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異類婚姻譚

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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2016/01/19
  • 販売開始日:2016/01/19
  • 出版社: 講談社
  • ISBN:978-4-06-219900-1

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電子書籍

異類婚姻譚

著者 本谷有希子

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモ...

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異類婚姻譚

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商品説明

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。第154回芥川賞受賞作!

目次

  • 異類婚姻譚
  • 〈犬たち〉
  • トモ子のバウムクーヘン
  • 藁の夫

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みんなのレビュー137件

みんなの評価3.2

評価内訳

紙の本

夫婦は異類にはじまり同類へと変化する

2016/01/31 21:55

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山好きお坊さん - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルが良い、読みたくさせる猥雑さがある。
 超美人ともったいなくも離婚したパッとしない男と結婚して専業主婦で暮らす容姿の普通の女性が夫婦生活の進むにつれ、夫婦二人の顔が変化して似てきたことに驚く。夫の顔の鼻や目や口が時として勝手に崩れるがごとく位置をずらす。妻サンちゃんの注視に気づくと慌てて正位置に戻る。このころから旦那は人間ではないのではと思い始めた。物に憑かれたように携帯ゲームに興じたと思っていると、今度は今までしたこともなかった揚げ物調理に凝る。体調不良を理由に頻繁に会社を早退するようになると、美人な元妻とよりを戻そうとしているのかとサンちゃんは疑心暗鬼になる。耐えられず、旦那に「あんたのすきなものになりなさい」と問い詰めると、なんと旦那は、山芍薬に変じてしまう。サンちゃんは、キタヱと猫のサンショを捨てに行った群馬の山奥に、その山芍薬を植え、時々会いに行く。
 怪異譚だが、作者は何を言いたかったのか。世間でいう「夫婦は似てくる」ということをベースに、似てくるには理由がある「楽に生きるにはツレアイの姿に同化すればよい、意見でも過ごし方で目立つ差異には「角がたつ」。夫婦とはいえ所詮他人同士、波風立てないほうが気は楽だ。そう考えた方が一方にドンドンと食べられるがごとく自分を喪失させ、無意識に相方に似せていく。 本書では、似ていくことを気取られ、「似るのではなく、好きなものになれ」と怒鳴られた亭主は一輪の白い花を抱く山芍薬になった。ラストに清涼感が漂う、読後しばらく瞑目して、わが夫婦のあり様を思った。

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紙の本

面白く読めました

2016/06/16 20:37

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第154回芥川賞受賞作。(2016年)
 気がつけば夫の顔が日常の怠惰で崩れている。いつしか妻である自分もその夫に似ている。
 説話のような暗い骨を抱えながら、けっして深刻ではなく、読み終われば温かな感情が残る。

 選考委員の一人川上弘美さんが好きな世界だが、その選評ではこう記されている。
 小説では「何」を「どのように」書くのかが大きな問題でこの作品の場合、「何」と「どうやって」の協同があった。それが余りにきれいすぎて「のび」がなかった。
 もちろん、川上さんの評価は前半部分で満ちているようで、この作品を推したとある。
 では、「のび」とは何であったのか。
 これはこの作品の作者本谷有希子さんの資質とも関係しているような気がする。
 本谷さんはすでに劇作家としての評価も高く、劇の構成上、まとめるということが必然である。「のび」は舞台上にはなく、観ている観客側にあるのではないかと思う。
 そのあたり、やはり作家と劇作家の違いが出ているのではないか。
 同じように同じ異界のような物語を描いても川上さんの世界観とはかなり相違しているのも本谷さんの個性だろう。どれだけ異様な世界であっても最後には放り出せないものとしてしか本谷さんは書けなかったのだろう。

 この作品は芥川賞を受賞したが、一歩線を足したり引いたりすれば直木賞の世界でもおかしくなかったようにも思えた。
 だからなのか、読後には物語を読んだという満足感が残った。
 最近の芥川賞受賞作でも出色の好編だろう。

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紙の本

発想は兎も角

2016/01/26 00:00

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある日、自分の顔が旦那の顔にそっくりになっていることに気付いた…という書き出し。まさか、しかし面白い発想。で、夫婦とは、と考えさせるわけだが、脇役として登場するキタヱさん夫婦なしに物語は勧められない。キタヱさんと猫の逸話が深みを増し、芥川賞に結びついたといっていい。他に収録された掌編では、「藁の夫」が、やはり発想の点でユニーク。

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紙の本

相手に合わせて生きること。ひるがえって自分を見失わないこと。

2016/04/24 18:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

似たもの夫婦という言葉がありますよね。
相手に合わせて我慢するよりも、違いを乗り越えてしまおうとか。
お互いを受け入れ、夫婦円満になろうとか。
何かの本にでも出てきそうなきれい事です。
この作品は、まるく収めようとする日本人的な部分を、強めの暗喩であぶり
出すのです。

相手に合わせる、自己主張を控える、ひいては自分で考えるのをやめる。
自分という個性が溶けていく状態を、ふくわらいのように顔のパーツが
崩れていくことにたとえています。

相手に合わせることは自分を律するとも言えますし、
相手に盲目的に従う無責任さとも言えます。

物語の最後に、妻が放った言葉で世界ははじけ飛び、わたしの心には
一つのメッセージが浮かびました。

> ワタシハ ココニ イルヨ

それは自分を見失わないことだと思いました。

以降に、わたしなりの解釈をもう少し続けようと思います。
この作品は様々な捉えかたで楽しめる幅広さがあると思いますので、
気になる方は読了後にお読み下さい。


> ↓↓↓ <以降はややネタバレになります> ↓↓↓
--------------------------------

結婚当初は幸せいっぱいだったはずが、夫はいつしかつまらないゲームに
はまり込んでいます。口癖は、俺は家では何も考えたくない男。
そうです、無意味に時間を浪費し、楽をして妻にぶら下がっているだけの
夫です。
ある日、夫の顔までもが妻に似てきて、一心同体になろうとしているの
でした。

いつの間にか仕事も行かなくなり、勝手に家事を始めます。
ぐだぐだになり、心も体も溶けて混じり合っていきます。
あなたはもう、好きなものになりなさいと命じると、夫は一輪の花に
なりました。

自分を大切にしたい人と、相手に依存してしまいたい人という二つの
精神性に切り込んでいます。
和を尊ぶ日本人は、相手に合わせるよう育てられることが多いと思います。
この作品は、心とはそんな単純なものじゃないことを、人間と別の生き物を
持ち込むことで極端に見せてくれるのです。

作中に出てくる猫を捨てに行く話も同じです。
猫可愛がりをするおばあさんと、もたれかかられる状態から脱却したい猫。
家じゅうのあちこちにおしっこをもらすのは、二方向の意味があります。

こんなに可愛がっているのに、おしっこもしつけられないなんて、愛情が
足りないのかしらと考えるおばあさん。
自分の縄張りを取り上げられたくなくて、必死にマーキングをする猫。
お互いに分かりあえていません。

作品を通して、個性とは何か、人と接するとはどういうことかを
考え抜こうとしているように思いました。
併録の短編も、同じ切り口を感じます。
先走りすぎたかもしれませんが、わたしはこんなことを考えながら読みました。

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紙の本

2015年芥川賞受賞作

2016/03/22 16:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者はニートや引きこもりなど、他者との関係に悩む人を描くのがうまい。本書でも夫と妻という、ある意味では他人同士の奇妙な生活を考えさせられる。

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紙の本

読みやすい

2016/03/06 18:54

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

とっても読みやすく、なめらかな文章です。書き馴れている感じで、物語の世界にも入りやすかったです。ただ、評論家のどなたかもおっしゃっていたとおり、ラストの展開が余計かなって感じですね。また、表題作以外の3作も、ちょっと物足りなかったです。今後の作品に期待しましょう。

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紙の本

「個」のあいまいさ

2016/03/05 23:45

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近話題になったので読んでみました。中篇集です。

「異類婚姻譚」は互いが同化していく夫婦の話。社会の中で自分らしさを保つことを止めると、まぁそうなっていくよなーって素直に同感しました。今回収録されている4作の中で、一番分かりやすくて面白かったです。

続いて、静かな世界で大勢の白い犬と生活する人を描いた「犬たち」、異形の夫と結婚した「藁の夫」など、段々「個」があいまいになっていく作品が多かったです。

どれも着眼点はユニークで面白いのですが、その語り口がかなりゆったりしているので、もう少し物語のテンポが良ければ話に入り込めそうな気がしました。

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電子書籍

実にシュールな世界観

2016/03/04 09:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本谷有希子著「異類婚姻譚」(講談社)は2015年度の芥川賞受賞作品、ということで読んでみました。

この本には「異類婚姻譚」の他、「犬たち」、「トモ子のバームクーヘン」、「藁の夫」の4編が収録されています。

【異類婚姻譚】

主人公サンちゃん(専業主婦)が結婚生活や近所づきあい、弟との関係などの日常生活を淡々と語るのですが、夫が人の形をだんだん取らなくなって人間以外に見えたり、自分が夫に食べられるかのように感じたり、認識の仕方が実にシュールです。主人公始め全ての登場人物の名前がフルネームではなく、カタカナ表記の名だけなのも、主人公の認識する世界の現実感の無さを強めているように思います。サンちゃん本人もだんだん夫と同化していくように人ではなくなっていく感じがして、結婚生活になんとなく危機感を抱いています。こんなふうにしか夫婦関係を捉えられないなんて気の毒に思えてきます。自分も夫も人間として認知できないなんて、何かの精神疾患患者の世界観なのでは、と思わずにはいられない程違和感があり、個人的に全然共感できません。まるでダリのぐにゃりと歪んだ時計のあるシュールな世界を見せられたような気分です。

【犬たち】

知り合いが祖父から相続したという山小屋にこもって黙々と仕事をする人嫌いな主人公。山小屋には何十匹もの真っ白な犬が出入りしていて、「私」はこの犬たちと一緒に散歩したりするのを日課としています。この犬たちはエサは要求しない。

山小屋の生活に必要なものは麓の街まで車で下りて調達するのですが、なぜかこの街には犬が一匹もいない。街の警官は「犬を見かけたら知らせるように」と言う。理由は「人が行方不明になっている」。因果関係は不明。取りあえず、「私」は真っ白な犬たちのことは黙っておき、そのまま山小屋での生活を送り、そして誰もいなくなった、という奇妙な話。SFのようなファンタジーのような。なんとなく腑に落ちない読後感は、その昔に読んだ筒井康隆のショートショートに通じるものがあるように思います。

【トモ子のバームクーヘン】

主人公トモ子は専業主婦で、夫、子供二人と猫一匹と暮らしています。彼女も現実認識にズレがあります。思い出の写真が他人事のように思えたり、夫や子供や飼い猫が急に別の生き物と入れ替わってしまったように思えたり。日常的な非日常さ加減は「異類婚姻譚」の世界観と共通しているように思います。ただ、こちらはダリというよりムンクの叫びのようなイメージに近いような気がします。

【藁の夫】

主人公トモ子と藁でできた夫との生活が描かれています。この「藁」が何の暗喩なのか分かりません。買って1か月しか経ってない夫のBMWをトモ子が不注意で傷つけてしまったことで夫が不機嫌をあらわに文句を言い、それに呼応するように藁の隙間から小さな楽器がばらばらとこぼれ出して来る、という描写が想像すると妙におかしくて、面白いと思いました。

「彼の外に出てしまった楽器と、この残ったかすかすの藁の、どちらが自分の夫なんだろう。」と疑問に思うトモ子さん。「気づくと、太陽の下に干したタオルのように愛おしかった彼の匂いが、家畜に出される飼料の臭いに変わっていた。」と、急に夫が嫌になってしまったようです。それで「藁に火をつけたらどうなるか」と想像してしまうあたり、随分嫌悪感を抱いてしまったようです。

それにしても、なぜ「藁」?

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紙の本

ぞくっとする

2016/02/09 15:55

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:D - この投稿者のレビュー一覧を見る

4話の短編集で、表題の異類婚姻譚が154回年芥川賞受賞作品の1つ
(本谷さんはノミネート4回目で芥川賞受賞) 。

家族といえども、本当は他人同士で成り立っている夫婦のあり方の一つを描いた作品 。
本文中にある「自分だけ、俺に食べさせてると思ったんでしょ」がぞくっときました。
自分だけが相手に合せているんだと思いがちですが、実は相手にやってもらっていることは見えない。やってあげたことばかりが心の中に塵のようにたまっていく。
しかし、あんな旦那ならば別れた方がいいのに別れられない依存度というのも怖いですね。。。
他の3篇も楽しく読めます

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電子書籍

ゾクッとする話。

2016/01/27 01:33

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ある日、自分の顔が旦那の顔にそっくりになっていることに気付いた」
この最初の文章にすべての内容が含まれている。どんな内容なのか気になって購入。何も知らずに読み始めたが、内容はとにかく旦那の顔が気持ち悪かった。ホラー小説かと思うほど不気味でゾクッとする。正直に言って、結末がどういう意味なのかよく分からない。ただ、余韻が残る怖い話だった。
 ちなみに、この本には表題作以外にも三つの短編が入っている。

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紙の本

もう一回読みたくなる話ではないと思う

2016/02/04 23:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:TORA - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を読んでいて思うのは

この本を書いた人はセンスがいいなあ、ということです。

話の進め方、そしてストーリーに何が起きるのか、など
ところどころにそう実感する箇所があります。

ただ、読んでいてなんとなく後味が悪い。
なので、読んでよかったとは思えませんでした

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紙の本

お互いの依存をゆるいホラーに

2016/03/14 20:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

芥川賞とか三島由紀夫賞など、純文学系の受賞作は、そういう世界がお好きな人はともかく、「わかりやすい」からは程遠いので、どの作品も賛否両論になるのは仕方ないことだと思っています。

 私は居心地のいい、気持ち悪さみたいなものを、表題作『異類婚姻譚』他短編に共通して感じました。
言葉遣いはやさしくて、難しい表現を振り回しているわけではありません。

 結婚して4年。働く必要もなく、子供もいなくて、家事は機械がやってくれるならば私は何なんだろう・・・と思いつつも、専業主婦をしているサンちゃん。
夫は仕事はきちんとするけれど、家に帰ってくると「何も考えたくない」とテレビのバラエティ番組やゲームに没頭する。
そんな時、顔つきは全然違うのに、夫婦そっくりになっているのにふと気づく。
そして夫の顔がふくわらいのようにどんどんくずれていくのも、目にするようになる。

 仕事をやる気なくして、会社をさぼるようになり、反面、揚げ物に熱心になり家事をまめにするようになる夫。サンちゃんは逆に言う。「専業主婦の気持ちなんてわからないよ」

 別にいがみあったり、暴力をふるったりといったわかりやすいすれ違いではなく、なんとなく、のすれ違いがじわじわと進んでいくところが怖い。
同じマンションのキクヱさんという老婦人と仲良くなって、どうしてもトイレのしつけができない猫、サンショを山に捨てにいくところは、実はこの物語の象徴なんだと思いました。

 人間が都合悪ければ、「捨ててしまえばいい」でも、夫婦はそんなに簡単には都合悪いからといって捨てられない。ぬるま湯につかったように、依存しあっているサンちゃん夫婦などは特に。
仲が良いというよりも、お互いの依存がぴったり合致した夫婦。顔が似てくるというのは、内心の依存しあう気持ちがサンちゃんだけには見えてくるのでは?というのが感想。

 もちろん他の解釈の仕方もあると思うし、寓話ともとれるし、変身譚とも色々な風にとれるから、純文学の世界は興味深いなぁ、と思います。どの話もどこかホラーなんですよね。でもなんだかぬるいホラー。

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2016/02/21 11:29

投稿元:ブクログ

胃が痛くなってやられた。役割というか、個性?、やっぱり役割か、役割に閉じ込められてんのな。あなた妻ね、主婦ね、飼い主ね、誰々ね、って感じで窮屈に閉じ込められててそれで共食いになっていなくなるか、そんなんから解放されてけるかって話。こわい。

2016/03/18 18:42

投稿元:ブクログ

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「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。大江健三郎賞、三島由紀夫賞受賞作家の2年半ぶり、待望の最新作!
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夫婦が同化していくというところにはうなずけはするが、それに違和感を覚え始めた途端に、夫の存在そのものが輪郭をあやふやにし、よく判らないものになっていくというのは、実感としてはよくわからない。目のつけどころは面白いと思うが、ここまでホラーっ気を強くしなくてもよかったのではないかという気がしなくもない。それともこれは真性のホラーなのだろうか。それならまた別の話しではある。好みが分かれる一冊かもしれない。

2016/03/09 16:16

投稿元:ブクログ

夫婦がだんだん似てくるというのは微笑ましい良い意味で使われるのだろうが、この夫婦はまるで違う。
人ではない何か、異形へと向かいこの先どうなってゆくのかと不安な気持ちを煽る。
考えることさえ面倒で嫌がる夫、毎日大量のフライを揚げる夫、コインのゲームをやめない夫が薄気味悪かった。
「藁の夫」は同じ夫婦のカタチを描いたものでもぐっとくるものがある。
藁に火をつける自分を想像までしたトモ子だが、ふと我に返り楽器を藁の中に戻してゆく姿に安堵感を抱いた。

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