紙の本
新聞を読む前に
2010/10/29 08:18
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
就職活動に新聞は欠かせない、と書くのが新聞記事であったりして、手前みそすぎるきらいもないではない。新書二冊分の情報があるという新聞を読めて当然というのは、インターネットで育った若い人を知らなすぎるのではないか。
では、ということで、若い人にもお薦めなのが、池上彰さんの『新聞勉強術』であったりする。
新聞の種類といった基本編から新聞記事の構成や用語の意味などの「読み方作法」、さらにはその情報整理術まで、至れり尽くせりの内容に、さしずめ新聞を読まない若い人(という限定の仕方はよくないが)にもわかりやすく解説されている。
新聞を読めという新聞記事はまずこの本を読んでから新聞を読めというのが本当だろう。
でも、新聞って最新ニュースではないという反論があるかもしれない。インターネットの速さに新聞は対処できていないのも事実だ。
しかし、速さだけがすべてではない。スピードの遅さを補うものが新聞にはある。
自分では興味がないと思っていた分野の記事に目がとまったりする。そういうことはインターネットの世界ではなかなかない。喩えていえば、オンライン書店と本屋さんの違いに似ている。(ここまで書いて思ったのだが、この本のように新聞の勉強法があるなら、本屋さんの勉強法もあってはいいのではないか。もっともすでにあるのかしらん)
著者の池上さんは「もっとも身近にあって、いろいろな角度から材料を提供してくれるメディア、それが新聞」と書いているが、政治、経済、社会から娯楽にいたるまで新聞にはほとんど網羅されている。特に最近の新聞は周辺記事の充実が目立つ。
なにしろ、新書二冊分の情報量である。それを生かすのは、読者のアンテナ次第だろう。
そのためにも、まずはこの本を読んで、新聞の魅力を知ってもらいたい。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
紙の本
複数の新聞を読もう!
2006/11/14 17:09
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、長いことNHKで「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、難しいニュースを子どもたちに、わかりやすいよう噛み砕いて説明していた。その姿が印象強いから、まだNHKに在局しているとばかり思っていたら、なんと1年半も前に退職していたとはビックリ。したがって、本書の表紙に記されている肩書きは「ジャーナリスト」。でも、「ジャーナリスト」ってわざわざ自称しなくても、わかってもらえると思うけど。
一口でいうと、新聞の読み方が記してある。
第1章 「ニュースを見る目」は、新聞で養う
第2章 まず、何から読んだらいいのだろうか
第3章 速読から読解まで、池上彰流・新聞の読み方作法
第4章 「新聞の読み比べ」で身につく情報力
第5章 ネットにテレビに! 池上流・メディアミックス新聞術
第6章 知れば知るほど面白い、新聞の取材現場
第7章 新聞の情報整理術&知的活用術
会社ではなく、一般家庭で一般紙を複数紙取っているのはどのくらいだろうか。おそらく、少ないだろう。だが、どの数字を使うかで、事実が正反対になることもある。「「吉野家、8月売上高27・8%減 『新定番』効果いまひとつ」(日経新聞)」、「「吉野家の売上高 前月比7・4ポイント改善 8月、来客数も」(朝日新聞)」−「吉野家の成績は、さて、よかったのでしょうか、悪かったのでしょうか。(中略)実は、この二つの記事、まったく同じ日の新聞なのです」。つまり、数字のとらえ方で、記事の論調がまったく変わるのだ。だから著者は、「数字が重要な記事を見つけたら、必ず他の新聞の見出しと見比べてください」といっている。
面白かったのは“読解”。犯罪記事で朝刊に「東京地検特捜部が、一両日中にも強制捜査へ」と載っていることがある。でも、実際にはほとんどの場合、その日のうちに強制調査に入ることが多い。これを著者はこのように説明する。新聞社は独自の取材で確信を持っているが、特捜部の立場では情報漏れが怖い。それが「きょう捜査へ」などと書かれる(抜かれる)と、意地になって「誤報にしてやれ」と、日にちをずらす事態もありうる。それでは記者(新聞社)も困るので、「一両日中にも」とぼやかして、特捜部の幹部の怒りも買う危険も避けられるというわけ。
笑ってしまったのは、本筋には直接、関係ないが、第6章。どこの部の記者が書いたかによって、トーンが異なるということ。「政治部に配属されたばかりの若手記者は、素朴な雰囲気を漂わせていますが、政治部取材が長くになるにつれて、まるで政治家そのもののような立ち居振る舞いをする」、そういえばナ○ツネは政治部出身だったなあ。
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面白いです☆
新聞だけでなく、テレビなどの情報メディアを合わせてどう活用するか等、情報力アップのための技が盛りだくさん。
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最近、ものすごくいっぱい書いている著者ですが、
新聞の読み方・勉強の仕方の本です。
記事の例を通じて、分かりやすい本です。
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《要旨》
新聞(朝刊)は20万もの文字が印刷されており、新書2冊分に相当する。この情報をうまく活用するために、メディア・リテラシーが必要であり、情報を鵜呑みにしない「健全な懐疑心」がメディア・リテラシーのポイントである。
新聞の読み方としては、他紙と読み比べるのが良い。異なる視点・別の角度から考えることができる。夕刊をとる人が減ったが、海外のニュースや企画ものが充実しており、社会や世界の動きをフォローできる。新聞の構成は、見出し・リード・本文というように、大事なことから付随的な内容の順に書かれており、非常に読みやすくできている。また新聞だけでなく、他のメディアと組み合わせるのもよい。
世の中の動きを把握し、思考を鍛錬できるという点で、新聞を使うことで効果的に勉強ができる。
《印象に残ったコトバ》
広い視野を形成するには複眼的志向が大事です。違った角度からものを見る習慣をつけ、ときには問題意識を持ち、得た情報から自分なりの考えを持つ。こうした本当の意味での情報力を身につけることが、生きていく上で非常に重要だと思っています。
? まずテレビニュースで主なニュース項目を確認
? 気になったニュースを新聞記事で熟読
? ニュースの速報はネットでチェック。過去の記事は記事検索で拾い出す。
? もっと詳しく知りたいもの、理解を深めたいものは、遅れて取り上げられる週刊誌や月刊誌、専門の経済誌で勉強
以上のような方法で、新聞を軸に情報収集を進めることをおすすめします。
《感想》
以前読んだのを読み返してみた。改めて眺めてみると、当時読み流していた、読み落としていた箇所に気づいた。数紙の読み比べは難しいが、メディアミックスは実践していけると面白いと思った。
《目次》
プロローグ 一本の新聞記事が世の中を動かす!
第1章 「ニュースを見る目」は新聞で養う
第2章 まず、何から読んだらいいのだろうか
第3章 速読から読解まで池上流・新聞の読み方作法
第4章 「新聞の読み比べ」で身につく情報力
第5章 ネットにテレビに!池上流・メディアミックス新聞術
第6章 知れば知るほど面白い、新聞取材現場
第7章 新聞の情報整理術&知的活用術
エピローグ 新入社員の新聞勉強法
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新聞をより分かりやすく理解し、上手に活用するための解説書。
記事や社説についてなかなか気付かない点を挙げてくれている。
なるほどと思える部分も多い。
だが、どちらかというと中高生向きかなと思った。
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▽記事の読み方、速読術、メディアミックス活用、文章力、要約力、スクラップ情報整理から自分探しまで、新聞の徹底活用術とは。本書では、新聞記事の読み方から情報収集・整理術、文章力の鍛え方など、新聞を最大限に活用する“勉強術”について紹介。
▽NHKの人気ニュース番組「週刊こどもニュース」の元キャスターで、現在はジャーナリストとして長年ニュースの現場に携わっている池上彰氏。年間300冊もの本を読み、朝、昼、夕、夜のテレビニュースは欠かさずチェック、自宅ではCNNを流しっぱなし、英字週刊誌も購読。新聞は一通りの全国紙に目を通し、フィナンシャルタイムズも購読。書店には1日3回足を運ぶという。このように膨大な情報量を扱う著書の、新聞の読み方と徹底活用術を伝授!
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(20090506〜20090508読了)
・ネットになく新聞だけに掲載される情報もある。P6
・新聞をとらない若者が増えている。テレビ、ラジオ、ネットの情報にもそれぞれ利点があるが、気軽に手に取って好きな時間に好きな場所で自由に読む事が出来る新聞は、とても便利て有効。P7
・参考「20代で始める『夢設計図』」(熊谷正下寿:IT企業の代表)の中で、「新聞は仕事の教科書」だと書いている。P10
・1社の新聞だけでなく、色々な会社の新聞と読み比べてみる事を薦める。P11
・なるべく新聞を読み比べる。そして違いを認め、「自分はどちらの記事を評価するだろう」と考えてみると、自分の「ニュースを読む力」が高まる。P28
・「インフォーメーション」、つまり単なる情報を「インテリジェンス」=知恵に高める為には情報を分析する能力が不可欠なのです。自分なりに分析し、自分に役に立ててこそ価値が高まる。P33
・夕刊は「国内の午前中のニュース」と「海外の最新ニュース」で構成される。夕刊にしか載っていないような情報もある。P45
・社会問題という側面を強調するのが一般紙、経済的側面から分析するのが日経。P56
・日経新聞の問題点。どうしても企業寄りになりがちで日本経済全体について、あまり悪いニュースが出なかったり、出ても扱いが小さかったりす。P59
・新聞を効率的に読むには、まず見出しをざっと見て、次いでリードを読み、興味があったら本文に目を通していけばいい。P67
・文章力をつけるために、文章を丸ごと写して原稿用紙に書いてみるという方法を取る人もいる。P68
・印刷工場にもっとも近い東京都区部に住んでいる人が一番遅い版(新しい情報)を手に入れる事が出来る。P80
・新聞には「事実」と「意見」の両方が盛り込まれている。鉛筆やマーカーで先を引きながら、どこまでが「事実」で、どこが「意見」「予測」なのか、分類してみるのも面白い。P86/P90
・新聞記事の信頼性を探る手がかりとしては、記事の最後にある「記者名」に注目する。
日本経済新聞・・・経済:田勢康弘、株式:前田昌孝、金融:滝田洋一、外交:伊奈久喜、人生論:足立則夫など。P101
・記者会見には3種類、「正式な記者会見」「オフレコ」「完全オフレコ」。オフレコは「政府首脳が・・・」などと名前を隠して、完全オフレコは、そこで聞いたことは一切書いてはいけないというルール。P105
・新しい情報に接した場合、5W1Hで整理しながら要点をつかんでいく必要性が大事。P112
・書籍広告。いまどんな本が出版され、どれがよく売れているかを常に見ておくと、今の時代に求められているテーマ、人気があるジャンルがわかってくる。本は世の中のニーズや考え方を映す鏡。また日曜日の新聞には書評欄がつき物。P125/P127
・大手の書店では新聞の書評欄をいつもチェックしていて、「書評欄で取り上げられた本」というコーナーを設置している所もある。P128
・自分で持っている情報に自身がもてない人は中傷的な表現になり、自信のある人は具体的な説明をする。P135
・広い視野を形成するには複眼的思考が大事。違った角度からものを見る習慣をつけ、ときには問題意識を持ち、得た情報から自分なりの考え��持つ。こうした本当の意味での情報力を身に付けることが生きていく上で非常に重要。P136
・新聞で勉強しようとする限り、社説ばバカにできない。今問題になっている事について、「どう考えたらいいのか?」「どこから考えていけばいいのか?」のヒントを与えてくれるのが社説だから。P154
・毎日はとても民主的な新聞。人間の意見は様様、社内でも社説に対して違う意見を持人もいる。毎日の「記者の目」では社説に違和感を持った記者が提案して、社説に対する批判意見を書く事ができる。会社はそれを容認というか、むしろ推奨している。P164
・海外ニュースでは海外メディアのホームページを。「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」「インターナショナル・ヘラルドトリビューン」イギリスの経済誌、「フィナンシャル・タイムズ」、世界の新聞記事をテーマ事にまとめている「ワールドニュース・ネットワーク」。P182
・メディアミックス新聞術→?テレビニュースで亜茂名ニュース項目を確認。?気になったニュースを新聞記事で熟読。?ニュース速報はネットでチェック。?もっと詳しく知りたいもの、理解を深めたいものは、送れて取り上げられる週刊誌や月刊誌、専門の経済史で勉強。P183
・社説を書く人たちは「論説委員」と呼ばれている。長年、記者経験を積んだ人たちがこのポストに就く。NHKでは「解説委員」。P192
・分類してスクラップにしたものを後から見返してみると、いつのまにか自分が本当に興味がある事が何なのか、興味がどういうところに向いているのか「自分探し」をする事ができる。P223
・思いついた事、頭の中で整理した事を紙に書いていく。書くことで思考が整理され、論旨が方向付けられる。P233
・記事は原則として最初に結論から始まる。それは読者には忙しい人が多いので、じっくりと文面を読む時間がない。新聞は一番伝えたい事を最初に書き、二番目に大切な事を書き、そしてじっくりと読む人のために「背景」を書くというスタイルになっている。P244
・もっとも身近にあって、色々な角度から材料を提供してくれるメディア、それが新聞。P249
本書は、「新聞をただ読むだけではもったいない!」から新聞を有効活用し、どのように勉強するかを紹介しているものです。今まで気づかなかった新聞を作る側の事情や状況を見る事により、読み方が変わると思います。
また記事で使用している文章表現にも、その事情が色濃く現れており、それを想像する事により表の意味だけでなく、裏の状況も予想する事が可能になり、より一層楽しく読む事が出来ると思います。
これを読む前までは、各新聞社のホームページや「あらたにす」での各新聞社の比較記事を読む事でまかなう事が可能ではないかと仮定していたのだが、改めて紙としての新聞の有効性とその効果を想像し、魅力あるものだという事を認識する事ができました。
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見開き2面のうち左側に重要な記事が載っていることが多いこと。
日経、日経産業、日経流通、日経金融の4誌を読むと良い。
一両日中にも、関係者の話で分かった、把握している模様、強制捜査、立件、申告漏れ、成り行きが注目される、いずれにしても、話などで分かった
以上の用語が使われる背景が興味深かった。
書籍広告は宝の山
春秋などのトピックの比較は参考になる。
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最近なんだか、ものすごくメディアにも出ている池上さんの本です。
新聞を短時間で効果的に読むコツなど網羅されてます(かずさん)
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新聞からどのように情報を得るのか、どういったことを念頭にいれて読めば『文字を追うだけのルーチンワーク』から脱却できるのか。実際の記事を例に、それらを解説した本。
どの新聞を読んだらいい?
夕刊はとらなくてOK?
どこをどう読めばいい?
いろんなメディアがあるけどどう使い分けたらいいかわからん!
といったことがメイン。それに加えて、新聞ってどうやって作られてるのか、といった知識も。
特に良かったのは『「微妙な表現」の正しい読み解き方』。
この本を片手に新聞を読めば、少し上の視点からニュースを読めるようになるだろう。
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「池上彰の新聞勉強術」2009.11.16
p6
・目立たない記事で株価が大きく動く事があるという事は、仕事の為に新聞を隅から隅まで読んでいる人達が大勢いるという事。
・朝刊には2万字ほどの文字量。これは新書2冊分。
p30
・アメリカの平均失業期間は、日本の三分の一。仮にアメリカの失業率が高くても次の職場を見つけるチャンスはアメリカの方が多い。
p32
・「情報」の意味には「インフォメーション」と「インテリジェンス(智恵)」があるが、インフォメーションをインテリジェンスにするには情報を分析する能力が必要。
自分なりに分析し、自分の役に立ててこそ価値が生まれる。
p42
・巨人の親会社の読売新聞でさえ、大阪版では阪神タイガースの取り扱いが巨人より多い。
p55
・日経新聞は読者が記事を切り抜く事を計算して紙面をレイアウトしている。
p59
日経新聞は企業よりな記事が多いために日本経済の悪いニュースが出ない傾向にある。どうしても「景気が上向きになって来た」「株価が回復傾向にある」などの記事が多く、経済の負の側面はほとんど出ない事を知っておいた方がいい。
p62
社会のニュースを取り扱う「三面記事」は三面にはない。社会面を三面に置いていた昔のなごり。
p71
・忙しい時は「一面」と「三面(総合面)」だけでも読む。
p80
・同じ新聞でも「早版(12版)」から「遅版(14版)」がある。
印刷工場に近くに住んでいる都会の人が遅版を手に入れ、印刷工場から遠い田舎の人は早版が届けられる。
「早版」には誤字脱字が多かったり特ダネが少なかったりするので「早版は欠陥品」と言われている。
p99
・記事を署名制に変えればリスクを伴うが良い事もある。
署名制度のある海外では記事のファンが特ダネを教えてくれるようになっている。
p164
・「毎日新聞」の「記者の目」というコーナーでは自社の社説に違和感をもった記者が反論記事を書ける制度がある。
つまり、紙面のなかで論争を起こそうとしている。
↑
良い試み!!
p244
・新聞は時間がない人にも解ってもらえるように結論から先に書いている。
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新聞記事の読み方・スクラップの仕方にとどまらず、具体的な事例をあげて各紙のスタンスの違いを明らかにするなど、大変面白かった。メディアリテラシーを作るのにいい本。漫然とニュースを読んでいる人は一度読んでほしい。
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元NHKの報道記者であり、「そうだったのか」シリーズで有名な池上彰氏による新聞を有効に活用した勉強術。
新聞を読む時の心構えや、ちょっとした表現に注意してみることなどが書いており、新鮮で納得できました。自分で情報を分析し、思考する能力を育てることがとても大切で、それを育てるために新聞はとても有効なツールにもなりえるんだな。
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新聞はどうやって作られているのか、また読み方や活用方法など、いろいろな面から新聞について書かれているので、面白く読めたし、勉強になった。
新聞のスクラップは、一定期間寝かせてから。