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絶望系 閉じられた世界
著者 著者:谷川 流 , イラスト:G・むにょ
この世には、うんざりすることが多すぎる。たとえば、八月なのにやたらに涼しいとか。呼んだ覚えのない者たちが突然部屋にやってきたりとか。その連中が何を言っても出て行こうとしな...
絶望系 閉じられた世界
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閉じられた世界 絶望系 (電撃文庫)
商品説明
この世には、うんざりすることが多すぎる。たとえば、八月なのにやたらに涼しいとか。呼んだ覚えのない者たちが突然部屋にやってきたりとか。その連中が何を言っても出て行こうとしないこととか。あるいは、幼い頃から知っている馴染みの少女が連続殺人犯だったりとか。鬼才・谷川流が贈るブラックな実験作、解禁!
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紙の本
『涼宮ハルヒ』とは違う爽快感
2007/09/10 14:33
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ざわ・・・ぶろぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『涼宮ハルヒ ~』シリーズで有名な谷川流さん。
読後に受けた印象を端的に表すと、この本は、とても乾いている。
絶望とタイトルにある通り、世界観が暗い。
『涼宮ハルヒ ~』シリーズは爽快感のある話だけれど、この本にはそれは無い。
いや、ある意味、爽快感があるのかもしれないけれど、明らかに異なる種類のものだ。
『絶望系 ~』では性に対する価値観や人生観、というか世界観が主に描写されている。
一般的な価値観、常識、そういったものを否定する数人のキャラクターたち。
こういうのが「セカイ系」(Wikipedia参照)というやつなのでしょうか。
谷川さんは少年時代、アイザック・アシモフなどのハヤカワSFで育ったと
確か、読売新聞のインタビューで仰っていましたが、
SFを絡めた独自の価値観、世界観があるので、それが好きです。
ある種、思想のような形而上学的というか概念的というか…私の文章力を超越した概念。
ただただ、すごいなぁと感嘆の声をあげるばかり。
あとは文章。読点を挟まずにワンセンテンスが4行に渡ったかと思えば、
キャラクターが台詞をしゃべっているかのような軽快なテンポの地の文。
そして「うまいなぁ」と思わず呟いてしまう独創的なレトリック。
あんな比喩はどこから湧いてくるのだろう、と思うようなものが多くて好き。
爽快であるような、ないような、そんな1冊。