紙の本
興奮の国際ノンフィクション!
2015/04/10 14:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木村正 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国にはあまり関心がなかったが、映画を見ているようなビジュアル感とリズムのよい文体にひきこまれ、一気に読んだ。
米国にある「愛人村」の潜伏取材から始まり、中国共産党内の血で血を洗うリアルな権力闘争まで、興奮しながら読了した。
中国初心者も玄人も楽しめる良著だろう。
紙の本
朝日新聞?
2015/08/22 06:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:depo - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ、こんな記者が存在していたのが驚き!
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中国恐ろしい。
えげつない政治劇の裏側。胡錦濤の完全引退が院政を完全に終わらせ、習近平による新たな独裁時代に入ったことがよくわかる
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アメリカにある中国高官らの愛人が住む村の話から入り、中国の熾烈な権力闘争を描く。
江沢民、胡錦濤の引退間際の死闘などは、小説よりも激しい。
日本の政治家が生ぬるく見えてしまう
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習近平が権力を得ていくまでの軌跡を描いた本。
かなり面白かった。特に、習近平体制が脆弱な権力基盤にあることについて、丹念な取材に基づき、反証していくのは、読みごたえがあった。
日本がこの強大な権力を持った政権に対し、どのように対峙していくか、有益な考える材料になると思う。個人的には、習近平がパワーの信奉者であるということが、考えるヒントになっている。
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組織や特に政界はどこも多少なりとも権力争いはあるものだろうが、規範とか正義の概念が稀薄な中国においては生存が即ち生存競争であり、ひいては権力争いがすべてに優先するということなのだろう。
結局、数千年来変わっていないということだ、あの国は。
反日政策を徹底した江沢民が炭鉱節を日本語で歌うほどの親日家だったというのだから、笑ってしまう。
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「権力闘争こそ中国共産党の原動力」という仮説の下、江沢民、胡錦濤、習近平と続く中国最高指導者とそれぞれのシンパの間の権力闘争を綿密な取材から描いてみせた。その上で、習近平への権力一極集中が実現したことから、習の思うままに腐敗撲滅などの政策が実行できるようになるとともに、中国共産党の弱体化も予言する。それが当たるかどうかは、いずれ分かるだろうが、たしかに、派閥も派閥間の抗争も激しかった自民党が長期にわたって政権の座にあったこと、そして、小泉政権により派閥の力が弱まって、短命政権や政権交代が続いたことを思えば、あながち的外れとは言えない。
それはともかく、ここ10年余りの中国政治の概要が、新聞で言えば国際面というより社会面的な面白さ、分かりやすさで書かれていて、タメになる内容を楽しんで読めた。
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ロサンゼルス郊外にある中国高官の愛人村、習近平氏の娘が偽名でハーバード大学に留学していたというショッキングな内容から始まる。
社会主義国にありがちなトップによる富の集中は想定内であらるが、それが仮想敵国である米国内で行われていることに驚きを感じる。華僑の歴史を持っている中国としては、人の移住による中華思想実現を政策の一つとしているのかもしれない。
習近平氏が最も重要な儒家の一人として荀子を紹介しているという事実にも着目すべきだと思う。荀子は「人は生まれながらにして欲望を持っている」という「性悪説」の立場に立っていた。したがって習近平氏も荀子が訴えた「法による統治」を重視する可能性がある。
習近平氏がよく引用する荀子の書の一節は「君は舟なり、庶民は水なり、水は則ち舟を覆す」。隣の大国のトップがこの様な考えをもっていることを我々はもっと知るべきだと思う。人民を味方につけるために、反日感情を利用することは容易に想像がつく。大国である中国にしてみれは、日本は人民をコントロールする手札の一つに過ぎないということだろう。
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書店には習近平本が沢山並ぶようになった。中国はよく分からない。13億人もの国民がいて、爆買いで日本に押し寄せる。一方で、2015年9月に発表された中国のGDPは6.9%であり、予想より低い値となった。実際にはさらに低い値ではないかとの予測もあり、経済の減速が懸念される。ボクから見ると、一国共産主義で纏め上げるには、無理があるのではないかと感じる。そんな中国の今を知りたくて、この本を手にした。
習近平の娘はハーバード大学を卒業したという。この本のレポート時は4年生だった。もっとも、多くの中国人エリートにとって、米国ハーバードは憧れの大学であるらしい。共産党の権力者たちの子女がこぞって米国に留学をする。そして、米国も彼らを手厚く遇している。一方で、習近平の中国国内の腐敗撲滅運動によって、身辺に思い当たる官僚たちの家族は中国国外に逃れる。その中で一番多いのが米国だ。また、ロスアンゼルス郊外には、中国国内にいるエリートたちの愛人村があるらしい。月子中心といわれる産後ケアセンターもある。つまり、自分と愛人の間に生まれた子供が住んでいる大規模なエリアがあるのだ。中国と米国は仮想敵国同士なのに、なぜ、そういう施設があることを米国は許しているのか。それは、いざとなったときの人質だからだろう。米国の対中戦略の一端の深さを感じる。日本にはこんな考え方、いまはないよなあ。
著者の峰村健司さんは、習近平は権力闘争をおこなっており、これが中国共産党の原動力ではないかと仮説を立てている。確かに一つの推進力にはなるだろうけど、やはりボクには危うく感じてしまう。でも、隣国中国だからこそ、こういう本はときどき読んで情報を得たいと思った。
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これは凄い!と一読して太鼓判を押せる数少ない書である。中国共産党の内部を、多くのソースから取材し、わかりにくい中国事情を読み解く内容は、ジャーナリズムとはかくあるべしとの感想をもった。
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中国という国に、力強いリーダーが誕生するまでの過程が描かれている部分が一番緊張をしながら読めた。タイトルの『13億分の1の男』は、運も、実力も、類稀なものを持ち備えていることをよく現している、まさにこのタイトルがピタットくる。
中国という国の政争、覇権争いがテレビや新聞での表面的な伝えられ方とは違った、迫るものを感じさせられる。
それでも、この時代の巨大な国は、この類稀なリーダーによってさえ、まとめられることには多難な道が横たわっている。さらには、この実力のあるリーダー自身さえ、この巨大な権力を掌握してどの様に振舞っていくのか、けっして国際社会の全体像が良くなる方向とは限らなさそうなところが怖さを感じさせる。
そして、その怖さは今の日本に安住し、人類の歴史のダイナミズムから切り離された、我々日本人だから強く感じるものなのかもしれない。
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★2015年8月16日読了『十三億分の一の男』峯村健司著 評価B
最近の中国共産党指導部の内幕、背景を描いたノンフィクション作品。
胡錦濤と江沢民の猛烈な暗闘。そしてその結果、誰も予想していなかった習近平政権。胡錦濤が院政を諦めることで確立された強権を一手に掌握した習近平。それ故に、反腐敗運動で次々と摘発される党幹部らとトップ官僚達。
ナンバーワンであり続け、多くのプレッシャーと期待、嫉みに潰された現首相の李克強。李克強は、頭の良さでは、習近平より上だが、エリートの冷たさがネックとなり、人をまとめる力に長けて、長く軍の組織にも食い込んできた習近平が、大逆転を果たしたその深い背景とは。
様々なリソースを基に丁寧な取材で事実を浮かび上がらせる朝日新聞記者出身の筆者。この丁寧さがあれば、大朝日新聞があのような大誤報を連発する事も無かったろうに。
先日の天津の大爆発事故は、歴代長老達が参加する北戴河会議の開催中の事故だけに何らかの黒い背景をどうしても感じてしまう。
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中国を永らく取材してきた記者が文字通り「あし」でかせいだ情報をもとに中国の権力闘争を描いてる。それはまさに凄まじいの一言。習近平の権力基盤が江沢民、胡錦濤の権力闘争の結果、強固なものになっていることが理解できた。共産党と軍部の関係も含め、中国の指導者の言動を理解するうえで大いに参考になると感じた。
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朝日新聞記者が習近平が権力を掌握するまでの直近の中国共産党の活動を関係者への徹底的なインタビューと現地調査(中国のみならず、アメリカもその対象となる)により描き出した労作。
とにかく情報が生々しく、「権力闘争こそ中国共産党の活力」という著者の仮説を裏付けるように、主に江沢民・胡錦濤・習近平の直近3人の首席を中心に、彼らの権力闘争が暴かれる。習近平の首席就任以降、中国では共産党幹部の腐敗や汚職の摘発が精力的に行われており、有力者が失脚するニュースも相次いで報道されているが、その影にこの3者の様々な権謀がどのように渦巻いているかということが理解できる。現在の中国を知る上で、非常に有用な一冊では。
また、色々批判はあっても、こういう本を出せる記者がいるという朝日新聞の力は大きいということを再認識した次第。
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