゆるく)断じます。
必要十分な労働、自分にとっての価値。ミニマリズムの実践者がここに。
【本文より】
◯僕のことを「京大を出てまともに働かず貧乏暮らしをしているのはもったいない」などと言う人もいるけれど、僕が大学受験や大学生活で得たものは本を読んだり学んだりすることの面白さや勉強の方法やコツで、今の僕の生活はその得たものを十分に活用できていると思う。
◯ブログを書いていると不特定多数の人が読みにくるので、僕のブログにもときどきよく知らない人(大体ちゃんと文章を読んでいない)が「あなたの考えは間違っています」とか「もっと働いてください」とかコメントをしてくるんだけど、そういうのは全部「あー、あなたの宗教ではそう考えるんですね、僕は違うからよく分かんないけど」って思ってスルーしている。
◯ときどき引越しをして持ち物や住環境などを全てリセットするのが好きだ。引っ越すときもできるだけ家具が最初から付いている家を選ぶようにしている。[中略]物は全て借り物でいい。/抱えている物が少ないほど身軽に自由に動けるというのは、それは具体的な品物でも、抽象的な実績とか記憶とか過去とかでも同じだと思う。
◯広告を見たり店に行ったりすると「これを買うといいよ」とか「これみんな買ってるよ」みたいな誘惑の情報が溢れていくらでもお金が必要な気がしてくるけど、そういうのはこの消費社会特有の物を買わせるトラップだ。
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タイトルどおり、著者の持たない生き方と幸福の関係について語られている。
「今は今までの歴史の中で一番なんでもできる自由な時代だ」
生きづらいならば、なんとなく持っている義務感を捨てさろう。
◯所有と義務
著者が「お金を得るためには働かなければいけないという厳然たる宇宙の法則」と表現するように、
生活コストの増加は働く義務の増加を意味する。
「何か物を持つということはその管理コストを抱えるということでもある。」
物の所有はコストを増加させる。
ロバート・キヨサキ「金持ち父さん 貧乏父さん」の一節「資産とは、あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」「負債とは、あなたのポケットからお金を奪っていくもの」を思い出した。
タイトルの「持たない幸福論」は、負債を持ってはいけないということだと理解した。
◯能力の限界
著者は自分の体力、気力の限界を知っている。
長期間、重労働を続けられるというのは過信。
副題の「働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」は、過大なコミットをして負担を負うなと理解した。
まともな人間はやっている、とされることをすべて満たすハードルは非常に高い。あきらめてよい。
◯人生の意味
人生に意味などない。しかし人間は意味がないことには耐えられない。だから、本能や論理、直観、社会の慣習、何でも使えるものは使って意味を見いだしていけばよい。
価値は客観的にあるものではなく、自分で適当に決めてよい。
◯幸福のコア
著者は、生きるのに本当に大事なことは以下の2つだという。
「一人で孤立せずに社会や他人との繋がりを持ち続けること」
「自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること」
最低限満たされていないと不幸になるものがあるので、きちんと押さえる。
トム・ラスとジム・ハーターの「幸福の習慣」を思い出した。
◯家族(家庭)の機能
恋愛、セックス、共同生活、モチベーション、財産のシェア、育児や介護。
さまざまな機能があって強力、実績もある。
しかし、これらの機能を家族だけで達成する必要はない。家族が最適とも限らない。
シェアハウスなど、他のシステムの力も借りてよい。
◯ゆるやかなコミュニティ
複数のコミュニティに所属する。
場所をつくる。
中心になる必要はない、眺めている程度でよい。
去るものは追わず、来るものはたまに拒む。
滅びたらまたつくる。
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第3章は再読したい。
田舎と都会
仕事と私事
どっちかに片寄らず気分的に行き来できればいいのでは。
第4章の居場所についてのゆるく流動的な考え方もおもしろい。
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2015年5月26日発売
前回の著書『ニートの歩き方』より3年経って発売された本。『ニートの歩き方』はそれこそニート向けに書かれていたが、今回著者はもっと対象を幅広く意識して書かれたとのことだ。その対象というのは「真っ当な生き方をしているが苦しんでいる人」もしくは「真っ当な生き方しないといけないと苦しんでいる人」という感じだろう。まさに自分自身に向けて書かれた本のようだった。「変化の激しい時代でそれにあった生き方ができないでいる」そんな人が日本には沢山いる(私もその一人)から、著者の生き方に惹かれていくのだと感じた。そしてこの本にはその苦しみから解放されるための具体的な方法が丁寧に書かれている。
著者は本著の中で本を読むことを勧めている。本によって得られた知識が今の時代がどういう時代なのか知ることができたのだろう。著者の感じる違和感を本が肯定してくれたように、私が本著を読んで自信を持てた。きっとミームが起きたのだろう。
本著のような考え方をみんなが持てたらきっと楽しいし、成熟してしまった日本がさらに発展する方法だと思う。しかし本著で述べているように変化はすぐには起きない。でも確実にミームしながらゆっくりと変わって行くのだろう。だから自信を持って生きていいんだと思える1冊。
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お金と時間さえあればこれぐらい緩い生活をしたいなあと思わせる。
他人を気にしすぎなのはわかる。
自分もこんな生活が目標。
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この本は「世間の常識」を否定するわけではなく、「世間の常識」から少し離れて物事を考えてみることを勧めているのだろう。
常識に縛られず、自分の気持ちを認識した上で自分の生き方を決めるのがいいのだろう。
「お金に縛られない」というのは自分の理想と似ている。自分自身、苦労してまでお金が欲しいとは思わないので。
だったら節約能力を身につけ、無理しない程度に働けたらいいなと思ってしまう。
一つのものに固執せず、複数のモノ・人・居場所を持つことは、いざという時の逃げ場所になる。
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働きたくない。
しかしまあ、一般的シェアハウスはウェイ感満載なのだろうし相容れないと思うんだけど、ニートとかギークとか言ってるならそうでもないのかなあ… そうでもない人たちが集まったシェアハウスなのかね うーむ
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会社で働き続けることをやめた筆者が、人生の中でやめられるもの、必要なものをまとめている。
働かない、お金に縛られないことは固定費を抑えること、レジャーや暇つぶしを安価にすることで可能になる。家族を作らない、も必ずしも固定された人間関係をつくらなければ、とか子供がいなくては、と思わなければ可能。つまり、戦後に作られた幸せの形を追い求めなければ、持たない生活は可能になる。そもそも、社会環境の変化が大きすぎて、ステレオタイプな幸せの形はなかなか手に入りづらくなっているのが現状である。
しかし、居場所は必要で、一人暮らしよりもシェアハウスのようなところで、ゆるく個人が繋がることは必要とのこと。
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図書館・古本・散歩が趣味で、働きたくない所が共通しているし、内容的には共感できる。(ゲームには興味がないので、その代わり映画とかTVになるが)自分の生き方を文書化で整理してくれたという印象もある。が、決定的に違う所は「人との繋がり」で、それを持たない幸福論というのは著者的にはありえないようだ。
「人との繋がり」は面倒なのに、著者はよくこんな面倒な活動をしているなと思う。実際、寄って来る人の中にはオカシナ人もいて拒絶する事もあるらしい。そりゃそうだろう。人をマネジメントするというのはスゴイ面倒だと思うのだが、それでも「人との繋がり」をキープしていかないと幸福なれないというのは、ジレンマかなと思う。
京大での寮生活が著者の原点でありベースにあるから、集団生活への抵抗がないのだろうけど、自分には耐えられないな。
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2015/07/25
http://news.livedoor.com/article/detail/10387877/
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読み手によって評価が二分する本だと思う。
あと最初に言っておきたいのがこの本は決してノマド的な生き方の指南をしているわけではないということ(レビューにそこを期待している人がいた)。
私も著者のような生き方を体現している一人で、そのような生き方をしようと思ってしたのではないことは確かなのだが、ゆえに共感できる部分が多かった。
営利企業に努めて働けるだけ働き、稼げるだけ稼ぐことをよしとする思想で育てられ、育ってきた人には理解不能でしょうし、ただの負け犬の遠吠えにしか聞こえないようなこともあると思います。
この本を一言で良い表すならば、「京大出身で読書好きな語彙力と知的バックグラウンドの豊富な人間が資本主義社会からはみ出た人生の送り方を個別具体的な例を上げて紹介する本」でしょうか。
よってこのような人生を送っている人は古今東西いたとは思いますが、わかりやすい表現で書籍化した例はそこまで多くはないと思います。
この本の良い点は著者の主観で進めていても、引用はしていなくてもその考え方には今まで存分に論点となってきた事象が含まれている点です。
例えば著者の考えにはマルクス主義も含まれていますが、実際マルクスの話はでてきません。でも資本論(その他資本論解説書など)を読むと、著者の考えに共通するものがあります。
おそらく資本論の類を読んだことがあるとは思うのですが、それを作品の中では引用していないのです。
このような部分は多少ありまして、「この話他の本で読んだことあるな」がそこそこありました。
よって「具体的に何をどう主張したいの?」という疑問にストレートに回答していく作りになっておらず、ダラダラと話が続くため最初に述べたとおり読み手を選びます。
が興味があれば読んでみても損はないと思います。
京大出身か、頭脳明晰か、といったものは多少は話題にはなると思いますが、この本が注目されるのは実際に年収100万くらいでも十分に自活しようと思えばできることを体現していることが最大の要因でしょう。
サークル、インターネットなどといった著者のいうお金以外の「ツール」を活用することで「協力」しながら生きていっているという事実がこの本に作品としての価値を与えているのだと思います。
個人的な意見として、著者の言うように現代も歴史の流れの一つであり、今後も十分に変わっていく、その転換期の最中なのだから、生き方、働き方も多様化してもいいのではないかな、と思います。
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phaさん、やっぱり一貫してるなぁ。こういう内容を本で書いてしまうと、本人が考えていることと誤解が起きたりしそうやけど。文章を読むだけでも、押しつけがましくなく、それでもしたたかな方なのでは、と思った。宮沢賢治が大元らしいけど、社会と個人のなかを人間がどうやって生きていくのか、それを図で示してくれたのはめっちゃ共感したし、わかりやすかった。