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くちぬい
著者 坂東眞砂子
夫の定年退職を機に、東京から高知の山奥の白縫集落に移り住んだ夫婦。美術教師だった夫の竣亮は趣味の陶芸に専念したい、妻の麻由子は放射能汚染の不安のある東京から逃れたいと思っ...
くちぬい
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くちぬい (集英社文庫)
商品説明
夫の定年退職を機に、東京から高知の山奥の白縫集落に移り住んだ夫婦。美術教師だった夫の竣亮は趣味の陶芸に専念したい、妻の麻由子は放射能汚染の不安のある東京から逃れたいと思っていた。老人ばかりの村で、若くみられた二人は歓迎されるが、「くちぬいさま」と呼ばれる神を祀る神社に続く道の上に竣亮が陶芸の窯を作ったことから、村人達との関係に亀裂が生じ、陰湿な苛めが始まる――。
目次
- 序章/春/夏/秋/冬/終章/特別収録エッセイ 口を縫う歴史
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紙の本
後味が悪い。
2017/09/25 15:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぷわち - この投稿者のレビュー一覧を見る
つまらない訳ではありませんが、面白くもない。
ストーリー自体は、正直ありきたりです。
「都会に住んでいた夫婦が、定年退職を機に田舎へ移住する。田舎での暮らしは憧れであり(特に夫の。妻は最初は乗り気ではない)、引越当初は希望に溢れ、近所の人達の過度な干渉すら好ましく思える。しかし徐々に地方特有の理解不能な習わし、考えが浮き彫りに…」。
こういう設定の小説は、他にも読んだことがあります。そちらの作品は、確かに理解不能な習わしや考えがあるものの、徐々に精神に異常を来していったのは移住した夫の方でした。
しかしこちらの作品は、元から住んでいた田舎の者、移り住んだ都会人、どちらも…というか田舎の者達の方が遥かに異常者でした。移り住んだ妻が徐々に被害妄想に取りつかれおかしくなっていったのも仕方ないと思えるほど。
また、犯行の異常さや残虐さを表現するために、動物が殺される描写がある。
これ大嫌いです。
いくら作り話とはいえ、動物大好きな私はいつもそういう描写がある小説を読む度に「買わなきゃよかった」と思う。
本当にありふれた安直な書き方。いい加減見直してほしい。
ストーリーに戻ります。
まあ大体お約束の展開でラストに進む訳ですが、結局救いがない。
超がつく田舎というものは、ここまで自治体も警察も機能していないものなのでしょうか?
後書きを読む限り、こういった都会からの移住者に対する嫌がらせや虐めは確かに存在するのかもそれませんが。
いくら超田舎とはいえ、犯罪レベルのそれらがいとも簡単に隠蔽されてしまう。
ただただ後味が悪かった。
あと主人公である妻・麻由子の性欲は何なんですか…。
麻由子が「ひょっとしたら、自分はもうこの先性交渉をすることなく一生を終えるのではないか」と怯えるシーンがあるのですが、いやもういいじゃん、のんびり暮らせよ…とドン引き。
ありきたりなストーリー。
先が読めてしまう展開。
安直な書き方。
所々句読点が多すぎる。
異常な性欲描写。
正直この作家さんの作品はもう読まないと思います