電子書籍
西洋菓子店プティ・フール
著者 千早茜
女を昂奮させない菓子は菓子じゃないスイーツは誰かの心を不意につかんで新しい場所へと羽ばたかせるスイッチ。下町の洋菓子店を舞台に繰り広げられる鮮烈な六つの物語。
西洋菓子店プティ・フール
西洋菓子店プティ・フール
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紙の本
ビタースイーツな人たち。
2018/11/18 17:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほんわかしたイメージで手にしたのですが、
予想外に心理面に切り込んでくる作品でした。千早茜さんは
デビュー作の表紙のインパクトが大きく、記憶に残っています。
でもホラーテイストな扉絵に手をこまねいてしまいました。
その結果、これまでに一冊しか読んでいません。
この作家さんに何かあると感じていたことは正しかったようです。
注文したい部分もありますが、書きたいことが伝わりましたし、
充分楽しめました。
西洋菓子プティ・フールは亜樹のじいちゃんの店です。
半年前から手伝っています。
以前はフランス人シェフのパティスリーで修行していたのですが、
そろそろ独立したいと思うようになったことと、
祐介にプロポーズされたことで、辞めることにしたのです。
亜樹はじいちゃんの店に入ってから強い刺激を受けています。
昭和の古くさいバタークリームと思っていたのに、
いざ亜樹のケーキと並べると売れ行きが見事に違うのです。
小さいころから慣れ親しんだ味には、やはり秘密があるのです。
じいちゃんは専門的な分析はせず、こつだけで最高のものを
作るのです。亜樹は結婚の前段階で店に入ったはずなのに、
意地になっています。
そんなところから見え始める人間関係のほころびが、
この物語の核となります。
全部で六章の連作短篇です。
亜樹、婚約者の祐介、亜樹の後輩など、周りを取り囲む人の目線で
多面的に掘り下げられていきます。
亜樹の作るのは容赦のないケーキ。
技術は高く、味は濃厚で際立っているのに、
なぜか心を捉えられないのです。
そのケーキが、亜樹の人柄とも重ね合わさります。
そうか、ケーキってなくてもいいものだけど、
あったほうが豊かになるものなのですね。
それは人生を生き抜く中で出会う仲間みたいなもの。
そんなメッセージを受け取りました。
ケーキレシピも本格的ですよ。
紙の本
苛烈だけど後味の良い連作
2023/08/11 11:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
再読。
以前読んだときは爽やかで前向き、と思った気がしたんだけど
どうやら後輩君の恋愛感情の部分しか覚えていなかったようで。
けなげでひたむきでよく気付くのに、
その特性は特定の相手にしか発揮しない残酷さ。
彼以外の人物も、
視点が変わると全く別の人に見える。
亜樹さんの作る、甘さも苦さも酸っぱさも鮮烈なスイーツのような、
苛烈だけど後味の良い連作でした。
じいちゃんのシュークリームも食べてみたいけど、
亜樹さんのスイーツの描写が魅力的過ぎて!
いつかパティスリー アサコ イワヤナギに行ってみたいです。
電子書籍
夢と現実のはざまで揺れる女心
2016/06/12 12:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
祖父母の店でパティシエとして働き、婚約者も高スッペクな弁護士と特に不満もなさそうな女性。ただ、一度つまずくと、コロコロと転がるように負の世界にはまっていくところは、女性目線で読んでるとこの主人公に腹の立つこともありました。紆余曲折もあっての人生かなと思いました。