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日本を讒する人々
平成21年8月30日の衆議院議員選挙の結果、ついに、自民党に代わって民主党が政権の座に就いた。「政権交代可能な二大政党」による政権交代が行われたわけだが、そもそも「政権交...
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日本を讒する人々 不作為の「現実主義」に堕した徒輩を名指しで糺す
商品説明
平成21年8月30日の衆議院議員選挙の結果、ついに、自民党に代わって民主党が政権の座に就いた。「政権交代可能な二大政党」による政権交代が行われたわけだが、そもそも「政権交替可能」であるためには、国家の基本に関わる問題については両政党の有する価値観に質的差異があってはならない。だが、非公式な場における党幹部の発言、そしてマニフェストの原案となる『民主党政策集』の中身などを知れば、それを知らずに(マスコミによって知らされずに)民主党に投票した有権者は驚愕し、後悔するのではないか。政治家のみならず、日本の知識人、マスコミ人のなかには、日本の歴史に対する愛情も理解もないがゆえに、日本を讒する――事実を曲げて祖国を罵り、その名誉を侵害する――人々が少なくない。また、「現実主義」を唱えて何も現実を変えないことの言い訳としている“人士”も散見される。それらの妄言の主を、具体的な根拠を挙げつつ実名で指弾。
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一行も書いてない。
2010/07/14 14:17
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
外山滋比古著「エディターシップ」(みすず書房)。
その「見つけて育てる」は、こうはじまっておりました。
「平凡社『世界大百科事典』の菊池寛の項を見ると、文学者としてのことだけが書いてあり、すぐれた雑誌編集者としての仕事については一行も書いてない。これはこの項目の筆者を責めるよりは、『百科事典の編集者に責任がありそうである。ケアレスミステークというよりも、むしろ、意識して平凡社世界大百科事典編集部の見識として、日本における中間ジャーナリズム文化の始祖である菊池を黙殺したのかもしれないと思えるからである。』松浦総三氏がこういう指摘をしているのをおもしろいと思って読んだ。(「調査情報」72年11月号)
そして、この文の最後の方を引用。
「・・・われわれは現在でもまだ文化の創造者としての菊池寛の姿をしっかりとは見ていない。外国模倣文化の中では、やむを得ないことなのであろうか。菊池寛の編集者としての仕事は『文芸春秋』にあらわれている・・・わが国にはじめて、実感をともなって読める知的表現を提供する舞台になった意義はもっと注目されてしかるべきである。
それは、編集者が知的なおもしろさを発見していたということである。読者を知っていたからである。さらに人間を知っていたからである。日本語と日本人にとって、たとえば、座談会記事というものはもっとも秀抜な発明で、これが菊池寛の創案であるといわれると、なるほど納得する。雑誌の巻頭に随筆をのせる形式も、巻頭にまるで歯のたたないような難解な論文を載せていた当時の総合雑誌への挑戦ではあろうが、ただの戦略的な編集技巧ではなく、ふかく人間の心理に触れるところがある。何十年たっても、雑誌へのこの入り方はすこしも古くならない。
いまだに、外国の雑誌をそっくり真似したような雑誌が人気を博し、それをまた編集者たちが得意になっているらしいという状況がつづいているわが国の出版界にとって・・・・」
え~と、PHP研究所の「日本を讒(ざん)する人々」渡部昇一・金美齢・八木秀次著。
この鼎談をひらいていたら、ちょいと、文芸春秋について語られておりました。
渡部昇一氏の言葉に
「池島信平さんの志の生きていた頃の『文芸春秋』であったら、まず田母神問題が起こったら、田母神氏に原稿を依頼したはずです。それが田母神批判を石破元防衛大臣に書かせている。・・・『雑誌のベクトルが変わったな』という印象を受けましたね。」(p58)
そのまえに、八木秀次氏がこう語っておりました。
「問題なのは、事態が好転した結果、対立軸を際立たせる必要が薄れてきたのではなく、戦う相手は依然として存在しているにもかかわらず、少なからぬ論壇人が、政治家や官僚、マスコミによる事実を曲げてまでの摩擦回避や先行譲歩、事なかれ主義を『現実主義』として追認していることです。」(p56)
うん。菊池寛や池島信平のような編集者がいない。
ただ。一行書くとするなら、そうですね。
それにしても、「日本を讒する人々」の鼎談。
これ。私はたいへん面白く読んでいます。