紙の本
実に珍しい気象現象を物語の中に位置づける力量に感嘆しました
2019/03/23 22:45
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
実に珍しい気象現象を物語の中に位置づける力量に感嘆しました。「球雷」=「球電」(123)、「プレッシャー・ディップ現象」(166)、「エオルス音」(225)など、私も知らなかった用語が出てきたのには驚きでした。第5章 標本木の恋人(245~307)は、珍しい用語こそ出てこないが、桜開花予想の裏側や生物季節の話などにも触れることで気象業務の一端を垣間見れる。地球科学専門というこの著者、なかなかのものですね。
紙の本
読みやすい小説
2016/02/27 11:30
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投稿者:Fox - この投稿者のレビュー一覧を見る
重くはなく、読みやすい小説。主人公(ヒロイン?)の信念も貫かれており、不自然な点はない。ただ、ハートウォーミング小説とは言い切れないところが難点。
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探偵の男の人と気象予報士の女の人が解いていくミステリ。人は死なないけど日常というには無理があるような。
2015/12/15
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★天気は誰もえこひいきしない
【感想】
・これはかなり楽しめました。たぶんキャラが好み。
【内容】
・わりと科学の要素が強い科学ミステリ。
・夏生のとこにきた依頼を蝶子が解く。
・所在のわかっている人を探す。
・雷を探す。
・ヤバそうな荷物を運ばされる。
・誘拐されたバイオリンを探す。
・花見の場所取りを依頼された。
▼簡単なメモ
【井出】依頼人。雷を探してほしい。八十には届いていなさそうな老紳士。以前犬探しの以来をしてきた佐久間さんの紹介で夏生のとこに来た。
【江藤佑真】「標準木の恋人」さんの曾孫。
【エルオスの竪琴】風によって鳴る音を楽しむ楽器だったらしい。一度聴いてみたい。
【風が吹けば桶屋が儲かる】蝶子の天気予報で最後に因果関係が不明な何々すればナントカがこうなる的な発言があり皆がどういう意味だろうと考えているらしい。本人も適当に言ってるだけで特に科学的な理由があるわけでもなさそうだ。
【気象通報】NHKのラジオ番組。気象情報を読み上げるだけ。登山していたのでそれを聴いて天気図を書く訓練はしていたけど個人的には現場で自分の目による観天望気のほうをアテにしていた。
【コマツオトメ】桜の品種。ソメイヨシノに似ているが花色がすこし濃い。ぜんぜん知らなかった。ソメイヨシノはコマツオトメとオオシマザクラの交配によるものらしい。
【ゴルフ・カブリオ】夏生の愛車。オープンカー。所有権を蝶子に奪われ運転手扱いとなる。
【榊原菜々子/さかきばら・ななこ】依頼人。音々の母。以前チンチラ探しの依頼人だった木村さんから紹介された。
【榊原音々/さかきばら・ねね】依頼人。菜々子の娘。目白音大の四年生。バイオリンの名器グァルネリぎ誘拐された。
【島本由衣/しまもと・ゆい】依頼人。落とした大事なキーホルダーを見つけてくれた男性を探している。
【宗教】蝶子いわく《わたしに宗教は必要ない。でも、だらしなく生きてるミギタを戒めるためなら、どんな宗教でも利用する準備がある。ゾロアスター教でも真言教でも》p.242
【多部】ウェザーコムで蝶子の後輩。
【蝶子/ちょうこ】菜村蝶子。主人公のひとり、探偵役。「ウェザーコム」の社員。いまはテレビのお天気お姉さん。死んだような目で天気予報を伝える。「無愛想すぎるお天気キャスター」として人気があり、すでにファンサイトがいくつも立ち上がっている。誰に対しても遠慮はないが夏生に対しては特に遠慮がない。笑うとタレ目になる。天気オタクではなく流体力学オタク。元々は研究者になるつもりだったらしい。性格的に上司あたりともめたのかもね。知っていることを聞かれたら答えてくれるが自分から気を利かせて話すことはあまりない。
【寺西春恵】依頼人。高田の森公園での花見の場所取りを頼まれた。
【天気】《それは、しょうがないけぇ。天気は、誰もえこひいきせんじゃろ》p.14
【天気予報】蝶子いわく《天気予報なんて、どうでもいい》《雨が降ったら傘させばいいし、晴れたら口笛でも吹いて帰ればいい》p.48
【富樫】ウェザーコム総合予報センターグループリーダー。蝶子とやり合う。
【富樫美由紀】富樫グループリーダーの妻。ウェザーコムの法人営業部。
【中根勇治】カンザキ冷機の社員。島本由衣が探していた相手。足に機械を落として入院中。
【夏生/なつお】右田夏生。主人公のひとり、ワトソン役。菜村蝶子が転校した小学校の同級生。大人になったいまは探偵とか投資とかやってる。蝶子いわく《夏生は勘だけはいい、夏生の心に引っかかったことは何かしら意味がある》p.54。三人の姉に振り回され「若い女性には分け隔てなく親切にしておくこと」という処世術を身につけた。愛車は初代ゴルフ・カブリオのオープンカー。雷が苦手。
【菜村蝶子/なむら・ちょうこ】→蝶子
【菜村蝶子の母】ガーデンプランナー。
【春】蝶子は春が大嫌いらしい。《春って――希望の押し売りみたいだから》p.83
【ハンカチ】夏生は常にきれいにアイロンをかけたハンカチを持っている。《多少はバカでも貧乏でもいいが、不潔なのは絶対にダメ》というのが三人の姉の厳しい教え。
【標準木の恋人】ウェザーコムに桜リポートを送ってきていた人物のハンドルネーム。的確で一目置かれていた。元気象庁職員。
【ふるさと】夏生は岡山出身。たぶん倉敷の南あたり、鷲羽山近辺かと。出身者としては若干言葉に違和感をかんじつつ…
【右田夏生/みぎた・なつお】→夏生
【ヤマモト】依頼人。ヤのつく商売の人っぽい。とある荷物を運ぶよう指示した。
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天気予報が嫌いな気象予報士は、今日も妙な発言で
天気予報を終了している。
そんな彼女を幼馴染にもっているのが、主人公。
夏が大好きだったのに、諸事情で大嫌いになり
借金取りに追われている、という日常。
なぜに借金? と思ったら、分かりやすいというか
落ちそうな現実に落ちていました…w
天気に関して、の事件でしたが、すべてにおいて
言われたらそんな気も…な事件ばかり。
彼女が適当に喋っているコーナー最後の言葉も
たまに関連性があったり?
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タイトルと表紙のイメージほどミステリアスなわけではないですが、日常の謎系の話をうまいこと天気に絡めていて、なかなか楽しめました。
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軽く読む分には悪くないけれど、あまりにキャラクター設定に頼り過ぎて著者の経歴からくる知識が上手く活かされていないように感じる。
若者向けの作品なので、これくらいが適当なのかな。
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お天気はゼッタイにえこひいきしない、というコピーに主人公の芯の通った心根がありそうと読んだ所、それは当たっていた。気象予報士が気象の知識とデータを元に謎を解く、という設定は初で、自然好き的に楽しい。最初の方の話こそ、解法のための謎になっていた感があり気になったが、後半に行くにつれてそれがなくなり、謎解きもこなれた。気象界(そんなものがあれば)の裏側に踏み込んでいくほど、フィクションであっても知らない世界を垣間見られて、面白さが増していく感。
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小説新潮で読んだこのシリーズがきっかけで伊与原作品を読むようになりました。全部読んだことあるけど、また読んでも面白かった。
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お天気ミステリー。お天気はえこひいきしないっていう台詞がいい。第3章が好き。台風二過も友情ものとしていい。腐れ縁の幼なじみって感じも連ドラ向きなのでいつかドラマになりそう。
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気象が謎の解決のキーになる日常の謎もの
金欠探偵の右田と気象予報士の蝶子は子供の頃の同級生
職業は探偵だけど、謎の探偵役は気象予報士の方
ってか、子供の頃のエピソード要るか?
不機嫌キャラの気象予報士ってのは面白い
不本意ながらテレビに出させられているらしい
そんでもって、風場吹けば桶屋が儲かるかのように一見意味不明な予言をする「蝶子のバタフライ効果」
リアルにそんな気象予報士がいたら面白そう
依頼が少ない故に依頼を断らないというか断れない探偵
依頼者の事情を含めて引き受けるというのもなかなかよい
だからこそ変な依頼で裏の事情があるんだけどね
キーホルダーを拾ってくれた人を探して欲しいとか
50年以上前の火災の原因は落雷だったのか確認したいとか
運び屋をしろとか
盗まれたバイオリンを探して欲しいとか
花見の場所取りをして欲しいとか
落雷の件に関しては実に人情的でよい
バイオリンの依頼は明らかに本人が関与してるのがあからさまなんだけど、友達が云々というのがミスリードになって引っかかって惑わされる
桜に関してはソメイヨシノはオオシマザクラとコマツオトメの交配とかって書かれてあるけど
遺伝子解析の結果、実際はコマツオトメはエドヒガンの近縁というだけなのがわかってるからこれはウソですね
でもまぁソメイヨシに似てて開花が早いというのは正しいのでストーリー的には問題ないんだけどね
個人的に、春は過ごしやすくて好きなんだけど、人によってはかえって気鬱になるというのもなんとなくわかる
「春って――希望の押し売りみたいだから」という作中の言葉が将にそれかな
あと、気象予報士のプライドと言うか、職業倫理はちゃんと守らなきゃダメでしょ
ある意味で人の行動を左右してしまうんだからさー
「天気は、誰もえこひいきしない」という言葉は結構好き
天気がどうだっていいってのも、石原良純が「そんなに天気知りたい?」って言ってるのに通じるものがあるな
雨のときは雨をそのまま愉しめばいいんだよな~ と「日々是好日」を読んでから思えるようになったからか雨がそんなに嫌ではないからなぁ
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菜村蝶子は、“無愛想すぎるお天気キャスター”として、TV番組で風変わりな予報コメントをする気象予報士。
そんな蝶子の幼なじみの右田夏生は、探偵事務所の看板を掲げながらデイトレードに精を出し、時に借金取りに追われたり、胡散臭い仕事を引き受けたりしているが…
夏生の元に持ち込まれる謎を、蝶子が気象の知識で解き明かす、日常ミステリ。蝶子のオタクな言動と気象に関する知識からの推理、蝶子にコテンパンに言い負かされる夏生のダメ探偵ぶりがポイント。
同じ著者の『青ノ果テ』が良かったので手に取った。
けれど…主役のふたりがもの足りないというか…ふたりの間にあるものが弱いというか、薄いというか…
蝶子が気象予報士になったのは、幼い頃に刻まれた経験のため。でも夏生が長じて探偵になったというのが、ミステリ仕立てにするためにそうしただけのように見えて。
さらっと読みやすかったことは確かだけれど、何かがもうひとつ、という感じ。
うーん。
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お天気はゼッタイにえこひいきしない――。
天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな、でも奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探し、"誘拐"されたバイオリンや早咲きの桜に秘められた想いを解き明かす鍵は天気予報! 明日の天気を願う時、それは誰かの事を想う時――。あなたの心の雲もきっと晴れるハートウォーミングお天気ミステリー。
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「気象ミステリー」ともいうべきか。気象予報士の主人公と幼馴染の探偵が探偵事務所に依頼された問題を解き明かすミステリー。最近色々なジャンルの「人が死なないミステリー」が出てきているが、気象を絡めたものは始めて読む。天気予報にある程度知識のある人には面白く読めるかもしれないが、分からない人にはチンプンカンプンかもしれない。その辺の解説が詳しければもっと良くなったと思う。ただ、その部分を除けば楽しく読むことができた。感想はこんなところです。
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キャラの魅力がもっと出せそうな感じがして、もう少し読みたいなと思ってる読了直後。続編はないのかな?
こんな予報士、ちょっと見てみたい(笑)