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田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら 他
オリンピックに参加した自身の体験を描いた「オリンポスの果実」、晩年作の「さようなら」ほか、珠玉の6篇を厳選。太宰治の墓前で散った無頼派私小説家・田中英光。その文学に傾倒す...
田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら 他
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田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他 (角川文庫)
商品説明
オリンピックに参加した自身の体験を描いた「オリンポスの果実」、晩年作の「さようなら」ほか、珠玉の6篇を厳選。太宰治の墓前で散った無頼派私小説家・田中英光。その文学に傾倒する西村賢太が編集、解題。
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紙の本
二人は同じ種類の人間だ
2021/04/21 22:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
編者の西村賢太氏は『藤澤清造短篇集』も編集しているが、藤沢氏の作品を読んでいる西村氏と同一人物ではないのかと思われるほど登場人物が(というかおそらく作者自体が)よく似ているように思われた、気の弱い主人公が酒が入ると一変し・・・というところとか。今回は田中英光氏の作品なのだが、青春時代の淡い恋を描いた「オリンポスの果実」の作者としか記憶していなかった私は、日ごろは気遣いできる人なのに酒を飲んではDVに走る人とが「オリンポスの果実」の田中氏とどう結びつくのか疑問だったのだが、今回、この作品を読み返してみるとなるほど西村氏と田中氏がよく似ていることが判った、どちらも小心者だ。「オリンポスの果実」の題名誕生に太宰治が関わっていたことは初めて知った、いい題名だと感嘆する
紙の本
無頼派の凄絶な私小説
2016/04/21 19:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ「無頼派」と呼ばれているのに、太宰治、坂口安吾、檀一雄にくらべると、田中英光はいささかカゲが薄いように感じられるのは、どうしてだろう。
代表作といわれる『オリンポスの果実』も収録されているが、あまりにナイーブな初恋小説で、わたしなどは、正直言って鼻白んでしまった。
むしろ、わたしが激しく心ゆさぶられたのは、『オリンポス』以外の5つの、赤裸々な私小説。
お世辞にもうまいとは言い難い文体をたどっているうちに、息苦しくなってくるほど。
それでも先を読み続けざるを得ない。
私小説のすごみに打ちのめされました。
紙の本
中期以降の作品は格段のレベルアップ
2016/02/25 23:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
初期の作品には、読点が非常に多い。そのため、文章は非常に平易なのだが、リズムが悪く読みづらい。
中期以降(無頼派のようになって以降)は大分ましになり、内容もレベルアップしているように思う。
「生命の果実」は、作者に非常に影響を与えていると感じる太宰治に関する小説である。
最期の「さようなら」は、自分の人生を概観したような内容であり、すでに自殺を決心していたのではないかと思われる。また、この作品には、兵士として中国に出征していた時の話も隠すところなく書かれており、資料的価値もあると思う。