紙の本
辞書にまつわる
2016/01/25 13:21
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mutant - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそも日本語に関するものが好きで、その一環で「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生」を読み、さらに本書も読みました。非常に興味深く、一気に完読です。日本語関係では、井上ひさし氏や金田一晴彦氏の作品も興味深いです。
紙の本
新しい三省堂国語辞典の編纂をめぐる誰も知らない物語です!
2016/10/25 09:12
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国語辞典をひくと、語釈の特徴が辞書によってそれぞれ違います。三省堂国語辞典(サンコク)の改訂作業に携わる人々は、他の辞書には見られない視点で集めたことばに、誰もまねのできない語釈をつけたいと日々葛藤しています。「感動する辞書を作りたい」という情熱を語ってくれます。まさに、「辞書編纂」をめぐる重大事件を解決していくようなハラハラドキドキの連続です。
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地道な辞書作り~三国第7版が待ち遠しい~
2013/06/12 18:32
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
辞書作りの過程が丁寧に説明されていて、関心深く読み終えました。
「お仕事小説」が小説の一ジャンルを確立していますが、本書はさしづめ「お仕事新書」というところでしょうか。飯間氏もあとがきで「三浦しおんさんの小説『舟を編む』を意識しています(265ページ)」と正直に告白しています。
今まで私は、金田一京助氏のような権威者が、自分の弟子を使って辞書を編纂しているものと思っていました。実際は全く異なっていて、毎日のようにコツコツと用例採集をし、定期的に改訂作業(辞書の全体的な内容を見直し、辞書を生まれ変わらせる作業)を行うことで辞書の鮮度を保っているということが理解できました。つまり、定期的に辞書は買い替える必要があるということです。
また辞書によって編集方針が異なり、したがって内容も異なることを知りました。「三省堂国語辞典」の編集方針は、「実例に基づいた項目を立てる」こと、「中学生にでも分かる説明を心がける」ことの二つ。分かりやすさを追求し、「そのことばが、今、広く使われているかどうかに関心を持つ人に使ってほしい」という姿勢に共感しました。
今、私が持っている辞書は、24年前に改訂された辞書です。とっくに期限切れです。三省堂国語辞典の第7版が、今年末までに刊行されるとのことですので、刊行次第、三国第7版に買い替えることにします。
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三省堂国語辞典の改訂に関わる著者による,辞書編纂の舞台裏。鏡を目指す実例主義・鑑を目指す規範主義という,辞書の特色を決める大方針から,用例採集,新規収録語の取捨選択,既存項目の手入れまで。電子辞書やオンラインのフリー辞書を見据えた辞書の未来も語る。
本書のメインは中型辞書だけど,辞書を作るのは相当な手間と時間がかかってる。特に用例採集は,編纂者の常日頃からの蓄積に頼ってて,文献調査だけでなくフィールドワークも重要。そして苦労して集めた言葉がごっそり削られる悲喜こもごもの取捨選択。これだけコストをかけても,手軽なオンライン辞書に太刀打ちできるとは限らない。なかなか厳しいな…。
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『舟を編む』からの続きで読みました。
辞書作りの過程、情熱がユーモアを交えて惜しみ無く記されています。その職人的なお仕事はとてつもなく魅力的ですが、同時に“忍耐”と“超変態的な思考”も必要なのですね♪
デジタル、インターネットなど出現で、その存在すら危ぶまれているようですが、いつまでも人々の生活の傍に残って欲しいと思いました。
同じ活用するにも、その人の嗜好やライフスタイルに合った辞書選びができるそうで。買いたくなりますよ、国語辞典。
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舟を編むを観て、しばらく経ってから本屋さんで発見。映画にはそんなに出て来なかった語釈の大変さも分かったし、辞書毎の特色なんかもわかりやすかった。今欲しい辞書はもちろん新明解と三国。
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全体を通してソフトな語り口で、とても読みやすい一冊だった。文章から作者のあたたかく誠実な人柄が伝わってきて、固いイメージだった辞書編纂に、親近感がわいた。『三国』が発売されたらぜひ手に取ってみたい。
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先日NHKのBSで「ケンボウ先生と山田先生」という、三省堂の二大辞書―『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』を編纂した二人の国語学者、辞書編纂者の物語が放映された。ぼくはそれまで二人の名前はよく知っていた。見坊さんのことも多くの著書を通じて知っていた。しかし、二人が戦後大学を出てすぐ、金田一京助という(本人はほとんど辞書の編纂に興味がなかった)国語学者のもとで辞書編纂に従事し、その後たもとを分かつことになったことは知らなかった。そして、愛用する『新明解』も見坊さんがからんでいるとばかり思っていたが、見坊さんがずっとかかわってきたのは『三国』の方で、『新明解』は山田忠雄さんが中心となって編纂されてきたのだった。(さっそく本屋へ『三国』第6版を買いに行った)その『三国』は現在第6版が出ていて、今年末には第7版が出るそうだが、その7版の編纂の裏話、苦労を書いたのが本書である。用例採集といえば見坊さんの145万?の用例カードが有名だが公私に関係なく、どんなときでもカードに取るその姿勢は、とてもまねができないし、こんな人と人生をすごした奥さん、家族はたいへんだったろうなあという気がする。(今ならだれも結婚してくれないだろう。むしろ、独身を貫き通すべきだ)飯間さんは、見坊さんまではいかないまでも(むしろ奥さんの視点に助けられたりしている)、日夜カメラをもって、珍しいことばを採集し、電車の中でも雑誌を読み、該当箇所をやぶり折る作業を続ける。(ぼくも中国へ行くとカメラをもってこれはという字を撮り回るから、しばしば妻において行かれる)辞書編纂の過程で、飯間さんが最も力を注いでいるのはやはり語釈で、カピバラという動物の語釈を書くために動物園に行ったり、キャバクラを書くために(人に連れられてではあるが)現場に足を運んだりする。そういう努力も辞書の上ではせいぜい2~3行で書かなければならない。百科項目を国語辞書としてどう記述するかも興味深かった。ぼくがひとつ気になったのは、飯間さんの名前が第6版では表紙になく、裏表紙にしか出ていないということである。第7版では出ていることを期待したい。
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すごく読みやすい。辞書作りの奥深さがよくわかり、辞書に親近感が持てるようになる。著者さんの言葉に対する愛を感じる。言葉って面白い。
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国語辞典編纂の実際を垣間見ることができる。実際にはもっと大変なんだろうけど…。小説『舟を編む』(三浦しをん)で辞書編纂の面白さを知った人には興味深いと思う。
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「三省堂国語辞典」の編纂者による辞書改訂の実録。「船を編む」は未読なのですが、普段意識することのない辞書よ作り手の思いや手法を垣間見ることができる。
個人としてはCASIOの電子辞書を使用している為、広辞苑を使用することが多く、用例などが古典に偏りがちで些か不便だなあと思っていたのですが、編集方針がきっとそうなのでしょうね。三国7版が出たら現代語用に購入を検討してみよっと。
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「簡単明瞭、利用者がぱっと見て、すとんと胸に落ちる」
来年発売の三国7は絶対欲しくなります。
「船を編む」と一緒に読むと楽しいです。
「群衆の中からも、歔欷(きょき)の声が聞えた」
「あまりにおもしろすぎるのではないか?」「一筆書きのようにさらっと説明するには、この表現が良いと考えました」
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用例収集に関しては、すでにデジタルの時代が来ている。その方面の専門家で、さらに日本語学も分かる、そういう方が加わるべきだな。
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これは是非『舟を編む』とセットで読んでもらいたい一冊。
『舟を編む』で辞書編集とは何かを何となく分かったつもりでいたが、これを読んであっ本当にそういう風に辞書は編纂されているのねってことが分かった。そしてもちろん手に入れたくなったのが『三国』。やっぱり電子版じゃなくて紙辞書がいいよね。7版の出版が楽しみになった。
『三国』の「右」の語釈を読めば、この辞書の目指すところがよく分かる。思わずうなずくところあり、笑ってしまうところあり。充実の読書体験。
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辞書がどのように作られるのか、手順を追って書かれており興味深い。日常生活のあらゆる場面から、辞書に載せるための言葉を採集するプロセスは、辞書作りというイメージにはなかったので面白かった。他の辞書も同じような過程で作成されているのか、気になった。
(2013,12)