紙の本
加速していく青春
2020/01/17 08:53
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
始めて自分の車を手に入れた時の、高揚感には共感できます。予備校と叔父の家を行き来していただけの、主人公の世界が広がっていくのも爽快です。
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『ミート・ザ・ビート』
叔父の家から予備校に通いつつ、工事現場のバイトをする彼(ベイダー)。バイト仲間のケン、ブヨ、レイラ、ザキ。そして風俗嬢のユナ。田舎の街で車は持ってるのが当たり前。彼もレイラからビートを譲って貰う。勉強、バイト、車、女、時間とお金の使い方は人それぞれ。
『一丁目一番地』
190センチを超える長身と120キロを超える体重。マサルの日課はダイエットのためのジョギング。ある日、Googleで彼のジョギングコース上に競馬場が有ることを知る。競馬場で初めて見た馬と騎手と人々の熱気。ギャンブルには興味がないけど、甥のコウタに新しいテレビを買ってあげたい一攫千金を狙う。
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うーん…
この本が合わなかったのか、作風が合わなかったのか、早く読み終わりたいと思ってしまいました。
表題の作品の中には、若者の感情というか、かつての自分と重ねて共感できるところもありましたが、…
もう一つの「一丁目一番地」は、ある日常を切り取っていて、面白いと思っていたところで終わってしまったし…
テレビで見かける著者へのイメージが、ちょっと色褪せてしまったかな。
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表題作『ミート・ザ・ビート』。
懐かしい葛藤だよね。バイト取るか成績(受験)取るか、欲しいものもたくさんあるし、欲しい=必要でないけどあったら便利だし安心だしっていう、永遠のテーマ。地方都市の車がなきゃ何一つ始まらない生活。
この生活感が異様なほどリアル。バイト仲間たちとの関わり方とか。
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経済的な成功をおさめた奴も、そうでない奴もいるんだが
誰もがいまだモラトリアムを卒業できずにいて
いつまでも中学生みたいな話題で盛り上がっていられる自分でありたい、と
そんなことを願ってそうな若者たちのあつまりを描いた作品なんだ
そしてそのなかでも、ある種のナルシスト
あしたのジョーへの憧れにも似た求道的性向を持つ連中は
たとえばハイ・スピードの領域をぶっとばす時間のうちに
「本当の自分」を見出そうとするんだけど
あとに残るのは真っ白な灰ならぬ、焦げタイヤのゴム粉だったりするわけだ
タイトルにある「ビート」とは、ホンダの軽の銘柄で
ひょっとしたら「オン・ザ・ロード」のビートニクに引っ掛けた
オマージュの駄洒落なのかもしれない
しかし日本のことであるから、のんびり閉塞した空気からは
なかなかのがれられないのである
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初!羽田さん作品。
読みやすいけど、別に安易な書き方ではない
描写が的確で表現がうまい!気持ちや状況を想像しやすい。
ストーリーはなんてことないかなー
山場とかも特に感じなかった。
全体的な雰囲気やキャラはわざとらしくなくてシンプルな感じ。
ベイダーが自転車こいでる感じとか、一人で車運転してる焦り感覚とか特に面白い。
どちらかいうと二つ目のマサルがダイエットしてて競馬に行く話の方が記憶に残ってるかも。
多分、ストーリーは忘れるけど表現の巧みさは理解。
学生には勧めづらいかな。
もー1冊くらいは読みたい!かな!
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#読了。初読み作家。芥川賞候補作品。
主人公のベイダーは、浪人生。叔父の家がある地方都市で、アルバイトをしつつ予備校に通う。バイト仲間との交流のなかで、ある日ホンダのビートを譲り受け、車の魅力に惹かれていく。
初めて読んだ作家さんなので、若者や地方都市の描き方などは、新鮮だった。車に例えて・・・ということなんだろうが、あの終わり方がなんとも言えない。他の作品もこういった感じなのだろうか。
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初めての自分の車。
テンション上がります。
興味の方向が今迄と違い世界がどんどん広がるような感じ。
いつか日常として落ち着くのだろうけど大学生になれるのかな…どこへ向かうのか見てみたくなりました。
「一丁目一番地」も競馬場の雰囲気に惹かれるのは、憧れとか刺激を求める若さを感じます。
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羽田空港の書店で物色中、文庫本裏面の「ビート」の文字に目が釘付け。
まさか、ミート・ザ・ビートって。
こういうのが読みたかったのです。
クルマ小説最高!
しかも、ホンダ・ビートって。。
そりゃあもう、日常は一変するでしょ。
大学時代を思い出す。
母親から譲り受けた、ワインレッドのスズキ・セルボモード(4代目)、3ドア5MT。
高校生の頃、アルトワークスとセルボモードで迷った父が、母が好きな色だと購入に踏み切ったのだが。。
色より何よりアルトワークスでしょ、と、セルボ納車後、一蹴されていたのを思い出す。
でも、ワインレッドのミッション・セルボ、めちゃくちゃ良かった。
免許取り立て、初めての乗り出しで、広島~高松~北九州と、数百km。
友達二人を乗せて、直島旅行。
彼らに付けられた我が相棒のあだ名は、「コガネムシ」。
コガネムシでの、体を丸めての車中泊、男三人ダンゴムシ。
A面B面何度繰り返されたことか、カセットテープのメデスキ,マーティン&ウッド。
印象的なベースのリフが、小さなスピーカーから割れんばかりに鳴り響く。
広島~北九州間は夜中に下道で幾度となく往復した。
その間、オイル交換、タイヤ交換、一切なし。
無知とはなんと素晴らしいことか。。
確か、ゴダールは「男と女と車」さえあれば映画は作れると言っていた。
この小説も然り、「男と女と車」で青春は作られる。
やっぱり、車はいいものだ。
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車についての細かい描写。初めて車を手にした高揚感、不安。そして一度手にするといじりたくなる。車のことはあまり興味が無いが確かに田舎にはこういう若者が今も存在する。車好きの人にとってはたまらない小説なんだろうなぁ。
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浪人生で、何故か家族から離れて地方都市の叔父の家に厄介になりながら予備校に通いバイトをする19歳男。
予備校やバイト先が遠くて通うのが大変なのを見たバイト先の先輩が乗らなくなったビートを譲ってくれた。車検通して名義変更して運転に慣れて、バイト仲間達やユナというデリヘル嬢と海に遊びに行く。そこで終わり。
なんなんだ?
読み口は、そんな悪くなかっただけに唐突な終わり方に納得行かない。
もう一つ短編が収録されてたが、もういいや。
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東京から電車で約1時間の地方都市。勉強とバイトに明け暮れる予備校生「彼」の日常は、中古車ホンダ「ビート」を手に入れてから変わってゆく。デリヘル嬢との微妙な関係、地方都市の閉塞感と青春群像、マシンを操る身体感覚、作家の資質を鮮やかに示し、第142回芥川賞候補になった表題作。短篇「一丁目一番地」を併録。
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叔父の家に住まわせてもらいながら、
予備校に通い、親には息抜きという体でバイトもしている。
バイト先は自転車で通うものの、20キロと遠い。
そんな折に、仕事先で仲良くなった仲間のうちホストもしているという、
仲間から車検が切れかけてる車をもらえることになるのだが・・・。
表題作の中編と「一丁目一番地」の短編からなる2部構成。
2作品の共通点は、好奇心ってところでしょうか。
人にはそれぞれ好奇心があり魅了されるものがある、
と思いますが、
その対象が、いつ現れて、それが何かってことになる。
表題作では、車に魅了され、2作目では、競馬に魅了される。
本を読む人たちは、次読みたい本に魅了され、
読んでみて、面白かった、イマイチだったと何かしらの評価をくだし、
ブクロ利用者は、レビューを書く。なんてことを言ってみたり(笑)。
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芥川賞受賞6年前の羽田圭介作品。関東の地方都市、変化の乏しい日常生活の描写をどう感じるかで評価は分かれるかもしれない。暴言かもしれないが、ジャンル小説に比べたら、純文学は大抵ダラダラしてる。そこが好きかどうかでしかない。
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3.0
どうってことない特に面白くもない物語なのに、読ませるのはさすがだと思う。でもやっぱりそんなに面白くはなかった。