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最強の投資家バフェット
著者 牧野洋(著)
究極の投資家にして全米最高の経営者バフェット。その富と地位は、いかにして築かれたか。11歳で始めた株式投資、数々の企業買収、「米国株式会社」への君臨、華麗なる人脈など、そ...
最強の投資家バフェット
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最強の投資家バフェット (日経ビジネス人文庫)
商品説明
究極の投資家にして全米最高の経営者バフェット。その富と地位は、いかにして築かれたか。11歳で始めた株式投資、数々の企業買収、「米国株式会社」への君臨、華麗なる人脈など、その素顔を克明に描いたドキュメント。
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紙の本
株式を買うのではなく、企業を買うつもりで考える
2006/10/16 23:58
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルにあるように「最強の投資家」と呼ばれるWarren Buffett。彼の伝記とも呼べる本である。
今年6/26に300億ドル以上に相当する所有株式をBill Gatesの財団「Bill and Melinda Gates Foundation」に寄付すると記者会見して世界をあっと言わせた。それに先立つ6/15にはBill Gatesが2008年に実業界から引退し、財団の慈善事業に注力する意向を発表したばかりであった。この一件については本書は読んでいれば何ら驚くことでもないことが分かる。終章によればBuffettは引退後は個人資産の99%以上を慈善団体へ寄付すると公言しているそうで、 Gatesとの関係の深さについても触れられている。二人は長者番付では上位の常連である。
これまで読んだ株式投資の本でも目にしたことがあるBuffettの名だが、なぜ「最強の投資家」と呼ばれるのか知りたいと思っていた。ネブラスカ州オマハという地方都市を本拠地としているBuffettは尊敬を込めて「オマハの賢人」とも呼ばれている。その理由は終章末尾に端的に言い表されている。「不確実性が高い時代に確実性が高いものを選び抜く能力」
1930年生まれだから今年76歳になる。彼が経営する投資会社バークシャー・ハザウェイは長期保有が基本で、「永久保有銘柄」と読んでいる大量保有銘柄がいくつかある。コカ・コーラ、アメリカン・エキスプレス、ジレットおよびP&G、ワシントン・ポスト、ABC、デイリークイーン、シーズ・キャンディーズ、ガイコ、ゼネラル・リー、ウェルズ・ファーゴなど。シティ・グループ、ディズニー、マクドナルドも一時期保有していたが、基本は”自分自身で内容を理解できる業種”に限っている。銘柄選択では以下のようなことを重視する。
・十分な安全余裕率を見て、経営者も見る。強力なブランドを持ち、不況にも耐えられる、経営者は株主の方を向いているか。
・極端な集中投資、自分の好きなものに投資する
・今後十年後も二十年後も確実に存在し、強固なブランドとフランチャイズに支えられ、それぞれの産業の中で圧倒的な市場シェアを握る
また、彼はストックオプション批判の急先鋒である。株主よりも経営者を利する道具とみなしているのだ。多くの人の彼への寸評は「(複雑な)物事をすばやく理解し、すばやく決断する」と共通する。頭のよい人物であることは間違いないようだ。確実性を好む投資スタイルのため投資銀行業務などには興味をもっていない。しかも米国ではエリート中のエリートであり、ウォール街を象徴する投資銀行を嫌っている。理由は敵対的なM&Aに乗じて法外な利益を得るなど我慢ならないからだそうだ。
富豪でありながら、チェリーコークやハンバーガー、チョコが好きな、一見普通のお爺さんというギャップが余計に彼を謎めいて見せる。金銭的な欲望とは無縁に見えながら、一方で大型買収をしたり、物言う株主として行動したりとビッグな経済活動も行っている。きっと彼にとっては金儲けや消費そのものよりも、彼に投資してくれる株主の永久の利益や、彼が投資する会社の永遠の成長の追求を楽しみとして生きているのだろう。それが自分の生きる道として早くから、愚直に邁進した結果、富豪とも賢者とも言われるまでになったのだと思う。