読割 50
電子書籍
星々たち
著者 桜木紫乃
奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚でさずかった娘とも生き別れた塚本千春という女。昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞...
星々たち
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
星々たち (実業之日本社文庫)
商品説明
奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚でさずかった娘とも生き別れた塚本千春という女。昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。千春の数奇な生と性、彼女と関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す。桜木ワールドの魅力を凝縮した、珠玉の九編。 松田哲夫氏(編集者・書評家)激賞!『一人一人の命が星のように光っている。その輝きを「物語」に結実させたエンディングの鮮やかさは見事!』 ■ひとりワルツ つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。 中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。 ■渚のひと 医大に通う息子が帰省する。久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。 隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが…… ■隠れ家 ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。 ■月見坂 晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は…… ■トリコロール 小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。 ■逃げてきました 市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。 ■冬向日葵 罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。 ■案山子 東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす元編集者・河野保徳の前に現れたのは…… ■やや子 図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。内心、彼と別れようと考えているやや子だったが……
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
三世代、女の人生
2017/08/08 09:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
咲子、千春、やや子三世代のそれぞれのお話。それぞれ独立はしているんだけれど底辺で繋がっている。決して幸福な親子関係ではないけれど、親を恨むでもなく三人三様、それを受け入れ生きているのが似ている点なのか。咲子も千春も何を夢に生きていたんだろう。その時々で精一杯だったのかな。咲かない咲子はそれでも最期、信頼できる相手に看取られた分少し幸せだったかな。北海道の漁村という荒寥とした寂しい土地だからこそ、この女性たちの行き方に共感できる点も生まれてくる。土地の勝利な気がする。東京が舞台だったら埋もれてしまうだろう。
紙の本
女の一生
2016/12/02 09:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道を舞台に三代にわたる女たちの生きざまを描く。と書くと、何やら演歌みたいな安っぽさを感じさせるが、さすがに桜木氏の筆は鋭く、どころか直木賞受賞後、書くたびに冴えてきている。3人の女を主人公にした9編の中では「冬向日葵」が突出。これだけでも☆5に値する。「星々たち」という表題を洒落るつもりはないが…タイトルの意味も後半の3作で分かるのが良い。
電子書籍
一気読みだけではもったいない。
2017/08/27 17:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気読みしたが、その後解説を読んでから再度じっくり読むとまた、新たな発見があって、物語の複雑な地模様が浮かび上がる気がしました。一人の女性の一生でもあり、その関係した女性たちの物語でもあり、夢の物語とも受け取れる。さすが桜木さんだとあらためて感心しました。
紙の本
重たかった…
2017/03/04 11:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長いヨーロッパ線でのお手軽な読み物にと思って携帯していったのだが,重かった…。まぁ人生は重いものですね。気になったことが1つ。千春の設定が矛盾していないか。高校生の千春は進学校で成績優秀なはずなのだが,なぜストリッパーに?それからも愚鈍な女に描かれている。それでも文学賞を取る。今一つ納得できない。そこにこだわらなければよくできた短編集。楽しめた。
紙の本
生き方について
2019/05/31 19:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
母娘三代に渡る話なんですが、やや重めで暗いかな。彼女等に加え彼女等にかかわった人達が、それぞれの人生を幸せか不幸だったかは置いといて、力強く、逞しく、時には狡猾に生き抜く人の強さを見た気がします。このままで終わったらモヤモヤしたんでしょうが、ラストがすごく良く、全体を通して、ああそういうことなのねと物語のタイトルにも納得しました。生き抜くしんどさを楽しさに変えて人生を歩みたいです