電子書籍
モダン
著者 原田マハ
ニューヨークの中心、マンハッタンに存在し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂。それが「MoMA」ニューヨーク近代美術館。近現代美術、工業デザインな...
モダン
モダン
商品説明
ニューヨークの中心、マンハッタンに存在し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂。それが「MoMA」ニューヨーク近代美術館。近現代美術、工業デザインなどを収集し、20世紀以降の美術の発展と普及に多大な貢献をしてきたこの美術館を舞台に、そこにたずさわる人々に起きる5つの出来事を描いた自らの美術小説の原点にとりまくんだ美術小説短編集がついに刊行。
『楽園のカンヴァス』で、山本周五郎賞を受賞、本屋大賞三位を獲得した原田マハが、半年間勤務し、『楽園のカンヴァス』でも重要なモチーフとなった〈ルソー〉の「夢」も所蔵する「MoMA」が舞台。『楽園のカンヴァス』とは、世界観を共有し、その作中人物も登場。「新しい出口」は、マティスとビカソ、そしてある学芸員の友情と別れを描いた作品。そのほかにも、アメリカの国民的画家〈アンドリュー・ワイエス〉と〈フクシマ〉の原発事故について描く「中断された展覧会の記憶」、MoMAに現れる一風変わった訪問者にまつわる監視員の話「ロックフェラーギャラリーの幽霊」、初代館長アルフレッド・バーと、美しきMoMAの記憶を、インダストリアルデサイナーの視点から描いた「私の好きなマシン」、美術館に併設されたデザインストアのウィンドウにディスプレイされた日本に待つわるものについての意外なエピソードをつづった「あえてよかった」など、著者ならではの専門的かつ、わかりやすい視点で、芸術の面白さ、そして「MoMA」の背景と、その歴史、そして所蔵される作品群の魅力を、十二分に読者へと伝える待望の「美術館」小説集。
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紙の本
スマホを片手に、登場する作品群を検索。 あの名画にこんなドラマが。そこに迸る情熱。美しい原田マハの世界。
2022/02/11 09:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
MoMA(ニューヨーク近代美術館)を舞台にした短編集。
実在の人物に、著者の他の作品に登場するおなじみの人物も加えた、5編の作品たち。
美術館というと敷居が高く、一部の愛好家の人々のものだとおもわれがち。実際、私自身がそう思っていた。
だが、その敷居を著者はグッと下げてくれる。
「美術なんてわかりっこない」--そんな逆差別というか、偏見を、簡単に打ち砕いてくれる。
「中断された展覧会の記憶」
2011年3月11日。東日本大震災。
この悲劇の後、MoMAから貸し出し許可を取り消された「クリスティーナの世界」(アンドリュー・ワイエス)を引き取りに、ふくしま近代美術館に向かう杏子。
「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」
MoMAの警備員スコット・スミスが、閉館間際に出会う不思議な青年。
「彼女たちが体現しているのは、人間の心の奥深くに潜む闇だ。真実だ。人間は汚い。ずるい。醜い。だからこそ『美』を求める」(『アヴィニョンの娘たち』(ピカソ))
「私の好きなマシン」
機械の部品が、芸術作品として、MoMAの展示室に並べられた。
「ここにあるものは、ジュリア。僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているものなんだ。それでいて、美しい。それって、すごいことだと思わない? 僕は、そういうものを『アート』と呼んでいるよ」(MoMA初代館長アルフレッド・バー)
「新しい出口」
2001年9月11日。ニューヨークを襲った同時多発テロで、ローラ・ハモンドは大切な友人を失い、心に深い傷を残してしまう。友と企画した「マティス ピカソ」展の幕が開く。
「あえてよかった」
日本の私立美術館からMoMAに派遣された森川麻実。
彼女の面倒を見てくれるパティに、帰国前ある悩みを相談する。
MoMAデザインストアの「ニュー・ジャパネスク」という小規模フェアでのウィンドウ・ディスプレイ。塗り箸が「×」の形にクロスされているのだ。
スマホを片手に、登場する作品群を画像検索しながら読み進めていく。
あの名画にこんなドラマが。そして、画家たちが、美術館員たちが、強く思いを入れて、大切に大切に育て育んできた芸術文化。そこに迸る情熱。
紙の本
現代絵画
2015/08/16 07:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
原田マハの絵画に対する考察、愛情が見て取れる。特に私は、ワイエスと福島と結びつけた小編が大好き。
紙の本
キャンバスに描く5つの物語
2015/06/03 04:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
原田マハは2012年楽園のカンヴァスで山本周五郎を受賞した。本書は短篇集だが、同じく美術に関する著者の造詣の深さがうかがえる。9.11や3.11など現実の世界を見つめながら、自分だけの物語を描いていく。元美術館職員ならではの1冊だ。