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エンダーの子どもたち(上)
著者 オースン・スコット・カード , 田中 一江
スターウェイズ議会に対して叛旗をひるがえした植民惑星ルジタニアを殲滅し、同時にデスコラーダ・ウィルスが銀河に蔓延することを防ぐべく、議会は粛清艦隊を派遣した。艦隊の到着ま...
エンダーの子どもたち(上)
エンダーの子どもたち 上 (ハヤカワ文庫 SF)
商品説明
スターウェイズ議会に対して叛旗をひるがえした植民惑星ルジタニアを殲滅し、同時にデスコラーダ・ウィルスが銀河に蔓延することを防ぐべく、議会は粛清艦隊を派遣した。艦隊の到着まであと数週間となり、ルジタニアに住む三種類の知的生命体―人間、原住種族ペケニーノ、窩巣女王ひきいるバガーたちは、それぞれの形で生き延びる道を探ろうとするが……『エンダーのゲーム』にはじまる壮大なシリーズ、待望の最新長篇。
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紙の本
ヤングアダルト向けから完全に大人向けのSFに変身
2003/06/01 09:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「エンダーのゲーム」、「死者の代弁者」、「ゼノサイド」、に続くエンダーシリーズの第4弾である。量的には前作より少ないが、いちだんと深みがでてきていている感じである。コンピュータネットーワーク内で生れたバーチャル生物の抹殺の危機と、第二のゼノサイドを防ぐ話を主軸にして、主人公の分身や、異種生物間の精神的交流、相互理解、異空間の精神的エネルギー、等を配置してストーリィが進む。SFのアイデアがいろいろと盛り込まれており、登場人物や 異種生物の内面も良く描かれており、二年連続でヒューゴー賞とネビラ賞との二冠に輝いた作品の続編と言える。残された謎も有り、更なる続編も期待される。ヤングアダルト向けから完全に大人向けのSFになっている。
紙の本
明るい未来への完結編
2001/11/21 16:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なたね - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作『ゼノサイド』では、人間の残酷で自分勝手な内面が浮き彫りになったどろどろさが前面に押し出されていたエンダーシリーズだが、この「エンダーの子どもたち」ではうって変わって明るい、明るい。
主人公がエンダーから、エンダーの子どもたち(実際にエンダーが結婚して生まれた子ども達ではない点に要注意)に変わっているのが最大の特徴。
第一作めの「エンダーのゲーム」での、エンダーを取り巻く兄と姉の姿がここでの大事な要素となっているのがおもしろい。
人間の肉体の年月の限界と、永遠に続く「精神」の融合がSFらしく描かれていて、読んだ後「良かったね!」と言いたくなるような作品である。
ただし、先にも述べたが主人公の世代交代があるので、もとからの「エンダー」ファンがこれで満足なのかどうかは不明であるけれども…
紙の本
<エンダー>シリーズ完結編
2001/03/12 00:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こじましゅういち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジェインの力を借りて、植民惑星ルジタニアに蔓延するデスコラーダ・ウイルスを無力化する対抗ウイルスを手に入れたエンダーたち。しかし危機は未だ存在していた。叛旗をひるがえしたルジタニアを殲滅し、同時にデスコラーダ・ウイルスを惑星ごと抹消するために、スターウェイズ議会から派遣された粛清艦隊が今も接近中だったのだ。ルジタニアに住まう知的種族−−人間、ペケニーノ、バガーを救うために、<外側>のアイウアから生み出されたピーターやヴァル、エンダーの子どもたちが危機に立ち向かい始める…。
『エンダーのゲーム』から始まり、『死者の代弁者』『ゼノサイド』と続いてきたエンダーの物語も本作でいよいよ完結。今回は前作までの物語と結びつきが特に深く、単品で楽しめるとは言いがたいので、このシリーズは初めてという方は、焦らずに『エンダーのゲーム』から順番に読むのがオススメ。なかなか楽しい寄り道だと思いますよ。
さて、シリーズ完結編だけあって、登場人物たちも間近に迫った破局に対処すべく、ある者はスターウェイズ議会の決定を覆すための工作を行い、あるものは避難先の世界を探すべく宇宙を駆け巡る。ジェインもアンシブル網が断ち切られるその時まで奮闘する。前作で語り尽くされなかった部分がどうなるかを追っていくのは、もちろんシリーズものならではの楽しみ。
しかし、それよりも大きな部分を占めているのは、エンダーの存在そのもの。今回、永い時を生きてきたエンダーに、遂に大きな変容の時が訪れるのだ。それは子どもたちを変え、周囲の人々に影響を与えていく。この作品の根底にあるのは、その変容の驚異、そして、それによって浮き彫りになるエンダーと子どもたちとの絆、子どもたちの間の絆。決して大げさなものではないけれど、それゆえに心に染み入る。ラストはまさに一つの世代の終わりと始まりの象徴であり、だからこそ万感の想いが湧き上がってくるのだ。
この作品をもって、エンダーの物語は終わる。しかし、エンダーは生き続ける。エンダーの子どもたちの中に。そしてもちろん、この物語を追いかけてきた、われわれ読者の心の中にも。
(こじましゅういち/ライター http://www.na.rim.or.jp/~majio/)