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バタフライ(5)
著者 相川有
幽霊退治を続ける上羽と銀次の前に現れたのは、かつて銀次の兄・鉱司の自殺を予言した、伝説の霊能者・松江尤翆。その驚くべき力に対し、真っ向からの霊能力対決を挑む上羽の狙いは?...
バタフライ(5)
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バタフライ 5 (バーズコミックス)
商品説明
幽霊退治を続ける上羽と銀次の前に現れたのは、かつて銀次の兄・鉱司の自殺を予言した、伝説の霊能者・松江尤翆。その驚くべき力に対し、真っ向からの霊能力対決を挑む上羽の狙いは? そして、全てを見届けた銀次が目にした真実とは…?? 少年たちに光は射すのか――全ての謎が明らかになる驚愕の最終巻!!
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紙の本
しっかり構成された全五巻
2013/03/10 09:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:potman - この投稿者のレビュー一覧を見る
幽霊に形を与えて、その上で殴り壊すという話。
以前に3巻まで読んでいて、本棚の整理の際に、完結しているなら全部読んでおこうと思って、4、5巻を購入。
最後まで読めたのは、良いことだった。
人は見たもの、聞いたものを、結局は脳で処理して、腑に落とす。
多くは、見たいものしか見ないし、信じたいものしか信じない。
認識が主体によるものである限り、ヒトの中に完全な客観は存在しない。
現在でない、過去や未来は、さらに意識的な偏向が色濃くなる。
それを自分で制御することは難しい。
だから、銀次は幽霊を壊す。
それで救われる事態は、少なからずあることだろう。
ただ、実際に、囚われた過去を壊さなければならなかったのは、銀次と上羽自身だった。
5巻という、比較的短い中でその結末にたどり着くために、寄り道はほとんどなく、ただの他人の事件と見えたものも、ちゃんと描かれたものは最後の、対決に集約していく。
銀次の兄が死ぬ原因となった霊能者と、上羽の父であるプロデューサーとの対決。そして、それを乗り越えての、自分たち自身の捕らわれからの脱却。
わからない、理由がつかないことは不安だし、怖いから、理由を求める。私自身「なぜそれはそうなって、そうであるのか」というのは、常に知りたい。何か、理由がほしい。
その収まりの良い解決の代弁者が、上羽の父であったり、霊能者であったりで、それを乗り越えた先に、実は無いことが確定せざることになる「誰にとっても確かな普遍的な真実」
銀次は、それを見つめて、確かな真実など見つけられないことにイライラしながら生きていくことを宣言する。
イデアは人間の中には無いことを確信して生きていくのはしんどい。
だから多分私は、何かをごまかしてでも、納得して生きていく。
人の話を聞かず、自分のこだわりは曲げない銀次というキャラクターは、漫画的な特徴を付与されたキャラクターとしてはありふれていて、その系統は正直私は苦手だ。
だが、この話では、銀次はそうでなくてはならなかった。
だから最後は、高校4年生になってしまった彼の幸せも願いたいと思う。