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実現可能な五つの方法 琉球独立宣言
著者 松島泰勝
なぜ今、独立なのか? 現在、辺野古新基地建設で政府と対立を深める沖縄。戦後70年、“本土復帰”から43年経った今も、在日米軍基地の74%が集中する現実。沖縄において“戦争...
実現可能な五つの方法 琉球独立宣言
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琉球独立宣言 実現可能な五つの方法 (講談社文庫)
商品説明
なぜ今、独立なのか? 現在、辺野古新基地建設で政府と対立を深める沖縄。戦後70年、“本土復帰”から43年経った今も、在日米軍基地の74%が集中する現実。沖縄において“戦争”は決して終わっていない。その現状、政府による差別の歴史、琉球国の歴史や民族独立運動、世界の独立運動などをふまえ、琉球人学者が独立の具体的な方法とその未来図を提案する。決して絵空事ではない、実現可能な政治的・経済的道筋が示される。
目次
- はじめに
- 第1章 もう独立しかない!
- 第2章 どのように独立するのか
- 第3章 そもそも琉球の歴史とは
- 第4章 独立したらどうなる?
- 第5章 琉球独立宣言
- おわりに
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私は日本からの独立を宣言します。
2015/11/09 21:35
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投稿者:okadata - この投稿者のレビュー一覧を見る
琉球独立宣言は、日本に対する琉球人の怒りの現れだという。独立賛成が25%と紹介しているが、他の調査では6%未満と琉球独立が盛り上がっているとは言えない。しかしなぜこういう主張をしているのかわかる。
「モノとしての琉球は日本人の安全を守るために犠牲になっても仕方がないという、暗黙の了解が日本人のあいだにるようです。」第二次大戦末期日本軍は沖縄を盾として使い、現在も米軍基地の74%が沖縄にある。鳩山が基地の引き受けを全国知事会で求めた際にも可能性を表明したのは橋下のみでその橋下も視察要求には「神戸空港へ」と前言を撤回した。
沖縄に海兵隊基地があることが抑止力につながると言うのも微妙で、米軍は基地の集中を避け中国のミサイル射程外のグアムに移転を進めている。松島教授からすると、基地が存在することで攻撃対象となり戦場となる潜在的な危険は増している、だから琉球は非武装中立の独立国を目指すのだと言う。かつての琉球が貿易で栄えたように。
沖縄の住民もまとまっているとは言えない。今年2月の与那国島の自衛隊基地の是非を問う住民投票では中学生以上の1300人弱の資格者に対し投票率86%、賛成が6割だった。11年の署名活動ではわずかに反対が上回っていた。辺野古についても金が落ちるところには賛成派も生まれている。
経済だけで言うと県民総所得に対する基地経済の割合は5%ほどしかなく、基地の跡地が活用できる効果の方が大きい。ただ、日本政府は基地への協力に対する沖縄県の姿勢次第で補助金額をあからさまに変えて来ている。沖縄側も出来るだけ基地の負担を減らしながら補助金を引き出そうとして来た経緯もあるので一方的に日本政府が悪いとは言えず住民の総意と言うのがあるのかどうかはっきりしないと思うのだが。
歴史的には琉球は清と薩摩藩への二重冊封体制を使い分けていた独立国だった。松島教授らが琉米修好条約、琉仏修好条約、琉蘭修好条約を琉球に返還するようにこの1月に求めたのに対し外務省職員は「琉球国は存在したとも、存在しないとも言えない」とはぐらかしている。3国との条約に対し当時の政府が異議を申し立てていないのであれば、独立国として認めていたと言うのが常識的な見解であり、琉球処分により琉球の民意は無視して併合した以上、当時の欧米の植民地同様、琉球の総意があれば独立できると言うのが国際的には正しい見解だと言えよう。沖縄を除く日本がたとえ反対したとしても。
松島教授は独立した琉球に対し中国が軍事的に侵攻する可能性は無い、中国は琉球の独立を歓迎すると言う。それはおそらくその通りで琉球が非武装中立を目指し米軍を追い出すのであればわざわざ侵攻することも無い。尖閣諸島は実行支配されることは目に見えているのだが。中国からすれば軍艦への補給や自由通航権が認められればかなりぜんしんだし、さらには経済的に主導権を握れれば良いので、それこそ琉球の中国の基地化は100年がかりでも問題無い。さすがに琉球を除く日本からすれば迷惑な話なので日本政府はどうやってでも琉球独立を許すことは無いだろう。
結局日本政府が琉球独立の気運を潰すのであれば力ずくや、補助金での懐柔だけでなく住民が納得するようにアメリカと交渉するしか無いはずだ。「命湧く海」=珊瑚礁は琉球のアイデンティティに関わるところであり、実は生物量は少ないのだがその分生物多様性が多く世界の海の生き物の多様性は珊瑚礁に多くを依存している。個人的には辺野古の埋め立てでは無くすでにある下地島空港の3000m 滑走路を使うのが妥協点だと思う。尖閣諸島に近すぎて中国を刺激しすぎる懸念はあるとしても。