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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2016/09/02
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社文庫
  • ISBN:978-4-06-273424-0

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電子書籍

聖の青春

著者 大崎善生

重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人へ...

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聖の青春

税込 858 7pt

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聖の青春 (講談社文庫)

税込 858 7pt

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商品説明

重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。第13回新潮学芸賞受賞作(講談社文庫)

目次

  • プロローグ
  • 第一章 折れない翼
  • 発病 不思議なゲーム 腕だめし 親族会議
  • 第二章 心の風景
  • 師匠 奇妙な生活 奨励会 前田アパート 終盤伝説
  • 第三章 彼の見ている海
  • デビュー 天才と怪童 一夜の奇跡 殴り合い 初挑戦
  • 第四章 夢の隣に
  • 自立のとき よみがえる悪夢 強行退院 ライバルと友情と
  • 第五章 魂の棋譜

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みんなのレビュー238件

みんなの評価4.5

評価内訳

紙の本

長くて、ややこしくて、もう届かない恋文

2007/04/17 23:24

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ユー・リーダーズ・アット・ホーム! - この投稿者のレビュー一覧を見る

村山さんが亡くなった年度の、A級順位戦最終局のテレビ中継を今もはっきり覚えています。何度も画面に現れるA級順位戦対戦表の左端に村山聖八段(追贈九段)の名前がありました。既に前期、A級復帰を決めてすぐに次期の休場を決断していた村山さんの対戦表は空欄で、当の村山さん本人も、最終局のその日から半年さかのぼる8月に、もう鬼籍の人となっていました。対戦表のボードが映るたび、あるいは緊迫する対局場の様子を眺めていると自然に何度も、ああ、もう村山さんはいないんだと思えてくるのが悲しくて、ほとんど呆然とした気分で画面を眺めていた気がします。
この本に書かれている、奨励会の26歳の年齢制限までに昇段がかなわず、プロ棋士への夢が断たれた友人の加藤さんとのエピソードで、勝たなければ即退会が決まる一番に破れた加藤さんに対して、負け犬、と追い討ちをかけるように言い放って泣いていた村山さんの気持ちは想像を絶します。プロを目指す奨励会員も、あるいはプロの棋士たちも、負ければ何もないという世界で命をかけて戦っています。だけど、村山さんにとって、負ければ死に、勝てば希望が繋がるといことは、かけらも比喩なんかではなかったんじゃないかということです。加藤さんが奨励会を退会しなければならなかったその時、村山さんはB級2組で戦う六段のプロ棋士でした。本来なら、加藤さんの立場から見れば圧倒的に羨むべき位置にいる村山さん自身にとっても、目指す夢へと確実に歩を進めている道の途中だったはずですが、それでも、棋界から去ってゆく加藤さんを負け犬と痛罵して、自分は負け犬にはならないと叫んだ村山さんの心には、負け犬に“ならない”というよりも、“なる余地すらない”という思いがあったのではないかという気もします。
夢が破れても、加藤さんには別の人生がある。二十歳の誕生日に、生きていられると思わなかったと喜んで師匠の森さんに報告していた村山さんが毎日見つめていた死は、すぐ目の前で強い将棋を指す村山さんを見ていた周りの人たちには想像のしようもないくらいに切実なものだったのではないでしょうか。将棋を失えば、殊更の夢なんかじゃなく、ごくごく素朴な暮らしさえ託す時間はないんだと、村山さんは思っていたんじゃないかという気がします。夢破れて傷ついていても未来のある加藤さんに、自由にならない自分の人生を突きつけられるような思いがして、それでも自分は絶対に負けない、泣き言なんかいうものかという切ない決意だったのかもしれない。もう、将棋が本当の意味で村山さんの人生で、だから負けてしまえば本当に死を意味したのかも知れないし、負け犬と言い放ったのは、むしろ淡い羨望の裏腹だったのかもしれない。
対局の前には、ほとんど相手を斬るという気持ちだといった村山さんの覚悟は、寄り添うような本物の死を間近に見つめる人の真剣さだったのではないでしょうか。自分より長く生きるだろう人たちを相手に、差し迫った自分の人生の足場を問い続けるようなジンレマを抱えながら、その相手の夢をつぶす可能性さえ人一倍承知の上で、真剣に、斬り合いの覚悟で、全力で挑んでいった村山さん。それしか生きる道はなかった。一年の休場を決めた後も、村山さんは最後まで復帰の希望を捨てませんでした。
もし叶うなら、いまから村山さんのところに駆けていって、ちょっと勇気を出して声をかけて、あなたの将棋が大好きですと伝えたい。本当に、大好きだった。

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紙の本

生きている証を勝負に見出した男の物語

2002/06/25 11:54

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 幼い頃に腎ネフローゼを患って以来常に病気と対峙し、若干29歳という若さでこの世を去った棋士、村山聖の生涯を綴った物語である。コミック『聖(さとし)』を併せて読むと良い。本書にはないエピソードも幾つか挿入されている。

 自分の命が長くないことを幼くして悟った聖は将棋という世界に自分の生きている証を見出した。『名人になるんじゃ』という、その思いだけが彼を生かしていたのかも知れない。将棋界で頂点に立つことが自分の生の証だと信じていたのだろう。

 二十歳になったときに師匠の森に『先生、僕二十歳になりました』と話しかける場面がある。『二十歳になれると思ってませんでした』という言葉が後に続く。その時には『そうか』と受け流した森だが、村山が立ち去った後で『良かったなぁ、村山君』とぽつりとつぶやく場面がある。村山聖は常に死を意識していたのである。それを知った師匠はきっと胸が締付けられる思いだったに違いない。

 体さえ丈夫であれば名人になれたであろう村山聖。晩年は羽生も勝てなかったという。名人であった谷川ですら村山には連敗を喫している。体さえ丈夫であれば、と思わない読者はいないだろう。本人も20歳前後の頃にはそう思ったことがあるらしい。しかし無い物ねだりをしてもどうにもならない。これが僕なのだとあの若さで悟っている。なんて悲しくも力強い言葉なのだろうか。

 しかし遂にA級に昇級しながらも名人へは届かなかった。羽生を苦しめた唯一の棋士といっても過言ではない村山聖。なんて運命とは皮肉なのだろうか。羽生を凌駕する力をもちながら一冠も為し得なかった棋士、村山聖。なんて運命とは残酷なのだろうか。

 これほどまでに自分を常に完全燃焼させている人物を私は知らない。お涙頂戴の話は基本的に好きではないのだが、これにはまいった。泣かずにいられない。

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紙の本

一人の棋士の人生

2012/02/05 17:00

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:お月見 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 実在した天才棋士の短すぎた人生を、丁寧な描写と、将棋への熱意が読んでいるこちらにも伝わってくるような、臨場感ある筆致で描いた傑作です。
 「聖の青春」というタイトルも秀逸です。29歳の若さでこの世を去ってしまい、輝かしい伝説や経歴を残しながらも、まさに将棋だけに命をささげた人生だった。
 「恋がしたい」という、青年としてはあたり前の憧れを、ぽそっとつぶやいた場面が印象的で、人なつっこい風貌だったという村山聖という人物が、より身近に感じられました。
 それから印象に残るのが、よき師との出会いと、絆の強さです。
 実話なので、はじめから結末がわかってはいても、最後のシーンでは涙が止まりませんでしたが、森師匠との出会いなくしては、村山聖のこの濃密な人生も、別の筋書きに変わっていたかもしれないと思うと、それがある種の「救い」のようにも思えるのでした。

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紙の本

壮絶な人生

2015/10/18 22:03

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カプチーノ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ひたすらにまっすぐ生きた男の人生。これを読んだあとは、少しのことでしんどい、無理とは言えなくなります。限られた人生の中を精一杯生きた村山さんには人間の限界と可能性を知らされました。文章でレビューを伝えることは難しい。読んでほしい。私たちはもっと頑張らなければならない。そのことに気づかされる一冊だと思います。

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紙の本

ただただ感動

2015/09/21 09:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ダイア - この投稿者のレビュー一覧を見る

病気と闘いながら一つの目標に向かって走る姿にただただ感動しました。
今の自分が恥ずかしくなりました。

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紙の本

将棋のことはまったく知りませんでした

2002/05/31 11:28

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケンケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本をとるまで将棋のことは何も知りませんでした。かろうじて羽生さんの名前を聞いたことがあったくらいです。しかし今本の帯にあったように「将棋の知識は必要ありません」。これは怪童・聖(さとし)の将棋にかけた青春の物語なのです。
ところどころ、泣いてしまいました。
まず、将棋界の勢力や手違いの関係で試験に受かったはずのプロの養成所に入れなくなってしまったところ。
そして、ラスト。死を向かえ、上の空で棋譜を暗誦するところです。
過酷の病気と闘いながら生き抜いたひとりの青年。この本に出会えて心からよかったと思います。

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電子書籍

もっと早く読みたかった

2020/08/19 12:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トミー - この投稿者のレビュー一覧を見る

私は藤井くんブームに乗って、将棋を習い始めた者です。先生から聖の青春の映画パンフレットもらって、是非観てくださいと、言われたのに、あまり将棋も分からないのに、観ても面白いかどうか分からないな、と、思って観なかったです。そして、小説のレビューが良いので、小説を読む事にしました。そしたら、何と、私の習っている先生が登場人物として、登場しているじゃないですか!私は、先生のお人柄も好きなので、将棋を続けられてるのですが、全く将棋を習わずに、自習で子供の頃から勉強していた聖さんに、尊敬の念と、最後まで名人になる事を目標にされた生き様に、凄く感銘を受けました。聖の青春という秀逸なタイトルと、見守った師弟関係など、将棋がそんなに分からなくても、充分楽しめました。

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紙の本

天才棋士の伝記

2016/01/31 20:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る

難病と闘いながら,29年の短い生涯を生き抜いた天才棋士の伝記。自分が生や死に対して普段どれだけ無頓着に過ごしているということが分かった。彼の見えていた景色というのはきっとだいぶ違っていたんだろう。「村山聖」という天才棋士がいたことを胸に刻み、私も日々一歩一歩人生を歩んでいきたい。

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紙の本

聖の太く短くたくましく生きた一生が心を打ちます

2004/05/27 13:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

ノンフィクション小説というのは、それが実際にあった出来事、実際に存在した人物のことを題材にしているので なおさら衝撃も大きく感動も大きい。
「聖の青春」は、実在した将棋棋士のあまりにも短い一生を太く懸命に生きた証を綴ったノンフィクションである。将棋の世界のことは全く知らない私だが、この小説は将棋のことを知らなくても主人公の強くたくましく壮絶に生きた人生にとても心を動かされた。
幼年期に発病したネフローゼという病気を背負い、子供病院で死と隣り合わせの毎日を過ごしながら見つけた「将棋」という希望。「名人になる」その目標に向かって、健康な人間にでも難しいその目標に さらに病気との闘いもある中で、そう長く生きられない自分の一生を感じながら必死に向かい続けた主人公・聖。
そして、聖を取り巻く師匠や両親、仲間やライバルたちの深い愛情。

この主人公の「村山聖」のことは、私は知らなかったのだがテレビやマスコミでも多く取り上げられたようだ。
しかし、この小説は 作者・大崎善人が将棋の記者として聖と交流があった中で 著者の愛情たっぷりに語られているところが秀作の所以だと思う。

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紙の本

村山聖をとりまく人たちの優しさに打たれた

2002/08/24 13:53

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:菅野 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 もちろん村山聖を主人公に据えているのだから彼を魅力的に描くのは当然なのだが、そんなことを割り引いても、彼の生き様の凄まじさにページを繰る指にも力が入り、集中して一気に読んでしまった。
 読者の立場では、この小説が夭逝した棋士の話であることは分かっていたので、彼が死んでしまうことなどあらかじめ分かっていたのに、彼らをとりまく家族や師匠、友人、ライバルたちがそうであったろう悲しみの何分の一かを読後に感じてしまうのだった。
 村山はヘンなヤツである。汚かったり、臭かったりもしたのだろう。感情の起伏も矯しかったのだろう。ワガママで頑固だったのだろう。しかし、そんな欠点ともいえない部分をも笑い話にできてしまうぐらいに魅力的な人物だったに違いない。将棋に対する真摯さがライバルたちを、彼の他人には一見分かりにくい優しさに家族も師匠も友人たちを魅入らせていたのだろう。そして、著者もその一人であったのだと納得した。

 哀しいと思ったことがある。そんな彼の生き様も時代の流れとともに忘れ去られていくのだろうな、と思うと、今の大量生産、大量消費の時代が疎ましい。

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紙の本

一度だけ彼を見た

2002/07/21 18:53

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 村山聖(さとし)。将棋界の最高峰であるA級に在籍したまま亡くなった。この物語は「わずか二九歳で他界した稀有な天才棋士村山聖の青春の物語である」。将棋をまったく知らない僕でさえ、村山の短い生涯に感動した。それは、云ってみれば青春という言葉が持っている、恥ずかしいほどの純粋さに胸が震えたといえる。

 村山は幼い頃に大病を患い、以後闘病生活を余儀なくされた。その入院時代に将棋を覚えた。そして、名人になるのだという、そのことだけを支えに生き急いだ。目標に向かってひたすらになることこそ青春時代の特権であるとしたら、村山の生涯はそのことだけについやされたといえる。しかし、彼が仕合わせだったというのは生き残った者たちの驕りだろう。なぜなら、村山自身がもっともっと生きつづけることを願ったはずだから。

 平成一〇年の夏、彼はその生涯を閉じるのだが、僕は多分たった一度その姿を見ているかもしれない。NHKの将棋番組でぷっくらと太った棋士の姿。あれが村山だったに違いない。それは僕が見た、たった一度の彼だった。

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電子書籍

盤上の旅人

2022/03/23 22:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

命をかけて将棋を指す、村山聖の生きざまが壮絶です。「将棋の世界は深い海」という言葉を信じるなら、今でも何処かを漂っていることでしょう。

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2012/01/17 23:40

投稿元:ブクログ

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2006/01/17 20:52

投稿元:ブクログ

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2006/02/02 23:32

投稿元:ブクログ

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