読割 50
電子書籍
濁った激流にかかる橋
著者 伊井直行
激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの...
濁った激流にかかる橋
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
濁った激流にかかる橋 (講談社文芸文庫)
商品説明
激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
途方もなく無秩序な市で育まれていく人間関係
2020/01/31 21:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は文庫本の”著者から読者へ”のなかで、こう語っている「ある架空の場所を想定しての断片の集積ないし連作というスタイルの最後のものである。これらの小説は、伝統、文化、血縁といった地域性によって、強く抑圧されることもない代わりに保護もされない場所で人が生きるという経験を、多くの場合やや遠目から俯瞰しつつ描いたものである」。裕福な左岸に住む人と貧しい右岸に住む人という対極化された街の人びとを作者は引いた目で見つめているのだ。こんな激流のある街なんて日本にあるのかなと思いながら読んでいると、作者が「そのころ中国とマレーシアにしか行ったことがないので、そこの川を参考にして無秩序な市が生まれた」というようなことを語っているので合点がいった