紙の本
村上春樹テイストへの嫌悪感
2016/12/30 23:25
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白いのに、何か異物感があり、全面的に好きになれないと思っていたが、解説の大森望氏の「村上春樹ミーツニール・スティーブンス」という評価に納得。大好きなスティーブンスと、大嫌いな村上春樹のテイストが、拮抗、いや、ややハルキテイストが強い上での嫌悪感だったと理解できた。ハルキ的な描写に嫌悪感のない人は絶賛できると思う。俺はやっぱり再読できない。
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もう少し盛り上がってほしかった
2017/04/29 21:15
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディックによる「高い城の男」の世界観を再構築した作品です。
ドイツと日本が第二次世界大戦で勝利した未来という最も大事な点は変わらず、
テクノロジーがより進歩しており、巨大ロボットも登場します。ストーリーもよりワクワクハラハラさせられるようになっていました。
ただ、個人的にはもう少し盛り上がってほしかったので、これからの期待の意味も込めて星四つです。
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昭子は三島の化身?
2016/12/07 11:27
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ガンダムやエバを彷彿とさせる場面は現代的でアトラクティブだが、結局は戦勝国サイドが力を誇示し続けているというエンディングはもうひとひねり欲しかった。
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違和感のサイバーパンク
2016/11/19 17:40
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投稿者:タナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語を読み終えて思ったのは違和感である。
日本人ならそれはしないだろう?
その様な社会制度になるか?
違和感は尽きないが、物語はその違和感すら巻き込んで一気に進んでいく。
最後の大どんでん返しに貴方はどう感じるか?
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USJ下巻
2016/12/24 10:45
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投稿者:yasu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」ときいて、「戦国自衛隊」のようなタイムスリップで歴史が変わるようなストーリーを期待したが、残念ながら、深い背景はなく、単なる日本が戦争に勝ったら、こうなっただろうという話。なぜ、「紅功」なのか、両親や六つ浦賀将軍の行動など、一貫性がほしい。必要のない残虐的な描写が多すぎ。設定はよいので、もう少し設定をきちんと考えてだれかリメイクしてくれないかな?
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救いがあるとすれば
2017/04/24 20:43
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰が主人公か分からないこの小説だが、救いがあるとすれば、特高の昭子だろう。
なんだかんだ言っても、英好に対する恋慕の念を断ち切れないでいるし、最後まで生き延びるというのも好感度アップ!
でも。結局アメリカ人は日本が嫌いなんだなというのがよく分かる小説だ。
現代版「高い城の男」と言われるが、現代版ISIS嫌い小説と読めてならない。
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陸軍検閲局大尉・石村紅功,通称ベンと特高課員・槻野昭子(作者的にはこっちが主人公らしい)は憲兵に追われる身となる。非合法ゲーム『USA』を制作し、アメリカ人レジスタンスの手助けをしているらしい六浦賀将軍の首級を挙げてこの窮地を脱することを目指す。向かう先はレジスタンスと激しい戦闘がなされ壊滅状態にあるサンディエゴ。
片腕マシンガンガール、命がけのゲーム対戦、巨大ロボ「メカ」戦、キッチュな展開が実に大まじめに進むところがすごい。
大日本帝国治下のアメリカはディストピアには違いなく、ところどころで滅びてしまったアメリカの「自由」の理念が語られるが、そのアメリカも日系人を強制収容所で人権蹂躙したことはプロローグで触れられているほか、理念と現実の解離はしっかり見定められている。他方、大日本帝国の掲げた理想にも言及され、USJの世界とUSAの世界は徹底して相対化されたある種の公平さに作者のアメリカのアジア人という位置をみる。
作者もディックと自己の資質の違いに言及しているようだが、確とした価値観がいまだあるなかで現実の崩壊を描いたディックに対して、もはや1つの世界ではなくなってしまった現代におけるディック的世界を楽しむのもよかろう。
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面白いような気がする、という状態が延々と続いて、ある瞬間にふっと終わってしまった。もう少し面白そうだと思ったんだけれど、面白いような気がする止まりだったのが残念。
起伏を感じられなかった。
161110
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これは、プロモーションによるミスリードだと思う。
いい意味でも、悪い意味でも。
しかし、それぐらい大声をあげて喧伝すべき小説だと思うのです。
ニッポンオタクの韓国系アメリカ人でアメリカ在住の著者が、「日本が戦争に勝ち、以来アメリカは日本に支配されている」という世界を今、この時代に描いたという、その側面こそもっと、スキャンダラスに取り上げられてもいいはず。
著者の出自や物語の舞台設定に垣間見える「無国籍感」こそが、この小説の最大の特徴だと思う。
やはり翻訳小説には翻訳小説の文体というのがどうしても存在してしまって、日本文学のそれとは仕方なく乖離してしまうのだと私は思う。それは言葉を「置き換える」という作業が発生してしまう以上どうしようもないことであって、だからその文体こそがある意味「翻訳小説らしさ」であったりするのだと思う。
その翻訳小説の文体に、漢字カタカナまじりの名前が載って、日本統治下のアメリカ内地で物語が進んでいくというこの違和感。
これは「外国文学」とか「日本文学」とかではなくて、「無国籍文学」というべきなのではないか、と思う。
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(上・下巻全体のレビュー・感想)
第二次世界大戦で枢軸国が勝利し、アメリカ西海岸は大日本帝国が統治し、日本合衆国(USJ)となっている世界(時代は1988年が中心)。
表紙から推察して、メカがもっと活躍するかと思って読んでいたけれど、予想に反してメカの登場シーンは少なかった(上・下巻を並べると表紙絵がつながるのは嬉しい感動。)。
設定はとっても面白いし、翻訳者さんが漢字を上手く使いこなされているお陰で、現実世界の日本ではなく”大日本帝国”が存続している感じが上手く伝わってきました。(解説を読んで、本書で必要不可欠な”電卓”は原文ではportable calculatorを縮めた"portical"という造語だっただったのか、と納得。)
ただ、ストーリー自体は期待が大きすぎたのか、ちょっと拍子抜けしたように感じました。
石村大尉がゲーム「USA」の制作・配信などにどの程度かかわっていたのかが、一読しただけではわかりにくかったです(私の理解力が足りないだけかもしれませんが…)。
エピローグで描写されている石村大尉が両親を告発した経緯が切なかった。このエピソードを知ったうえで、改めて上巻の石村大尉の初登場シーンを読むと、「石村紅功が死を考えない日はなかった。」という言葉の重みが増してきました。
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下巻もメカの戦闘シーンは少なめ。パシフィックリムを観た時のようなテンションにはたどり着けなかった。
ただ、ストーリー自体は思っていたよりも楽しめた。なかなか深い結末だ。日本人が同じ設定で小説を書いたら全然違う現状を描いていた気がする。
オマージュとも言われたディックの『高い城の男』を未読だったので、俄然興味が出てきた。
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下巻もダラダラと読んできたが、本も半ばに来て、慣れてきたというか、太平洋戦争に日本が勝ったという設定をしたゲームの世界だと思うことにした。
皇国や特高や憲兵や八紘一宇も神道もそれらしく見せるためのアイテムに他ならず、それ以上の意味がないと思えば、気にもならず、結局は“だれもが信じられる国・USA”を讃えているように読めた。
表紙が凄くかっこ良かっただけに、めっちゃ肩透かしでした。
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大東亜戦争で枢軸国側が勝利(日本は米国本土に原爆を投下)し、北米は西側を日本が、東側はナチスに占領されている。そんな世界の1988年、人々は「電卓」と呼ばれる携帯端末を駆使し、軍事ロボットが闊歩するハイテク世界となっている。日本は天皇制管理国家を昇華させ、占領政策を行うが、ジョージワシントン団という、反占領軍組織が北米中に浸透し、「USA」というアメリカが戦勝国となった非合法架空戦記ゲームが地下で広まっている。このゲームを作成した首謀者六浦賀将軍を捜索する、帝国陸軍検閲局のロートル大尉石村と特高警察の昭子。
世界観は楽しめたが、もっと対憲兵や対レジスタンス戦とかが繰り広げられることを想定していた。
著者が日本通であることは十分判るが、だからこそ話の展開や広がりが中途半端だと感じる。
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なんかこう、別の世界線という感じすらしない。日本という国名が出てくるけど、俺の知ってる日本ではないというような感じが最後まであった。
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んー下巻は期待してたほどじゃなかった。なんかもっとこの世界観を上手に活かしてほしかったんだけど、ロボットバトルもそう盛り上がらないし主人公のスーパーハッカーとしての技術も活かされきってないし、不本意なラストだった。ここまで大風呂敷広げたならエンターテイメントに徹し切るべきだったんじゃないかな。エピローグ的な章もあのラストの後だと蛇足に過ぎないなと思った。しかし訳がとにかく秀逸なので、訳書だと意識せずに読めたのが本当に新鮮な体験だった。