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NHKの「特報首都圏」で初めてきいた”チャイルド・プア”という言葉。
本の冒頭でこの言葉が番組Dの造語であると明かされ、あえてそうした理由も書かれていましたが、この造語だったからこそ(自分が)グッと関心を抱いた部分も大きいと思います。
当事者の方々へのインタビュー、淡々とした受け答えの裏に隠された本音をじっくりと聴きだしている部分も多く、読んでいて何とも言えない気持ちになったりハッとしたり。何より、想像以上に過酷な経験をしている子どもたちが多いことにショックを受けました。
大人の貧困に隠れる存在だった「子どもの貧困」を番組で知り、この本で”深く”とまでは言えませんが多少なりと詳しく知ることができました。
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NHKの「特報首都圏」で放送された内容を取材過程などをまとめて単行本化されたもの。大人の貧困に比べると、その実態が見えにくい子どもの貧困。その実態とその対策の一部を垣間みることができる。
本書は、著者が取材の過程で出会った人の話で構成されている。リアルな一人の人間としての苦悩などが伝わりやすい反面、よりマクロな部分が見えにくくなっているという印象をうけた。
本書で「子どもの貧困」という問題を知り、今後、より深く学びたい人には類書を合わせて読むことをおすすめする。
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テレビのまとめという感じで正直なかなか
表層くらいしか伝わらないけど、
きっかけの一冊として大事な本だった。
自分に何が出来るか、
まず知ることからはじめるけれど
何も出来ない自分に落ち込む。
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NHK「特報首都圏」で2012年に放送され反響を呼んだ「チャイルド・プア」。同番組を担当した報道番組ディレクターの新井直之氏が、その取材経緯と貧困にあえぐ子どもたちの実態を書き下ろした。
「学校給食だけが唯一の食事だという小学生」「一家で夜逃げをせざるをえなくなり、2年間の車上生活で学業が大幅に遅れてしまった中学生」「家庭崩壊から10代でホームレス生活を送った男性」……。自らの意思にかかわらず、さまざまな家庭環境により貧困状態を強いられる子どもたち。就学援助を受ける児童の数は、実に156万人(小中学生の6人に1人)に上るという。
なぜ、そうした実態が広く知られてこなかったのか。「子どもの貧困を隠しているのは他ならぬ、大人なのではないか」と著者は言う。「私も含めて報道機関に携わる人間は、どれだけ真摯にこの問題を世の中に伝えようとしてきただろうか。取材先のプライバシーや個人情報の壁に阻まれて、取材が極めて難しい中、それを言い訳に妥協することはなかっただろうか」
本人の心のケアや居場所の提供、家族への経済的な支援など、個別の事情に応じた包括的な支援が求められている。本書で紹介されているのは、貧困世帯の子どもたち向けに無料学習支援などを行うNPO法人「さいたまユースサポートネット」の取り組み。
家庭にも学校にも自治体にもできない支援。まさに教会の出番ではないか。(松ちゃん)
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様々な事情で学校へ行けない子供たち。
子供には経験したことのない将来をイメージできない。自発的に解決策を探しにいく気力も知恵も力もない。
家族関係も友人関係も勉強もうまくゆかず、ただただ自尊心が損なわれていくだけ。
そんな子供たちを見つけ出し、長期間に渡って信頼関係を築き、未来に希望を持たせてあげられる存在が必要だ。
教師は残念ながらそこまでの知恵も余力もないのだから。
震災ボランティアで教えていたが、その日の気分などで教科が変わるため、社会人になってからでは大変だった。
実際年齢が近い方がよいということで学生さんのボランティアが多いのだが、遊びやアルバイトの他に一つ、何かボランティアをやるのが良い生活のバランスだという認識が広まったらいいと思う
。
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わたしは何もしてあげられないかもしれないけれど、こういう子供がいるって知ることは、視界の隅で見えていなかったものが見えてくるきっかけになるはず。
わたしがいつか子供を産んで育てることがあった時に、こういう状況になっていないとは言い切れない。
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日本のこどもの6人に1人が貧困に苦しんでいる、とはにわかに信じがたい。
自分のまわりには、自分も含め恵まれた環境のひとばかりなのでなかなか実感できない。
親の貧困は子どもに連鎖する。
日本も今や格差社会になっているんだとしみじみ思った。
車上生活をしていた男の子が、コンビニでなんでも好きなものを買ってあげると言われ、みんなに分けてあげられるようにと飴の大袋を選んだエピソードがとても印象に残った。
貧しくても心は貧しくない。
お金があって甘やかされてどうしようもないバカ息子もいるし、
劣悪な環境で生きても優しく育つ子もいる。
貧しさに負けるなー!とエールを送りたくなった。
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子どもの貧困問題の分析ではなく、リアルなルポタージュ。NPO法人の取材、債権者から逃げるために車上で1年半を暮らした中学生、母親の死によりひきこもりとなった19歳、父親の裏切りでホームレスになった25歳。そしてスクールソーシャルワーカーと向かい合う高校生。
色んな貧困の形があり、それだけ解決が難しく、重い。
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2012年にNHK特報首都圏で放送された番組に、取材内容などを追加し書き下ろした書籍版だそうだ。
さいたま市のNPO法人「さいたまユースサポートネット」を訪ねるところから始まり、そこで出会った子どもたちの境遇を紹介していくことで、読者に子どもの貧困の現実を知ってもらうという形になっている。
このNPOでは様々な支援活動を行っているようだが、ここで取り上げられているのは、主に生活保護受給世帯の子どもを対象とした無償学習支援だ。教員を目指す大学生などのボランティアにより、完全な無償で中学生などの勉強をみてあげているという。
集まってくる子どもたちの事情は様々で、ひとり親であったり、親が心身に病を抱えていたり、虐待を受けていたり、外国籍であったりと、経済的な問題以外にもいくつもの問題が複合的に絡み合い、子どもたちの心身に多大な影響を及ぼしている。
実際に紹介されている子どもたちの暮らしぶりは、現代日本でそんなことが起こり得るのかと思うような惨状ではあるが、具体的データとして日本の子どもの6人に1人は貧困であるという事実がある以上、単に見えていなかっただけだということなのだろう(だからこそ子どもの貧困という問題が、見つけにくく対応が難しいものでもあるのだが)。
ただ、衝撃を受けると同時に、彼らはそれでもまだマシなほうなのかもしれないとも思った。
何しろ、生きることで精いっぱいの暮らしのはずのなか、曲がりなりにも学習支援教室に通わせてもらえているのである。親や自分にそれだけの気持ちがあるからで、それを実際の行動に移せるというのは大きいに違いない。中には、勉強なんて必要ない、そんなところへ出て行って恥をさらすな、などと考えたり、人と関わりたくない、社会の目の届くところに子どもを出したくない(おそらく、それには自分の中にやましさがあるからなのだが)と、出してもらえない子どももきっといるのではないか。人に会う、勉強するという気持ちにすらなれず、外に出ることすらままならずにいる子どももいるのではないか。そのことに思い至り、また暗澹とした気持ちになってしまった。
子どもが健全に育つためには、なによりもまず子どもが安心していられる場所、自分を受け止めてもらえる安全基地としての親、家庭の存在が最も大切である。その拠り所があって初めて、人とのかかわりを学び、学校へ行き、社会で生きるすべを覚えることができるのだ。その拠り所が確保できなかったときの子どもの育ちに対する影響は計り知れない。親の経済面や心身面での問題は、そのまま子どもの育ちの問題に直結してしまう。
親や家庭が抱える問題によって、ちょっとしたことで悪いほうへ悪いほうへ転がっていく、貧困の連鎖、負の連鎖、なんとかこの流れを断ち切ってほしい。そのための法や制度の改革が進むことは言わずもがなだが、様々な支援活動も広まってほしいし、実を結んでほしい。
そしてなにより社会の意識が、子どもは社会の担い手であり社会全体で守るべき存在である、と周知され変わっていくことこそが最重要課題なのかもしれない。
私にできることはなんだろうか。
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子どもの6人に1人が貧困状態にあるという現状と、そのことによって、どんなことが起こってきているのかが、丁寧に紹介されています。
貧困、低学力、意欲の低下、対人コミュニケーションの難しさ、話せないことを胸に秘めてしまうこと、孤立、諦め、、、
スクールソーシャルワーカーの活用について、最後の章でご紹介があり、読みながら、この仕事を取り上げていただけたことに対する嬉しい気持ちと、自分の力不足に対する申し訳なさとを感じました。
ここからまた、自分のできることを洗い直していこうと思います。
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たまにはノンフィクションをと思い本書を手にとってみました。
僕のような団塊ジュニアは「一億総中流」という認識が物心がついた時からあり貧困問題の感度は低いが、貧富の差は拡大していると感じる。生活保護の受給者数とかそういう報道以上に、体感的に感じる。
何より自分こそがいつでも「貧」の側に回りかねない不安が常にある。わずかでも気を緩めたら真っ逆さまだろう。
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自分の身近なところには、ここまで貧乏な人たちはいないだけに、実はリアリティをあまり感じませんでした。
が、裏を返せば、自分には見えにくいところで起こっていることの証拠のようにも思いました。
貧困の連鎖は、何とか断ち切ってあげたいですね。
その一方で、自分の経験を振り返ると、社会における立場の上昇には、ある程度の限界はあるように思います。
ただ、その上昇のきっかけすら奪われている子どもたちには、救いの手を差し伸べる必要があると思います。
税金は、そういうところにこそ、使われるべきなんですけどね…。
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子どもの貧困。
何となく知ってはいたが、
現実に突きつけられると厳しい。
親の離婚による貧困。親の離職。高校中退。
ふらっとそっち側に行ってしまいそうなところは
多くの人がそうなのかもしれない。
朝も昼も夜も働いて、子どもを育てようとしても
親のいない間に子どもを守る手立ては少ない。
貧乏覚悟で仕事を減らすか、少しでも生活を楽にするために
子どもを置いて必死で働くか・・・・
なんで、そのどちらかしかないんだろう。
この世の中の現実を突きつけられると
私は、本当に離婚しなくてよかったと思う。
以前に室井佑月がテレビで
「生きていくために、チーム家族として、離婚を選択しないのは
賢明な考え方だ」と言った。
彼女のことはそれほど好きではなかったけれど
この意見には激しく同意した。
そして、
子ども達の貧困は我々の老後の貧困でもある。
全部、全部つながっている。
命はいつだって大切なもの。
「普通」に暮らしたいと願う子どもが「普通」に暮らしていけるような社会じゃないんだ、
この日本は。
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日本の子どもは6人に1人が貧困である・・・昨年新聞で初めて知ったとき、その事実に目を疑った。
2014年に発行されたこの本によると、日本の子どもの貧困率は、OECD35ヵ国中9番目、先進20ヵ国中4番目であるという。先進諸国における貧困の子どもの約10人に1人が貧困であるという。
私自身、母子家庭で母親は仕事が出来ないという状態で育ち、祖母の年金や母親の障害者手当、離婚した父親からの養育費で生活しており、教材を買ってもらえなかったりイジメなど色んなことがあったが、この本で取材を受けた子どもたちのように、「食べるものがない」という状況ではなかった。その点、私は随分恵まれていたと思う。
取材された子供たちはまず、学校に行けない、まともな食事もできない・・・・・貧しさは、自尊心の育みを阻止する。やるせない。そんななか、NPO法人による生活保護世帯向け学習支援や、スクールソーシャルワーカーの取り組みに対して、地域別にその規模に差が生じるのは仕方ないことだが、なんとかもっと充実できぬものかと思うし、実際にスクールソーシャルワーカーの仕事をしている人は、それだけで生活できる感じではないので、こういう仕事をしている人にもっと待遇を良くするべきだと思う。
助けを求める術を知らない子どもたちは今でも苦しんでいると思うと辛い。来年消費税が上がったら、もっと苦しくなる。
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中学生の頃、ほんと貧しい子がいたのを思い出す。その子も途中から学校に来てなかったと思うけど、その時は深く考えなかった。