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一般書

電子書籍

ハローサマー、グッドバイ

著者 マイクル・コーニイ , 山岸真

夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深め...

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ハローサマー、グッドバイ

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商品説明

夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ…少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。

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みんなのレビュー101件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

人の望みは、何もすることがなく年を重ねていくだけの長寿ではないだろう。美しい盛りの日々を永遠に留め、豊かに楽しく過ごすこと。その願いに応えようとした「夏」のSFに連なる一作。

2008/11/15 17:42

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

――何度も心に浮かぶのは、首都アリカでのあの日のこと。父も、母も、ぼくも、あわただしく右往左往しながら、港町パラークシでの夏休暇用の荷物を、玄関の屋根の下に山と積みあげていた。思春期はまだ先だったけれど、ぼくはもうしっかりと大人のふるまいかたを学んでいて……(以下略/P9)

 語り手が自分の過去を振り返ることで起こされていく物語はたくさんあるけれども、この書き出し、いったい未来のどこから港町パラークシの夏休暇を語っているというのだろうか。
 結末に至ると、ほんの数行で、物語のなかの主人公たちが生きる世界がぐーんとロングに引かれ、思いも寄らなかった視座に立たされてしまう。そこを読み終えたあと、もう一度この部分を読むと、強く求めたくなる。「いつどこからあなたは語り、そして、そばに誰かいるのか」――この問いに答え、さらに語ってほしいと求めたくなる。

 1957年原書発行ハインライン『夏への扉』(ハヤカワ文庫)、1975年の本作コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』、1976年発表プリースト『限りなき夏』(国書刊行会)、1979年クロウリー『エンジンサマー』(福武書店/11月末に扶桑社文庫より改訳復刊予定)――たまたま読んで面白かったSF作家の作品、それも詩情性豊かな作品に「夏」が多いのは、おそらく偶然ではない。それは、夏が多くの人にとって、できるものならそのまま止めてしまいたい季節だからであり、SF作家たちは、実現不可能と思われる人びとのその願いに、各自の思いとガゼットで応えようとしているのだ。

 SFと言われて普通の人が想像するものは、宇宙に浮かぶ大きな有人飛行船、惑星上の探索機、人工知能で人間を脅かすロボット、便利な機械や装置が可能にする恒環境といったもので、どこかクール、知的なイメージを与える。そして、それはやはり、次々と移り変わり、時に人びとの予想を超えた変化を見せる「自然」とは対極にある。SFの巨匠たちは、それぞれの思考で「夏」という自然に象徴される人類世界の盛りの永続性というものについてイメージをふくらませてみている。
 四季を感じられる多くの先進国人にとって、「夏」は特別な時季だ。学校という教育の場を離れ、長い休みが保証される子ども時代に青年時代、心と体を発達させる時間を持つ。誰もが必ずしも素敵な夏休みを保証されるわけではないが、夏は冒険に踏み出し何かを得て、大きく伸びる可能性に満ちた季節なのだ。
 人が望むのは、何もすることがなく年を重ねていくだけの長寿ではない。美しい盛りの日々を永遠に留め、健康的でエネルギッシュに、そして豊かで楽しい日々を送ることなのだ。科学や技術はそのためにこそ寄与するものであるべきだ。また、ファンタジーや芸術も「夏の盛り」を夢見る。
 同列に並べた作家ごとに科学観、世界観、宇宙観は微妙に違うだろう。しかし、永遠の夏に対する郷愁やあこがれは重なり合うところが大きい気がする。

『ハローサマー、グッドバイ』の語り手ドローヴは、太陽系ではないどこかの星に生きている。エネルギーは蒸気エンジンを駆動させられる蒸留液というもので、彼の住む大陸の周りは海で囲まれているが、そこではグルームという危険な粘流が夏に活発に活動するになってきている。
 フューという太陽があって昼間は明るいが、ラックスという冷たい惑星が夜は近づいてくる。このラックスのもたらす冷たさというのが嫌われもので、そのことから、物や人をなじるときに使われる下品な言葉もfreezingとなっている。夏が楽しみの中心に据えられている物語で、freezingがfで始まる4文字言葉の代わりを果たすというのは、お茶目な設定だ。
 地球に似て非なる環境で、もしかしたら人間なのかもしれない、限りなく人間に近い男の子と女の子が再会して、親交を深めて行く。政府高官のエリート家庭に育った少年と、酒場を兼ねた宿屋の娘の身分差ある付き合いにはいくつかの障害があるのだが、港町パラークシ全体を巻き込むことになる事件の真相を仲間たちとあばこうとしていくうちに、言いたいことをはっきり口にできない、もじもじした男の子ドローヴは、屈託がなく大胆なブラウンアイズと距離を縮めて行く。

 設定された世界の不思議さを除けば、これはボーイミーツガールの心ときめく物語で、多くの人が自分では意識しないうちにゆっくり進行していっている恋の始まりの「揺らぎ」を思い出すことだろう。少しだけ暖かくなり始めた春の気配を感じ、恋ということに気づかされる初夏を経て、熱情が一気に噴き出す盛夏を迎える。
 結構燃え盛ってしまうようなところもあるので、「中学生には早いか、高校生ぐらいから読むといいか」という野暮な情報も盛り込んでおきたくなるけれども(子どもに薦めようか、学校図書館に入れようか、児童書の何たらリストに入れていいものかと迷うような人のために書いていますが)、こういう純粋で敏感な部分を直撃してくる内容の場合、ああだこうだと論評めいたことを書くのは手控えた方が良いだろう。
 どういうジャンルの小説なのか、SF小説としての出来はどうなのかと判断する狙いを中心に読んでしまうと、ときめきや揺らぎの追体験も疑似体験もやり過ごしてしまうから……。ときめいて、揺らぎに惑わされたいという希望のある人が、大切な自由時間に浸る本なのだ。
 そこを楽しむのが大きなポイントであり、それを楽しんだ上で、SFの仕掛けが「夏の盛り」のためにどう働くのか、戦争という背景がどう効いていたのかを初めて語り出せる。そして、仕掛けや背景なくして、書き出しと結末に込められた繊細さが表現できなかったことを知る。

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紙の本

みずみずしい

2016/03/09 00:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

少年の成長と恋の物語。
大人になると少しむずがゆくなるような、甘い恋の物語をSFと言うフィルターを通して濾過し、一流のエンターテイメントに変えた素晴らしい本だと思う。

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紙の本

イギリス及びカナダの作家マイクル・コニイ氏による青春SF小説です!

2020/05/18 10:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、イギリス及び移住先のカナダのSF作家マイクル・グレートレックス・コニイ氏によって著された作品です。同書は、フューと呼ばれる恒星をめぐる惑星を舞台に繰り広げられる物語です。主人公であり語り手でもあるドローヴは、地球人なら12~13歳くらいの少年です。政府高官ながら俗物の父と、自分たちの地位を守るのに小心翼々な母に反発しつつ、港町パラークシへの避暑旅行を心待ちにしています。なぜならそこには彼の思い人ブラウンアイズがいるからです。この惑星独特の夏のもと、二人は愛を育んでゆくのですが、父親たち政府関係者は不審な動きを見せ始めます。終盤になってから、この惑星自体の秘密が明かされます。というのは、この惑星は独特の軌道を持つせいで、これから40年ものあいだ過酷な寒冷期に突入するというのです。そのことをいち早く察知した政府関係者たちは自分たちだけが生き残るべく、秘密裏に大規模な避難施設をパラークシに建設していたのです。雪が降り始める中、酒場の娘に過ぎないブラウンアイズは施設から排除され、強制的に施設に収容されたドローヴとの仲は引き裂かれます。一体、二人の運命はどうなるのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。

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紙の本

ビッグサプライズをありがとう

2008/08/31 00:41

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

青い空を背景に表紙を飾る、とても可愛らしい女の子がきっと本書のヒロイン・ブラウンアイズ。海辺の街パラークシに住む純真で可憐な彼女と恋に落ちるのは、首都から避暑のためにやって来た政府高官の息子ドローヴ。身分違いの恋です。おまけに国は戦時下という非常時にあり、年若い恋人達をどんな結末が待ち受けるのか。

瑞々しく微笑ましく、ひと夏の恋よ永遠に続けとばかりに物語が進む一方で、”これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、さらにもっとほかの多くのものでもある”との著者の言葉が表すように、恋愛にまつわり、戦争にまつわり、そこに関わる多くの人を通じて、一歩進んで二歩下がるがごとき少年の成長を描きます。少年の成長がテーマでもあるせいか、とても素直な書きぶりで、ファンタジックな異世界にもすんなりと入り込めます。が、そこはやっぱりSFなので、一筋縄ではいかないお楽しみも待っています。

季節が移ろうように人の気持ちも移ろうさまを丹念に描きながら、最も大切なことは描かれなかった部分にこそあるのかもしれない。はっきりいって謎々です。ハンカチ握りしめ涙ふり絞りそうになったところで大きな疑問符に阻まれ、慌てて前半部分を読み返しました。SF史上有数の大どんでん返しが鮮やかで、爽快な読後感を味わいました。

ああ夏って素敵。これから人生の夏を迎える人がこの物語に出会う幸運を思うとかなり羨ましくなります。

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紙の本

異世界風、青春風

2018/12/22 00:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

異星に住む人間そっくりという異星人。その異星人の少年ドローヴが夏を過ごしに家族と訪れたパラークシで居酒屋の娘ブラウンアイズと再会する。肉体的に結ばれる。途中リボンという少女とも三角関係のようになるが、ブラウンアイズがそれに妬いたりするが、口八丁の金持子息ウルフとの交友関係はおもしろい。ドローヴの父は高級でないにしてもそれなりの官僚であるだけに反発し確執も出てくる。母親も身分にうるさくドローヴは好いていない。まるで人間劇だが、異文化らしい様々な風習や自然環境がその背景にあって見え隠れする。ラストではひとつの世界が「冬」を迎えようとして、人パラークシの市井の人々は過酷な運命を迎える(特にドローヴと一時期はかなり近づいていたリボンの変貌ぶりと末路は悲しい)が、ラストでその世界観を揺さぶる認識上のどんでん返しがある(そんなに大したどんでん返しでもない)。読後感は悪くはなく、異世界ものとしてはよくできていると思うし、「人間劇」として見れば些細な差異が逆に気になる。ブラウンアイズはうまく書けていると思うけど。

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紙の本

変わり種SF

2016/12/22 21:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:肋骨痛男 - この投稿者のレビュー一覧を見る

表紙に騙されてはいけない、結構ハードSF

わたしの好きな一節。

「それ以上の説明は不要だった。もう頭の中に思い浮かぶ。一頭一頭が人間並みの大きさで、力の強い獣の大群が、ぼくたちのちっぽけな船のまわりに集まってきて、低い舷縁を跳びこえる光景が……。」

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紙の本

夢落ちかと・・・

2017/01/08 19:02

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

エンディングの意味が理解できず、「はは~ん、やはり伯母さんの件で死んでたんだ、だから寒さが怖いんだな。死ぬまでの夢落ち青春だったのね!」などと独りよがりしてました。ネットで調べて、はじめて本当の意味がわかった・・・。みんな読解力がすごいね、私がアホなのか?くやしいから、続編買いました。

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紙の本

どんでん返しを期待しすぎると・・・

2015/03/29 02:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒロユキ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「衝撃のラスト!」「SF小説屈指の名作!」という謳い文句をたくさん目にしたので読んでみました。
確かに最後の10ページは驚きましたし「そう来たか!」とも思いましたが、正直に言えば『予想外のどんでん返し』とまでは言えないです。随所に伏線は散りばめられているので、少し勘の良い方ならラスト前に結末が見破れると思います。まあ、こちらが勝手にどんでん返しを期待しすぎたのが悪いのですが・・・
しかしSF小説、冒険小説、恋愛小説として素晴らしい作品であることには間違いありません。少なくとも買って損はしないです。

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紙の本

少年は世界と出会う

2008/12/23 23:28

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある年の夏休み、両親とともに別荘に訪れる少年、その地でのある少女との再会を淡く期待しながら。それに新しい仲間、風を受けて海を滑るボートセーリング、無謀さが引き起こした冒険、親への反抗、たぶん彼は、今までの夏よりも少しだけ特別な夏を過ごすことになるのだ。だけどその夏は、少年にとって特別な夏であるとともに、世界にとっても特別なものになったのだ。
ただその世界というのは、この地球ではない世界=惑星で、少年たち=種族もまた地球人ではない。作品中での彼らの行動や感情は、人類のそれとほぼ同じ、少しズルイみたいだけど、そういうおとぎ話があってもいい。生理的な事情による少しの違いの部分が、読者の日常感覚から世界を少しずつスライドさせていく。さらにその惑星では、地上を二分する国家同士の戦争が進行しており、それは最初は遠い戦場だけのものと一般市民には思われていたが、徐々に主人公やその周囲の人々に影響が及び出す。首都から来た役人の息子でありながら、地元と深いつながりを持った存在という新たな一面が、少年の主体性の現れとともにクローズアップされる。少年達の前に、戦争の秘密、それから惑星の秘密が明らかにされていく。
少年の私的な夏の経験と、惑星文明の消長の問題が、一つの視野の中で併存する。そういう大きな物語の中にロマンティックな要素をうまいこと、そしてたまらなく切なく埋め込むのも作者コニイの得意技だし、同時に国家や戦争というのもの実像を冷徹に見る視点はイギリスの先達であるウェルズやオーウェルの系譜を継いでいるようだ。ストーリーはテンポよくスケールアップし、少年は心の置き忘れを積み重ねていく。海、マリンスポーツを扱うのもコニイの得意分野で、その描写が季節感を醸し出すのにもうまく生かされているのだが、ここの海は「粘流」なるものが流れてくる奇妙な海であり、それが惑星の運航を肌に感じさせる効果も同時に生み出している。10代、20代はもとより、大人が読んでも忘れていた甘酸っぱい感傷を呼び起こされながらも、ズシンとくる重さを感じさせる作品。

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2008/07/12 00:15

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2008/07/16 16:56

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2008/09/01 13:16

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2009/04/05 20:26

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2009/08/11 20:55

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