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核家族
2022/08/26 21:29
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投稿者:ぱんだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスの近代化を様々な視点で説明しているので面白い。
家族のあり方、生活のあり方かたの説明が今まで知らない視点でしたので特に面白いと思いました。
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これを読んで日本の衰退期からの脱出のヒントになるかどうか?
社会、文化の違いがあるので彼らに成功事例があってもすぐに飛びついてはダメだと思われます。
イギリスは17世紀に既①単婚核家族で、②晩婚、③14歳くらいから7−10年他人の家に奉公に行く。
少なくとも①②がこれほど早い時期から行われてきたということでは、戦後くらいからそのような傾向が出てきた日本と歴史の重みが、異なります。これほどまでに違いがあったのかとびっくりしました。
これら以外にも産業革命の起こった国にはこのような背景があったのかという新たな発見がありました。
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ウォーラステインの世界システム論に準拠していて、「イギリス近代史講義」というタイトルから予想した内容とは少し違った。 イギリス一国の近代史を語るのではなく、貿易等による国際分業の仕組みの中でのイギリスを語るという趣向。
世界で最初に産業革命が起きたのはなぜイギリスだったのかを論じたが第四章が圧巻。
支配階層であるジェントリー層は資本の蓄積をしてはいたが、彼らが産業革命に寄与したのは、ファイナンス面ではなく、綿織物等の贅沢品の需要創出面においてであった。
輸入に頼っていた贅沢品の「輸入代替」として、産業革命は起きたのだという。
一方、イギリスは衰退したのか、については、長いタイムスパンでみればイギリスは一貫して「成長」している。
しかし問題は「成長」という概念それ自体にあり、本来、時代をまたいでは比較不能/困難(このあたりの「比較困難/不能さ」の検討には目から鱗が落ちる)な消費や所得を無理やり比較して「成長」の成否を吟味しようとするのは、「成長パラノイア」の表れである、とされる。
なるほど。たしかにイギリスは「衰退」してはいないのかもしれない。とくにイギリス経済の心臓部であるシティは健在である。
しかし、昨今のグローバル化によって、古くから金融と権力を牛耳ってきたジェントリー層はシティから放逐されてしまったという。
だとすれば、イギリスは「衰退」はしていないのかもれないが、主人公不在となってしまったいま、「衰退」どころかイギリスはなくなってしまったのではないか、と妙なことを考えた。
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82010/12/9読了)イギリスはやはりジェントルマンの国なんですね。・・・読み終わってから20日も経ってるので内容忘れてしまった。でも産業革命のこととか色々面白かった。そして結論『衰退=不幸とは限らない』。でも日本の場合はまだ衰退=不幸ととらえらえてるし、なんか衰退=不幸になりそうな気もするんだよなあ。
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第3章「ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス」読了。ついに世界システム論が登場、川北先生の面目躍如。「なぜヨーロッパは世界進出をしアジアはしなかったのか、という問いにウォーラーステインは答えられるがブローデルは答えられない」。またイギリスの「帝国植民地」の社会的意味なども。本国で生きづらい人が植民地に出ていく仕組み。
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イギリスでなぜ産業革命が起きたのか、そして資本主義的なスピリット(「成長パラノイア」)はなぜ発生したのか。さらに、なぜイギリスは「衰退」したのか。これらの問いに、近世、近代のイギリス史、特に地方と都市の関係を初めとした社会システムを読み解くことで答えようとする力作です。資本主義の発生過程については、Mウェーバーのピューリタニズムを原因とする論がありますが、作者はそれには否定的です。
階級社会ながらも、上流階級には地位が固定的な貴族だけでなく、頑張れば一般市民も「ジェントルマン」として成れる。ジェントルマンを目指す上昇志向が、農村から都市への人口の流れと同時平行で発生することが産業革命や資本主義に繋がるという指摘が斬新で面白い。
中でも、汗水たらして働くことはジェントルマンに相応しくないということから製造業が評価されず、金融業がイギリスで発達したという視点は、日本人の製造業信仰と対比してみると興味深い。
他にも、王国の競争からなる欧州と、帝国として安定した社会を維持した中国、イスラム国家との違いや、植民地の位置づけなど、斬新な視点が盛りだくさんで、目からウロコ間違いなしの一冊です。
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帯には「イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える一冊」って書いてありましたが、日本の現在についてそれほど考えてどうのこうの云ってませんでした。今忙しいので感想は追々。。。
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高校の歴史は殆ど忘れてしまった私ですが、この本はとても楽しく読めました。
歴史という窓を通して、人間の様々な側面を考える本です。
「田舎と都会とは何だろう」「なぜ工業化はイギリスが早かったのか」など、素朴な疑問からスタートし、分かりやすく実例を交えながら解き明かします。
イギリスの歴史が我々の現在にこのように大きな影響を与えていることを初めて知りました。
歴史が苦手な方でも、サクサク読めるお勧めの一冊です。
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イギリスではイギリス国内で生活できない人たちが植民地に行った。
世界システム論の中でのイギリスの産業革命。
産業革命はイギリスではじまったのだ。
イギリス人にとって、植民地の持つ経済的、社会的な意味は他にもあった。文化の経済的な意味、英語は世界に数ある言語だったが、イギリスが世界制覇することによって広範囲で使われるようになったのは周知の事実。
イギリスではオックスブリッジを出た連中はシティには行くが製造業には行かない。
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圧巻であった。
本書は発売当時、いつか手にとって見たいと願った書籍の一つである。
その願いが叶い、読了を迎えた。
本書は、
単なる歴史的事実の羅列にとどまらず、
個々の事象の背後に隠されて見えにくくなっている通奏低音を解き明かす役割を果たしたと私は考える。
おそらく砂糖と世界システム論との関連を考えた人はほとんどイないであろう。
着眼点の鋭さはさりながら、一定の法則性のもとに「謎」を解き明かすさまは、読んでいて快感とも思える印象を与えているように感じた。
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世界が、一つのシステムによって成り立っているとしたら、その世界大に広がっているものは何だろうか。
それはヒトだろうか。それともモノ・カネだろうか。
グローバリズムという「傾向」は、決してここ数十年来に始まったものではない。
文明としての技術は、産業化ないし工業化を促したわけだが、まさにそれが、どこにいても利用可能なものとして、普遍化していったのである。
だとすれば、その発端となったイギリスの近現代史を探ることによって、現代の世界への見識が深まる可能性があるとも言えよう。
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なかなか堅苦しい題名の本ですが、なかなか面白い内容でした。帯にもあるように「大英帝国の興亡から現代日本を考える」と言うことで、日本はイギリスの追体験してきたようなところがあるのではないかという発想は面白いものがあります。しかし、そこから何を学ぶかと言うとこれがなかなか難しい。
イギリスがどうして「世界で最初の工業国家」となったのか、そしてその後20世紀後半に到来した「イギリスの衰退」とを同時に考察することの意味、さらには、そもそも「成長」とか「衰退」と言う意味は何を持って言うのかってことまで考えると面白くなってきます。
日本も高度成長時代から、失われた10年(もっと失われている感じですが(笑))このこと自体を考えると、高度成長時代ではない今の日本での生活がすごく不幸かと言うと、そうでもない感じです。それでも今の日本は衰退しているか考えると面白いものです。
高度成長時代に比べて成長率と言う点では確かに劣っており、その成長率の低さが将来に対する不安になっているのでしょう。国際競争力と言う点では、そもそも高度成長時代には経済大国2位なんて地位にはなかったはずです。今は3位になったかもしれないけど、少なくとも今の時代の方が国際的な地位も上がっているはずなのに、成長率の低さが大きな影を落とします。
このあたりに「「成長パラノイア」があるのではないかと言うことです。「パラノイア」って意味が分からなかったですが、「成長偏執病」とでも言いましょうか。要は成長続けることが至上命令のような(企業にもありますよね(^^;))
日本とイギリスとは必ずしも同じ土俵では比較が出来ない(生活史と言う面でスポットをあてると価値観も違うでしょうし)とは思いますが、いずれにしても歴史をこうした視点で切り込んで考えると、いろいろあるもんだなあって、改めて大学での歴史の勉強も悪くないかもって思ったりします(^^)。
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産業革命と贅沢禁止法。
世界史で勉強していた時に全然つながりを感じなかった両者がリンクするときの目から鱗、って感じがわくわく。
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歴史学から,成長を前提とする経済学への痛烈な逆襲。世界史とは通史を学ぶことではなく,現実の社会を俯瞰して問題をえぐり,たとえば本書のように経済成長とは何なのかを問うことではないだろうか。現代人必読の書。
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日経の書評で5つ星だったので買って読んだのですが、全然面白くなかったです。「大英帝国の興亡から現代日本を考える」と帯に仰々しく書いてありますが、タイトル通り、本書の中では日本については全く考えてません。本書を読んで各々思うことあるだろ?というスタンスだと思いますが、知識不足の私はイギリスの興亡から翻って現代日本を考えることができませんでした。