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色彩論
文豪ゲーテは多くの貌をもつ。その文業とともに、終生情熱を傾けたのが、植物学・動物学・地質学・解剖学・気象学などに及ぶ広汎な自然研究であった。とりわけ形態学と色彩論はその白...
色彩論
色彩論 (ちくま学芸文庫)
商品説明
文豪ゲーテは多くの貌をもつ。その文業とともに、終生情熱を傾けたのが、植物学・動物学・地質学・解剖学・気象学などに及ぶ広汎な自然研究であった。とりわけ形態学と色彩論はその白眉と言うべく、シュタイナーらの再評価を経て、現代的関心もきわめて高い。分析と還元を旨とする近代科学の方法に対して、綜合と全体化を目指すゲーテの理念の背景には、汎知学─ヘルメス学の伝統が控えている。『色彩論』の精髄たる「教示編」に加え、「科学方法論」を併載し、ゲーテ自然思想へのチチェローネとなす。
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紙の本
ドイツを代表する文豪ゲーテによる自然科学についての興味深い書です!
2020/04/15 09:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツを代表する文豪として有名なゲーテによって著された自然科学についての書です。ゲーテと言えば、小説『若きウェルテルの悩み』、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』などが有名ですが、実は、植物学、動物学、地質学、解剖学、気象学などにおいても深い知見を有しており、特に、形態学と色彩論については素晴らしい研究成果をもっているのです。同書では、分析と還元を基本とする近代科学の方法に対して、彼、独自の綜合と全体化を目指す理念が明確に示されています。同書は、「科学方法論」と「色彩論―教示編」という2部構成になっており、ゲーテの知られざる一面が垣間見られます!
紙の本
科学という名の文学
2001/10/11 19:28
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高山宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先の1999年がゲーテ生誕250年ということでゲーテ再評価の動きが目立ったし、我が池内紀氏が長年の夢を悠々自適暮しの中で精力的に実現する中で改めて多面のゲーテの姿を論や『ファウスト』名訳で掘り起こしている。そんな中でも昨年度工作舎から翻訳の出たゲーテ『色彩論』は白眉と言えたが如何せん超豪華・超高価。それが一方で文庫版もあるということになった有難い一冊である。
一国の宰相でありながらロマン派文学の大文豪であるゲーテにもうひとつ、実はロマン派が淫した自然科学分野の代表的存在としての顔がある。DNAも知らないのに植物細胞の二重ラセン構造を見抜いた植物論とか。そしてもうひとつの大業績が『色彩論』。ニュートンの『光学』で始まりゲーテ色彩学で終った18世紀とは何、それを終らせたロマン派の「青い花」とは何だったか改めて考えさせる。「何かの快が去っていく時、それを追う目はおのずと青を見る」などと、これは科学という名の文学なのである。(高山宏/英文学者 2001.4.3)