商品説明
カレー、たこ焼き、マヨネーズ──
食卓から浮かぶ新たな風景
向田邦子「父の詫び状」で描かれた日本の国民食「カレー」、太宰治「津軽」では花見には欠かせない「トゲクリガニ」、「ぜんざい」や「うなぎ蒲焼き」など食べ物を語り始めたと思ったら、いつのまにか文壇交遊録になっている小島政二郎の「食いしん坊」──。
このほか、現在でもなじみのある「マヨネーズ」や「たこ焼き」といった食べ物のフィルターをかけ、文学作品で描かれた当時の食卓から見える世相を読み解きます。
日本経済新聞に連載したコラムの電子書籍化第2弾です。
<今回取り上げた主な作品>
・太宰治「津軽」
・向田邦子「父の詫び状」
・小島政二郎「食いしん坊」
・森鴎外「雁」
ほか
目次
- ・太宰治「津軽」 トゲクリガニ ── 花見になくてはならぬもの
- ・向田邦子「父の詫び状」(上) 新高キャラメル ── 台湾の味、バナナが人気
- ・向田邦子「父の詫び状」(下) カレー ── 最初の紹介者は福沢諭吉
- ・小島政二郎「食いしん坊」(上) ぜんざい ── 汁粉のご先祖、出雲が起源
- ・小島政二郎「食いしん坊」(下) うなぎ蒲焼き ── 江戸の背開き、「切腹」と無縁
- ・堺利彦「新家庭論」 テーブル ── 「みんなで同じ食事」の革命性
- ・森鴎外「雁」 歯磨き ── 明治でも房州砂に房楊枝
- ・北杜夫「母の影」 国産マヨネーズ ── 地中海生まれ、米国経由
- ・開高健「新しい天体」(上) たこ焼き ── 大阪のラヂオ焼きが発展
- ・開高健「新しい天体」(下) 玉子(明石)焼き ── 誕生の鍵握る模造サンゴ
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